銅色の鍵

高校の司書です。この仕事は地味で一般の人にわかりにくいようで、図書館内の仕事場面を入れた小説を書いたら、こんな仕上がりになりました。 個人差があるので、これが全てではありませんし、書かれた小説はフィクションで、実際の人物や団体とは一切関係がないことをはじめにお断りしておきます。

銅色の鍵

高校の司書です。この仕事は地味で一般の人にわかりにくいようで、図書館内の仕事場面を入れた小説を書いたら、こんな仕上がりになりました。 個人差があるので、これが全てではありませんし、書かれた小説はフィクションで、実際の人物や団体とは一切関係がないことをはじめにお断りしておきます。

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司書は学校に1人は必要だ(エッセイ)

◯「学校図書館が救世主」 私の子供〜学生時代  我が家には絵本や子供用の百科事典があった。買ったか誰かからいただいたもので、読み聞かせもしてもらっていた。  そのおかげか幼い頃から本好きだった私は、やがて家にある本では物足りなくなる。しかし本屋に行っても、私の膨大な読書欲に対して少ししか本を買ってもらえない。  「需要」に対して「供給」があまりに少なすぎた。  そんな私の救世主は学校図書館だった。  小学校の図書館には頻繁に通った。  司書の先生との思い出もある。  

    • 『ノルウェイの森』まで捨ててしまうのですか〜学校図書館図書廃棄規準〜

       先日から全国学校図書館協議会策定「学校図書館図書廃棄規準」についてやたらと書いているのは、私自身があの規準を元に悩みながら除籍対象の本をずっと選んでいるからです。    10年という縛りがあることで、捨てやすくなった本が増えました。特に医学・福祉(介護保険の現状とか時事的なもの)・スポーツルール・就職関係などについては罪悪感が減りました(と言っても捨てるのはまず20年以上前のものからですが)。  そう、本の除籍は必要だからしますが「大変な状況にある人のことを世間に知らせよ

      • 大金持ちの学校ならこのまま使えるのでしょう…「学校図書館図書廃棄規準」

         全国学校図書館協議会が作成した「学校図書館メディア基準」という学校図書館蔵書冊数の目安があります。  これも「廃棄規準」のように一人歩きするらしく、基準冊数に達しないから古い本を捨てさせてもらえないという司書の嘆きを聞いたものです。最近は「廃棄規準」が有名になったおかげで(?)本を捨てやすくなったようですが、この基準は今でも現役です。  最低基準の学級数、小学校なら1学年1クラス以下、中学校で1学年2クラス以下…私の勤務高校は学級数はもっとありますが、予算が少ないので最

        • 【小説】あなたの願う「扉」が開きますように

          ※『いつか扉が閉まる時』1シリーズの最終回のスピンオフ。 登場人物 橋本紗枝:県立高校2年生。図書委員  藤井先生:学校司書(逝去) 増野先生:藤井司書の代替職員 田辺先生:図書館には詳しくないが図書委員会担当教員。女子バスケ部顧問。生徒指導部  射すような寒さが緩み、桜の開花予想が始まるこの季節をいつからか私は好きではなくなった。  「申し訳ないが今度、正規が配置されるから」 「国語の定数が1減ってね」  記憶の中で気の毒そうに言うのは全員、雇用の安定している管理職

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        司書は学校に1人は必要だ(エッセイ)

          「学校司書について」答弁2024年6月14日文部科学委員会 簡単なまとめ

           学校図書館議員連盟という超党派議員連盟があります。  その名簿が掲載されている「ひらこう!学校図書館 学校図書館を考える全国連絡会」サイトに行くと以下が書かれていました。  この連盟の議員である笠(りゅう) 浩史議員が6月14日文部科学委員会で行った質問について、覚書をここにまとめました。 (簡潔なまとめであり、誤字脱字や記載違いがあるかもしれませんのでご了承ください。答弁中の【】カッコは著者のつぶやきです。) 笠議員:  2014年4月25日 私が事務局長、当時河村

          「学校司書について」答弁2024年6月14日文部科学委員会 簡単なまとめ

          これからも、この物差しで測る社会のままなのか。例えば、司書について(エッセイ)

             この方の記事を読んで、考えてしまった。 ※勝手に埋め込んで良いのでしたっけ(ご本人様に通知が行くらしいです)。書かれた主旨と違っていたり何か失礼だったりしたら申し訳ありません。以下も上の方の文章から引用しています。  学生時代に図書館がいつも近くにあったおかげで、より豊かな人生になったというエッセイを書いた。  それが答えだと思っていた。  図書館は、数値で測ることができない価値だと。 例えば、進学先について  進学校や塾なら、名門高校や名門大学への合格者数が

          これからも、この物差しで測る社会のままなのか。例えば、司書について(エッセイ)

          学校司書をスペシャリストのままで(エッセイ)

           公務員減を加速させるトップランナー方式のせいか、これまで高い割合で正規職員だった我が都道府県立高等学校司書も、非正規の割合が増えてきた。  それでも以前は非正規でも「司書」や「司書教諭(教員免許保持者が取れる)」資格持ちの経験者が常だったが、最近はそれすら崩れていて「学校あるいは図書館で働いたことがない、未経験の人」が充てられることも散見され、周りの学校司書に戸惑いが広がっている。  司書にも異動や退職、また病休・産休・育休があるが、自分が抜けた後に誰が来るかは大変重要

          学校司書をスペシャリストのままで(エッセイ)

