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「未完成なうた」

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自作の詩。誰かの心に届いたらいいな
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#詩

「六月のきみ」

「六月のきみ」

「どうしたの」と聞く
きみの優しい声が聞きたくて
理由も無く黙って

「なんでもない」って
決まり文句みたいに私は言った
眉毛が下がって
首を傾げるきみ

その後ろには六月の空が
いつまでもはりついていて
剥がれない

きみはどうして
どうして私を残して居なくなったの

私はまだきみに
あのとき困らせて
ごめんねって言ってない

私はまだきみに
あのとき黙っていた
理由をひとつも話せてない

「ど

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「茜色の誕生日」

「茜色の誕生日」

夕日を眺めながら
日が沈んでいく間の時間を
誰かと過ごしたい

今日はわたしの誕生日だったけれど
何もしないで一日が終わってしまう

あの海の側にある水族館の
ポツンとあるベンチに座り
水平線を眺める自分を想像したの

そこに今もしも
大切な誰かと居られるわたしであったなら
プレゼントも何も
とびきり楽しいエピソードもいらないの

昨夜は咳で眠れなかったけれど
たまらなくて深夜に車を走らせた

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「下弦の恋月」

「下弦の恋月」

余白を埋めてほしいな きみに
あの下弦の月みたいに 残りの部分

身振り手振り話すきみの
爪、深爪してた今朝
新しい一日が始まる
また、影が濃くなる

余白を埋めて欲しいな きみに
あの下弦の月みたいな 心許ない夜

感情が全て出るきみの
瞳、悲しみが宿り
新しい一日が閉じる
また、光に立ち止まる

余白を埋めて欲しいな きみに
あの下弦の月みたいな 残りの部分

気づいていたら消えちゃうから

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「天使の卵」

「天使の卵」

怖くないよ
こんなに美しい透明な朝だから
嘘がすぐにバレてしまいそうで笑った

眩しくて目を逸らしたら
それでも追いかけてくるもの
何だった?
君にも分からないでしょ

でも大丈夫だよ
こんなに待ちに待った特別な日だから
沈んだまま浮いてこない気持ちにも
意味があるの

いつの日にか
在るべき場所に還っていくまで
隠してあげる
君にも分かるでしょ

天使の卵のように
在るべき場所が迎えに来る日まで

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「ビー玉」

「ビー玉」

キラキラ光る
そのガラスの向こうに
たくさんの憧れ

透けて見えてしまいそうで
怖くて目を閉じたけど

それでも輝いてた
胸を焦らせるほどに

無力な手のひらの中に
握り締めたビー玉
力込めたら壊しちゃいそうで
あたためた気持ちを
淡いガラスに吹き込んだ

この想いよ
もう少しひび割れないで

「バッドエンド」

「バッドエンド」

わたしは物事を深く捉えられる自分が好き
だからこそ、大嫌いにもなる
辿り着かなくてもいい最悪の答えまで
最速で届いてしまうから

その柔らかい笑顔向けられたとき
ふわふわ足元が浮きたつあの感覚
その滑らかな指先が触れたとき
スルスルと堕ちてゆくあの感覚

幸せなの 不幸せなの
わたしはわたしに問いただす
もう後戻り出来ない遠いところまで
行ってしまう前に早く
早く早くって急かされる
わたしはわたし

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「溶かして」

「溶かして」

きみにひとつ 聞きたい事がある
出逢ったあの日から数えてみて
僕はきみにどう映るの?

