告白する人や告発者は様々な葛藤や迷いの上で行っていることが多いことを知ろう

世の中に悩みのない人なんていない。
「あなたは悩みがなさそうね」と言われる人もいるが、単にその人はそのようにふるまっているだけで、実は悩みから逃げる精神構造上、悩みがない自分を演じていることも多々ある。
人は悩みに立ち向かって解決しなければ成長できないが、悩みに立ち向かうことは簡単なことではなく、無理に立ち向かったために精神的に病んでしまう人も多いのだ。

筆者は職場でよく、様々な悩みを抱えている人を見る。
悩みのない人など、いないと思えるくらい、職場の人の全員の悩みが大なり小なり見えてしまう。
小さな問題に蓋をしている人、パワハラやいじめに苦しんで精神的に不安定になっている人、様々な理由から虚無感を感じてやる気を失っている人、などだ。
会社というのは、ある意味、小さな社会の集まりなので、社会一般を凝縮したような姿を現していることも多い。

筆者は社会に出て働き始めた頃、物凄いパワハラ上司にいじめられた。
その上司からいつも言われていたのが、
「お前は俺のサンドバックだ。
 俺はお前に無理難題を含めて様々な要求をする。
 お前は全てそれに耐えて、俺の為に働け。
 俺が気に食わないことがあったら、お前にぶつける。
 それをすべて受け止めて耐えるのも、お前の仕事だ。」
ということだった。
この話は、二人っきりの会議室で言われたことが何度もあるし、その他の多くの同僚がいる前で公然と言われたことも何度もある。
多くの同僚の前で怒鳴られ続けたこともあったが、誰も助けてくれなかった。
会社で働くということを知らなかった筆者は、部下とはそういうものなのだ、自分は耐えなければならないのだと思い、次第に耐えられなくなり、精神的に病んだ。

今思えば、パワハラを受ける原因について、全て自分に原因がなかったかと言われれば、そんなことはない。
しかし、ではそのようなパワハラを受けるべきであったかというと、それは違うと断言できる。

このように、社会的弱者の立場で苦しんでいる人は世の中にはたくさんいる。
小学校や中学校でいじめなどで様々な苦しみを打ち明けられずにいる人もたくさんいる。
職場のいじめ、パワハラ、セクハラに苦しむ人もたくさんいる。

先日、女優でモデルの水原希子さんが、芸能界の性被害について週刊誌やSNSで告白を行った。
筆者は彼女がどのような人か、実際にどのような被害を受けたか知らないが、このようなことを告白することは物凄く勇気がいることであることはわかる。
被害者というのは、被害を訴えること自体が悪いことなのではないか、被害を訴えることで、さらに様々な人から誹謗中傷を受けるのではないか、などと考えることで、被害を訴えずに胸にしまってしまうことが多い。
つまり、被害者の多くは泣き寝入りしてしまうのだ。
そして逆に、加害者の多くは、その悪事が世に出ず、さらに加害行為を続け、被害者を増やしてしまうのだ。

最近、暴露系YouTuberと呼ばれるガーシーこと、東谷義和さんが芸能界の闇をYouTubeなどで暴露している。
芸能界も非常に閉鎖的な社会であり、様々な違法行為、反社を使った不正行為、脱税行為、パワハラ、性被害などが横行している。
まさに芸能界も泣き寝入りしている被害者が数多く存在するのだ。
しかし、芸能界は芸能事務所という巨大な権力を持った存在が様々な問題を隠蔽する。
被害者は芸能事務所などの隠蔽行為によって、その被害を訴えるのを難しくしているのだ。
しかし、東谷さんは勇気をもってこれを訴えているのだ。

ただ単に他人のプライベートを暴露することは褒められたことではないだろう。
しかし、東谷さんがやっていることは、本来、警察や検察が知れば捜査の対象となるような不法行為が、組織的、業界全体として揉み消されていることを、勇気をもって告発しているのだ。

加害者の悪事は世にさらされるべきなのである。
被害者を泣き寝入りさせるべきではない。
単なるプライベートにとどまらないような、違法行為や非倫理的行為は世の中にさらされ、評価され、阻止されるべきことは阻止されるべきなのだ。

東谷さんを見ていると、正に日本社会の構図を見ているかのようである。
東谷さんがYouTubeを始めた途端、一気に登録者が100万人を超えた。
登録者が登録した多くの理由は、日本社会にはびこる不正を暴くことに賛同を示す人が多くいるからだと筆者は思う。

今、様々な被害にあって苦しんで、泣き寝入りしている人がたくさんいると思う。
告発して、さらに非難を浴びたり誹謗中傷を受けるくらいなら、我慢して耐えようとしている人がたくさんいると思う。
しかし、それは悪人の行為を支援しているのと同じなのだ。
悪人をのさばらせることに協力しているようなものなのだ。

苦しんでいる人は、是非、勇気をもってほしい。
あなたの味方は、必ずたくさんいるのだ。
少しでも被害者が減り、社会全体が良くなればと思うばかりである。

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