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50mmという基準

人生で初めて一眼レフを触ったときのレンズは50mmだった。なんでこんなに見える範囲が狭いのか、もっと広く映す方法はないのかと思いながらも、四苦八苦しながら使っていて、一眼レフカメラはレンズが交換できると知ったのは、しばらく後になってからだった。デジタルカメラを買い、APS-Cサイズになっても、やはり換算50mm付近が一番撮りやすい。いや、撮りやすいというより慣れているというほうが正しいのかもしれない。あとから見直すと、50mmで撮った写真は記憶に残っていることが多い。

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写ルンですが32mm、iPhoneが26~30mm程度からすると大分寄っているのだが、不思議と風景もこれで問題なく撮れている。最近ブームな広角は、どうしても散漫となってしまって苦手だ。今となってはそこそこありきたりな画角の28mmすら意識しないと何を撮りたいのか分からない写真になってしまう。単焦点レンズを使うときに、足を使えとよく言う。ただ、私は50mmを使ってるときは、あまり動くことがない。普段からの距離感が50mmの画角と良く合ってるのか、それとも50mmを使い続けているから画角を事前に想像できているのか、はたまたあきらめて撮れるものだけ撮っているのか。ともかく、レンズ1本だけと言われたら50mmなのだ。

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とはいえ、単焦点レンズの場合、動けない場所だったりすると、もうそれで撮るしかない。さらに、下の写真のような動いてるものだと、迷っている時間もない。私は、基本的に、中央1点のAF-Cモードで親指AFにしている。撮ろうと思った瞬間に、無意識にシャッターボタンを半押しして起動させて、覗いて撮るだけだ。それがズームだとおそらく一瞬躊躇する。「ああ、この時もっと画角が広ければな」とか、「もっと望遠ならな」とか思ったことはないが、ひょっとするとズームがあったらよりいい写真が撮れたかもしれない。でも、それでもいいのだ。そういう煩わしさがない、潔さも単焦点もいいところである。

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ここに載せた写真は、全て50mmだ。50mmという画角は、私の写真のメートル原器であり、上手くものを見れているかのバロメータでもある。改めて写真を見直して、この画角を噛み砕いてみた。この画角の面白いところは、撮りたいものを撮りつつ、画角外を想像する余地を残す絶妙なバランスだと気付いた。
皆さんの基準の画角はなんだろうか?

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