          10年以上前の本は存在価値がないのか〜学校図書館図書廃棄規準〜

          公益社団法人全国学校図書館協議会が2021年に改訂した規準。  学校図書館に新しい本が必要なのは、よくわかるのです。  でも、やはりこれ、機械的に実施されると学校図書館が成り立たないなあと日々本棚を眺めながら思っています。  これはあくまでも「平均」で、私の知る限り、予算が300万円という高校もある傍ら、30万円しかない高校もあります。  予算が数十万円しかない学校図書館では並ぶ本が古く、半分以上が10年以上前の本だと言っても過言ではありません。だからと言ってすべて

          10年以上前の本は存在価値がないのか〜学校図書館図書廃棄規準〜

          何でもかんでも捨てれば良いわけではない〜学校図書館図書廃棄規準〜

           公益社団法人全国学校図書館協議会が2021年に改訂した規準です。 (引用はすべて公式HPより)  この学校図書館協議会(SLA)には多くの都道府県・自治体の学校が会費を払って加盟しているはずです。  その通りです。   ◆そう、あくまでも 「拠り所」 です。  これを基に、自校図書館の蔵書を客観的に見直してみてね?ということであって、ケースバイケース、蔵書のバランスや利用状況を無視してまでこの通りにしなさい、ということではないはずです。  ただこの条文が独り歩き

          何でもかんでも捨てれば良いわけではない〜学校図書館図書廃棄規準〜

          【まとめ漫画】いつか扉が閉まる時③

           パート1はとりあえずこんな内容です。  学校図書館に限らず「仏作って魂入れず」みたいなことが日本のあちこちで進行している気がします。  法人化され非正規講師が増えて研究機関としての機能が難しくなった大学、ハローワークで働く人が不安定雇用の非正規、奨学金という名の借金に何十年も縛られ苦しむ人々。  各地に増える子ども食堂。数人に1人が貧困児童と言われて何年も経つのになされない改善。生活が苦しい中、搾り取られる税金…。  根っこはすべて同じところに繋がっている気がします。

          【まとめ漫画】いつか扉が閉まる時③

          【まとめ漫画】いつか扉が閉まる時②

          ※ワールドメーカーで作成しました。まだまだ慣れない… レファレンスについて 図書館ではレファレンスという、利用者の調べたいことを手助けする業務があります。  「この本ありますか?」みたいなものはさほど時間はかかりません。  しかし抽象的な上にこれまでその学校では無かった「急ぎの」問いがあると、対応できる本がほとんどないことがあります。予算が豊富だった別の学校図書館ならちょうど良い本があったのにと思うことも。結局限られた本棚の本とネット両方当たって探して、時間がかかる(数時

          【まとめ漫画】いつか扉が閉まる時②

          【まとめ漫画】いつか扉が閉まる時①

           world makerで作ってみました。NOTEなら場所を選ばず読めそうだし、このアプリ面白くて、つい…。でもまだ使い方はよくわかっていません。

          【まとめ漫画】いつか扉が閉まる時①

          漫画作成アプリ「World Maker」を、パソコンで使ってみた(エッセイ)

           学校図書館の話を漫画で描きたいと思うものの、絵の練習すらしない私、こんなアプリがあったとは!と飛びついてみました。  でもITに弱い私には難問でした…。  さて【小説】「いつか扉が閉まる時」、自分で書いておいてなんですが導入部分が明るくなくて、素人小説なのに余計に致命的な感じ…。  もちろん「2」以降のシリーズに有難くも「好き」を押してくださる方、ビューの数もまあまあありましたが、実際に最後まで読んでくださった方が果たしてどれだけいるのか。  私が「あなたの記事、好き

          漫画作成アプリ「World Maker」を、パソコンで使ってみた(エッセイ)

          ふふふの遺産(エッセイ)

           図書館での「前(さらに前、前々)任者」たちからの「負の遺産」を書いてみたくなりました。当時はあんまり笑えませんでしたが。 ◯書庫にある本たちの上の謎の白い粉  「(口に含んで)ぷっ(と吐き出し)、シャブだ」  とかではもちろん無く、ある学校図書館の書庫では、積もり積もったホコリとカビが本の上にこんもり(5ミリ程度)と乗っていました。  何校か異動して学校図書館を見てきましたが、そんなに掃除されていなかった書庫は、覚えている限りそこだけです。  (ただ、本が床に適当に積ま

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          『交換ウソ日記2』をいち学校司書が読んでみた(エッセイ)

          「読んだ本の感想をnoteに書いてみませんか?」  テキストを書こうとするとnoteで勝手にそんな言葉が出てきました。  お世話になっているnoteさんのご期待に応えられず申し訳ありませんが、これから書くことは「そこまで」感想ではありません。  今回は「2」を読むことになった経緯と、「2」の登場人物についての考察です。   学校司書の役割の一つとして、自校の蔵書を知ることが挙げられます。  勤務時間中は文庫の裏のあらすじを見るくらいですが、かなり前に先輩ベテラン司書に言わ

          『交換ウソ日記2』をいち学校司書が読んでみた(エッセイ)

          司書の仕事が楽だと思われるのは、なぜだろうか(エッセイ)

           何も知らない一般の方のSNSのみならず  人によりますが事務室とか教育委員会の態度とか、司書の待遇の全国的な悪さを見ていると「楽だ」と決めつけられている節があるようです。  司書の仕事に理解があるのは同業者(で仕事できる人)か、ご家族に司書がいる方が多かったです。  もちろんわかっている、あるいはわからないなりに「司書は特に楽ではない」と思ってくださる事務職員や先生方もたくさんいますが  そうでないケースがあり、それが待遇の悪さに直結しているようなので、私なりに理由

          司書の仕事が楽だと思われるのは、なぜだろうか(エッセイ)