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茶道のかなめは、何?

 私は裏千家で茶道をお稽古させていただいています。以前、講師の方に、
「お点前は3割、日本の古典文学7割。それができていないと、お茶室に招かれたとき、その日のお茶室の主題(テーマ)を理解できません」
 と言われました。茶道教室に通い始めて1年半がすぎた頃から源氏物語、伊勢物語、古今集、万葉集を勉強し始めました。
 先日のお稽古で問答になったとき、こんなことがありました。
主客「お茶杓の作は?」
私「坐忘斎お家元です」
主客「ご銘は?」
私「空からの花、にございます」
主客「それはどういう意味ですか?」
私「古今集の清原深養父(きよはら ふかやぶ)の作で、
  冬ながら 空より花の 散りくるは 雲のあなたは 春にはあるらむ
 という和歌から取りました。ちなみに、作者の清原深養父は清少納言の曽祖父にございます」
先生「そうだと思いました。この時のご銘は、最初から和歌を読み上げた方がいいと思いますよ」
私「わかりました。次回からは、そういたします」
 という感じで、その日のお稽古は終わりました。
 また、掛け軸は、
「看脚下」
 でした。中国の禅の問答です。意味は、
「何も頼るものがないなら、自分の足元をよく見なさい」
 という意味です、と先生が話してくれました。
 この2年間、先生のもとで茶道を学ばなかったら、昨年の松本清張賞に応募した「長谷川等伯」を書き上げることができなかったと思います。
 長谷川等伯については資料が無さすぎました。そこで、同じ時代を生きた千利休を掘り下げれば等伯が浮かび上がってくると予測して、茶道教室の門を叩きました。大正解でした。
 次は「俵屋宗達」です。これにも、先生は見事に応えれくれています。

創作活動が円滑になるように、取材費をサポートしていただければ、幸いです。