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「お客に緊張を強いるのは本末転倒」七夕のしんさんの一言

「お点前は、お点前してるぞ、とお客に緊張を強いるようでは本末転倒です。あくまでも自然に流れるように、お客に気を使わせるようなこともなくを、心がけて下さい」
 お茶会のお点前披露の選抜の練習時に、そう言うアドバイスをいただいた。やはり、しんさんは出来る。一見するとチャラ男なのだが、話をさせると茶人になる。その話ぶりが私の心に刺さって来る。
 さらに、この日のお稽古で気になったのは
60歳台だと思われる和装のかっぷくの良い女性。どう言うわけか、前回の私のお稽古のことをよく覚えている。
 彼女の本日のお稽古は「薄茶の洗い茶巾」。
 彼女のお点前は体型とは裏腹に、心根の優しさや初々しさのような気配を感じた。
 目を薄目にして彼女のシルエットで所作を見ていると、少女の様な気配を感じる。しんさんの言っていた「自然なお点前で、客に緊張を強いることがない」お点前。それって、こんな感じだろうか。お点前をする人の心根が所作から伝わって来る。
 たかがお点前だけど、いろんな心の風景を見せてくれる。
 この日のお稽古の季語は、七夕。それに相応しく、一年に一度、この日に出会えるかどうかのお点前でした。

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