きみがひとつ 頷く度に増える
難題 困難 だけど本当は単純
出逢ったあの日から始まったの
僕はきみに、恋したの

もう解らなくてもいい
詳しい事むずかしい事
考えれば考えるほど
悔しいくらい
真ん中にきみが居て、もう

だから僕がきみに真面目に
聞いたときだけは
はぐらかさないで答えて

ただずっと溶かされてき

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「例えばの話し」

「例えばの話し」

どうせ叶いっこない
初めから諦めてるこの恋は

例えばの話し
もしも、もう少しきみと
早く出会えていたら
あの人よりも先に
きみの心を掴めていたら

「悔やんだところで後の祭り」
なんて悲しい言葉だろう
「花は散るからにこそ美しい」
なんて虚しい言葉だろう

きみが僕に笑いかけたあの日よりも
もっと早くきみに出逢って
きみに恋した人が居たんだね
そして、きみも恋をした

例えばの話しをしよう
今さ

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「ミモザ」

「ミモザ」

どうして分かるの
震える手を繋いでくれるきみ
分かってるよって
いつでも気持ちが通じてるよって
繋いだ指の間から感じる

ずっとこうしていたい
ふたりでいたい

難しい事ばかりだね
普通にはいかない事ばかりだね
恐る恐る踏み出したぼくらの
このせかい

悲しい事ばかりだね
思い通りにならない事ばかりだね
並んで歩くには窮屈すぎる
ぼくらのせかい

ぼくにも分かるの
震える手を繋いでくれるきみの

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「プレイリスト」

「プレイリスト」

きみに出会った頃よく聴いてたあの歌
ふと聴きたくなって
プレイリストをスクロール

懐かしさ込み上げてくる
おかしなくらい鮮明に蘇る
きみが初めてぼくに笑いかけたあの日

吸い込まれて取り込まれて
抜け出せないんじゃないかと思うほど
きみがキラキラ輝いて、ゆらめいて

愛しかった ただただ毎晩毎朝
きみの顔を思い浮かべては手に汗握った
今思えば、恥ずかしいね

きみに恋した頃よく聴いていたあの歌

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「無題」

「無題」

ぼくを見つめてるあなたの眼差しの中にある
優しさと激しさに
気付いてた

ただ、その優しさが
ずっと離れたくないくらい
とてもあたたかくて明るくて

切なくあなたがぼくを見つめると
どうしていいか分からなかった
離れたくもない 受け入れられたくない

友達のままじゃいけないの
優しい関係は あなたにとっては
苦しいことなんだね
気付いてた
ごめんね、ごめん

窓をガタガタ揺らす 雨風の深夜
あなた

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「きみの声を聞かせて」

「きみの声を聞かせて」

きみのことを考える時
心強くて温かい気持ちになるから不思議
眠りにつこうとした深夜にも
きみと話した他愛も無い話思い出して
自然と笑顔になれて安心するんだ

だけど僕は、きみに何か出来てる?
分からない 自信が無いよ
ただ、きみが笑ってくれるように
いつも優しく照らしてくれる
きみの居場所を守り続けたいから

きみの声を聞かせて
安心して眠れるように
ごめんね、僕は弱いから
またきみに甘えてばかり

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「薄明」

「薄明」

足りない時間を
スマホのスクロールで無駄にする深夜
君に会いたい ただ無性に会いたい

埋まらない孤独を
コンビニのスイーツで誤魔化す真夜中
君に会いたい 心の底から会いたい

君に会ったら何て話すかな、なんて考えてた
ぼんやりぼんやり考えてた
話したいこと沢山沢山あるんだ
積もり積もってもう
底の方は分からないや

限りある時間を嘆きながら
寝付けないまま明けそうな空
君に会いたい 今すぐ会いた

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「痛いよ、」

「痛いよ、」

「仕方ないね」

ポトリポトリ 落としてゆく
腑に落ちないまま 堕ちてゆく

きみの心 見せてくれる度
素直なきみの まっすぐな視線が
痛い 痛い 頭が痛い

「仕方ないね」

ポツリポツリ 納得させるように
呟くひとり きみへと繋がったまま
ポトリポトリ 落としてゆく
腑に落ちないまま 堕ちてゆく

叶わない誰かを愛している
きみも私も 曲がりくねった道が
続く 続く 頭が痛いよ

痛い 痛いよ

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