中東問題の基本的な見方と考え方

中東問題はややこしく難解だ。
中東問題の複雑さは宗教問題に起因しているとよく言われるが、中東問題の本質は宗教問題ではない。

宗教問題と言われるものは全て所詮は支配者層が支配の正当性を主張するときに宗教と言う理屈を持ち出しただけである。
仮に今ここに「俺様ちゃん」という人が居たとする。
「この土地は俺様ちゃんのものだ!」と主張するよりも、「この土地は神々の時代に俺様という神様が神々の世界から地上に降臨され、俺様が聖地として統治された土地だ。その歴史が俺様教として受け継がれている。俺様ちゃんは俺様教の正当な後継者である。よって、この土地は俺様ちゃんのものである。」と主張した方が説得力があるという話だ。

世界中の紛争の背景が社会問題であったり、歴史問題であったり、民族問題であったり、宗教問題であったり、様々なものがあるが、突き詰めて言えば、全て権利をどう主張するかという主張の問題である。

ロシアとウクライナの争いも、元をたどれば旧ソビエト連邦時代から続く問題が主な背景になっており、歴史を100年か200年ほどさかのぼり、現在の利害関係者たちを理解すれば問題の根幹が見えてくる。

中東問題の難しいところは、エルサレムというユダヤ教においても、キリスト教においても、イスラム教においても、聖地とされている土地であるということだ。
それは全て『聖書』が根拠となっているため、少なくとも歴史を3000年以上はさかのぼらなければならないことが問題をややこしくしている。
しかも『聖書』は何千年もの年月をかけて何度も写本が行われ、巧妙に真実が隠蔽されてきていることが聖書研究者らによって明らかにされている。
つまり、中東問題の問題の根幹にある「エルサレムは誰のもの」問題の根幹は『聖書』の中に秘密があり、『聖書』が巧みに書き換えられてきたところにも問題の根幹がある。

さらに加えて、中東問題をややこしくしているのが、中東問題の複雑さを奇禍として、様々な利害関係者が中東問題において権利主張しているという点だ。
特に問題をややこしているのが、過激テロリスト集団が善人面をしてテロリスト活動をし、善人のフリをしたプロパガンダを垂れ流していることだ。
日本の大手メディアは全て、中東のテロリストの見方をするという文化と風土があるため、一般的な日本人には更に中東問題を理解しがたいものにしている。

中東問題には特にフェイクニュースも多い。
それはアメリカ政府などの大国の政府がテロリストを支援し、それをメディアが隠蔽するなどの構造が存在するからである。
中東問題を理解するには、それぞれの当事者がどのような意思を持っているかを理解することがフェイクニュースに騙されない第一歩となる。


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