見出し画像

鹿児島の男尊女卑、結構ヤバい

今日、卒論を書き終えました。
テーマは、「鹿児島県における母子家庭の実態:子どもの自己決定に焦点を当てて」。
なんで"自己決定"かと言うと、「人間の幸福度は自己決定が大きく左右する」という論文を読んだのが印象に残っていたからです。(https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2018_08_30_01.html)
当事者へのインタビューを軸にしてるので内容は公開できませんが、1つだけ発信したいことがあります。
それは、「鹿児島の男尊女卑、結構ヤバい」ということ。

まず、鹿児島って大学進学率がめちゃめちゃ低いこと知ってましたか?
2019年のデータによると、全国47都道府県中最下位。1位東京の73.3%、全国平均の53.7%に対し、鹿児島は38.3%と大きな遅れを取っています。
(ソースの記事も面白いからおすすめ→ http://tmaita77.blogspot.com/2019/08/2019.html?m=1)
これは今に始まったことではなく、過去には15年連続で全国ワーストを記録したことも。そして、歴史的に足を引っ張っているのがその男女差です。2019年においても、男子は42.6%なのに対して女子は僅か33.7%に留まっています。
もちろん大学に行くことが正義じゃないけれど、そもそも進路の選択肢が狭まっているとしたら、自己決定の質は下がってしまうはずです。
そして、この背景にあると思ったのが、大きく分けて「低すぎる最低賃金(これも全国ワースト)」と「根深い男尊女卑」の2つです。今日は、後者について書いていきます。

正直、自分も鹿児島に住んでたときに「男尊女卑ヤバい」なんて思ったことはありませんでした。家で祖父が晩酌しているときに祖母が夕食を作っていたのも、「そんなものか」くらいに感じていました。
さらに、インタビューする中でよく聞いたのが「親戚の集まりでは男が最初から座って酒を飲むのに対し、女はせわしなく動いていた」というエピソード。そして、男女問わず皆が口を揃えるのは「当時はそれがおかしいことだと思わなかった」ということです。
確かに、ずっとその文脈で暮らしていると、問題意識を持つどころかそれが美徳だと感じるようになるのかもしれません。実際、「夫や家庭に尽くすのが一番の幸せ」という女性もいるので中々難しいところではあります。もちろんその選択は尊重されるべき。

でも、「男と女で人間としての価値が変わらない」というのは流石に不変の真理だと思います。それでも、古いジェンダーロールが踏襲されている現状が鹿児島(もしくは九州)にはあるのです。
そして、これは家庭内のみならず、行政にも影を落としています。特に顕著だったのは、2015年の伊藤祐一郎知事(当時)の「女子にサインコサインを教えて何になる」発言。一応批判されてはいましたが、後に発言を撤回しただけで正直大きな問題にはなりませんでした。
それだけでなく、同年には県によって"全国初の全寮制公立中高一貫男子校"である楠隼中高が新規開校されています。「リーダー教育」を掲げているのに男子校とは、時代錯誤も甚だしい…。
また、年始にあった高校の同窓会で、非常に優秀な女性の友人に「進路どうするの?」って聞いたらこう答えられました。
「とりあえず鹿児島には戻らないかな。たぶん、正当に評価されるのは難しいから。」
こんな現状なら、そう言われても仕方ありません。
これらの根っこにある"男尊女卑"が女性の自由を抑圧し、回り回って鹿児島の進歩を遅らせている側面があるのは間違いないと思います。

「じゃあ、どうすればいいの?」
正直、今はわかりません。何者でもない自分には、勉強する中で得た知見を発信するくらいしかできません。(という結論で卒論は結んだ。)
きっと「男が働き、女が家を守る」自体が悪いわけじゃないけど、それ以外の選択肢が無い中でもし自分や友人の子供が生きてくのを想像したら渋い。
1人でも多くの人にこの記事が届き、それぞれの経験を捉え直すきっかけになったら嬉しいです。

#ジェンダー #男尊女卑 #鹿児島 #九州 #男女平等 #とは


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?