ジャニーズの性虐待問題は現代の日本社会の社会問題の縮図のようなものである

2023年4月13日にイギリスの報道機関BBCが、故ジャニー喜多川から性的虐待を受けたと訴える元アイドルの訴えについて報道した。

これまで、いわゆるジャニーズ系といわれるタレントが故ジャニー喜多川から性的虐待を受けてきたであろうことは有名な話であったし、それをずっと日本の大手メディアはこの問題を無視して隠蔽して来た。
にもかかわらず、何故か今回の英BBCの報道に乗るような形で、多くの日本の大手メディアがこのニュースを報じた。

そのような日本の大手メディアの中で、この問題を「決して見過ごすことができない問題である」として報道した朝日新聞を特筆すべきだろう。

朝日新聞が主張するのは、「ジャニーズ事務所は長年にわたって多くの人気男性アイドルを世に送り出し、テレビや映画、音楽など芸能界で広く絶大な権威をふるってきた。」「その地位と力関係を利用し、アイドルとして成功したい少年たちの弱みにつけこんだ卑劣な行いが密室で繰り返されていたのが事実とすれば、重大な人権侵害である。芸能界で性被害の告発が相次ぐなか、未成年が被害を受けていたなら問題はさらに深刻だ。」「人権に配慮しながら幅広く調査を行い、まずは事実関係を明らかにするのが当然のつとめのはずだろう。ほかの経営陣や従業員は知らなかったのか。04年の判決確定後に組織としてどんな対策をとったのか。こうした疑問も尽きない。第三者による徹底した検証を行い、社会に対して説明する必要がある。」「ジャニーズ事務所に所属する芸能人には、子どもから大人まで世代を超え多くのファンがいる。社会への影響力も非常に大きい。それだけに、企業として重い責任と社会的使命が課せられていることを自覚すべきだ。」「喜多川氏による性被害の証言は以前から出ていたが、一部の週刊誌などが中心だった。メディアの取材や報道が十分だったのか。こちらも自戒し、今後の教訓としなければならない。」ということだ。
なかなかに鋭い切り込みで、頭が下がる。


特に、「喜多川氏による性被害は以前から出ていたが、メディアの取材や報道が十分」ではなかったとしているが、報道しない自由を行使して来たのは、当の朝日新聞も同じである。

朝日新聞というメディアはとても分かりやすいプロパガンダ機関であり、自身が応援したい過激派団体を擁護し、日本などを徹底的に叩くことを続ける宣伝工作機関である。
どんなニュースも朝日新聞の主張に利用し、情報を捻じ曲げて都合の良いように報道し続ける報道機関であり、この体質は戦前も戦後も変わっていない。

そんな朝日新聞には「どの口が言えたのか」とあきれるばかりだ。

そもそも、このジャニーズ系のタレントの性被害は週刊文春が1999年10月から14週にわたって報道を続け、1999年11月にはジャニーズ事務所が週刊文春を名誉棄損で訴えるという裁判に発展し、2002年3月には第一審で週刊文春が敗訴したものの、2003年7月には週刊文春が逆転勝訴した。その後、ジャニーズ事務所側が最高裁に上告するも、最高裁は受理せず、2004年2月に高裁の判決が確定し、週刊文春側の主張が認められるという結果となった。
つまり、今から20年前には既に、故ジャニー喜多川氏による性的虐待の事実が裁判所を通じて認められるまでに公になったのである。

その事実を、報道しない自由を利用して無視して来たのは、朝日新聞をはじめとする大手メディアである。
大手メディアがジャニーズ系のタレントたちの性被害について黙秘してきた理由は明らかではないものの、芸能界の強い者に付き従う姿勢や、大手メディアと利益を同じくするテレビなどの収益に目がくらんでの事だろう。

大手メディアには社会正義などないのである。
結局はご都合主義と利益第一主義により、弱者のことなど、一ミリも考えていないのである。

自分たちが主張したいことに利用できる時だけは、社会正義を振りかざしたふりをして主張をする。
自分が叩きたいものだけ叩いて、自らの行いはかえりみない。
この行動パターンは別に朝日新聞や大手メディアに限ったことではない。
日本社会全体がこの問題に直面している。
だからこそ、日本人の精神性はここまで落ちぶれてしまったのである。


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