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名もなき花にこそ

東京に住む母の叔母、つまり私の大叔母から花の絵が贈られてきた。

ショートステイ先でのレクリエーションで描いたものという。

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はやくに夫を亡くされた。以後、洋裁の仕立て、修繕でふたりの娘を育てられた。孫、曾孫は何人だったろうか。

御年93歳。

東京の喧騒のなか、その腕ひとつで生きてきた。

有名無名。アーティスティック。名誉。富。クリエイティブ。そんな言葉たちの雑踏から遠く離れた地で、この名もなき花々はひっそりと咲いている。

会いに行きたいね。

絵を飾ったあと、パートナーがつぶやいた。


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