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経済とは「余剰価値」

日本は今未曾有の危機に陥っていることは言うまでもありません。さながら戦前の様子と同じです。見かけ上は綺麗な建物ができたり新築の建物を建て続けているからうっかり豊かそうに見えますが、財務面はほとんどが負債です。つまり、でっち上げの景気だと言うことです。しかも、残念ながら日本では景気が悪くても資金が入ってくるのは建設関連のみです。

負けたくない、いや何なら強くありたい、そう言う心理が見え隠れしますが、見た目だけ、物だけを新しく、綺麗にしても、人間が変わらなければ何も変わりません。なぜなら使う人がいて初めて物と言うのは価値が生まれるからです。

ところで、人間が変わるというのは詰まるところ教育です。個々人の目線で言えば「学習」です。その点で言うと評価が容易な大学や資格検定などの受験スキルが高い人は多いですが、学習習慣そのものとしての浸透度としては世界的にみて水準はかなり低いんだそうです。

それでも傾向として地頭に自信のある人は経済を求めて海外に渡りますし、優秀な人がいないわけではないのですが、結局経済がないので大抵は日本を出ることになります。

ところで、経済とは何なのでしょうか?

もちろん皆さんはすでに大学の教養で学んできていると思うので、生産消費分配と頭に浮かんでくると思うのですが、それだけで言うならば日本にも経済はあります。しかし「経済がいい」とか「経済がイマイチ」と言う基準はどこにあるのでしょうか?


経済の良し悪しとは余剰価値


経済がいいとか、経済がイマイチというとき私たちは大抵暗黙の了解で経済状態のことを指しています。では一言で経済状態の良し悪しとは何なのかを指すならばそれはおそらく余剰価値のことを示しています。

それだけで言うならば日本はもちろん経済はイマイチどころか、圧倒的に「悪い」状態です。

何がというと、1つ目は労働生産が追いついていないから利潤が生まれない。

よく、余剰価値というと賃金の不払いを指して不当だと罵る人が多いですが、生産価値自体が少ないと単純に企業の利潤が減るのでどこから削らなければならないかという議論になります。その結果として賃金が減ります。

これは本質的にはどちらか一方が悪いと言うことはなく両者の関係性で成り立つ事象なので一方的に企業だけが悪いとも言い切れません。

2つ目は日本の場合税金が高すぎる。残念ながらネット上には適切なエヴィデンスが見当たらなかったので引用は控えますが、北欧諸国並みの税率なのにも関わらず社会保障割合は世界と比較した場合比較的低い。

理由を単純化するならば高齢者が多すぎるから高齢者にリソースが集中してしまい肝心なGDPを担う若手層の育成や子育てには残念ながらほとんど手が回っていないから、としか言いようがないようにも思えます。

また事業主の負担割合も比較的多く実態は社会保障負担の4割程度は事業主に依存しています。要するに戦後から今日まで訳70年間、日本国全土が自転車操業のままで進展が止まっているんですね。*それどころか、この40年はずっと経済衰退したままでいます。

原因は色々です。1大企業に依存した=半世紀以上中小企業に目を向けなかった。2借金に依存した(よく、借金は増えていないとか言うけど額で言えば間違いなく世界一だし、例えばGDP比では到底届かない範囲に来ている)、3子どもの相手をしなかった。

どれも甲乙つけ難いですが1は非常に残念な国を作り出してしまった直接の原因のように思います。大きな力に守られたいという人々の依存心が、成長を抑制した直接の原因だったのでしょうね。大企業が悪いと言うよりは、依存心に問題があったように思います。かなり慢心もしたでしょうしね。

2は政治もそうだけど企業もそうです。返済ができればいいのだと借り換えを繰り返しているうちに途方もない金額の負債になっている。日本は大半がゾンビ企業でここ近年爆増していると言う指摘があります。日本企業はもはや借金をするための「ヴィークル」になりつつあります。

実質は借金から従業員給与が払われているので、給与が上がらないのは当然です。

3は目には見えないけど生産性を静かに蝕んでいたと思います。子どもは本来国の宝です。しかし、日本国は子どもを顧みずお年寄りこそが全てとほぼ全ての国有リソースを高齢者サービスに振ってきました。その結果は自ずとわかるように今の状況を生み出しました。

参政権が認められていない(投票権だけ、しかも年齢調整なし)ため、直接民主制の国に比べると行政サービスを含めて偏ってしまうのに誰も文句を言えなくなる構造になっています。

余剰価値を生み出すとは


結論を言って仕舞えば外資系のように余剰価値を生み出すことができれば、給与は上がります。個人にとって余剰価値は重要です。なぜなら本来は余剰価値から給与が捻出されるからです。余剰価値は労働搾取だというのはかなりの勘違いです。自分が経営者ならわかると思いますが、余剰価値が生み出せないのに給与報酬等を増やすはずがありません。したがって、従業員にとっても余剰価値生産は非常に重大なテーマです。

余剰価値というのは一言に言えば売り上げです。売り上げが費用より下回っていれば資本を溶かしている事になるし、売り上げが費用を上回っていれば余剰生産をして企業の利益に貢献している事になります。簡単に会社構造を説明すると経営者とは、その余剰生産をパトロールする人間なのです。

どれだけ余剰生産できているか?その足を引っ張る要因は何か?余剰生産を伸ばせているか?などなど。このため、具体的に経営者の役割を挙げるなら試作を生み出したり、開発に投資したり、マーケティングを改善するのが経営者の最大の役割になります。理由はそれが余剰生産につながるからです。マーケティングを理解しない経営者がいないはずなのはそのためです。

個人(従業員)からすればどういう事になるかというと、どれだけ社長が決めた作戦(戦略)の決行に寄与できたかの一言しかありません。社長はいわば最高戦略責任者です。戦略とは切っても切り離せませんし、戦略のdecision making、意思決定がライフワークです。

戦略の良し悪しもありますが、戦略がうまく働けば余剰価値が効率良く生産され、結果利益をもたらします。利益は役員報酬や従業員給与になりますから、自分達が生活を成り立たせるのにも必要不可欠な要素です。この、戦略の意思決定と、従業員の実施態度の2つの要素がうまく調和しないと、利益は出ません。両方が主要決定指標なのです。

日本の今後


上記の2部を照らし合わせて考えてみていただければわかると思いますが、日本が再生することはあり得ません。理由はいくつかありますが、生き残る方法は2つ。外資系をとにかくたくさんいれることと、税率を下げることの2点です。しかし、ご周知のように税率を下げなければ外資系は日本には増えません(代理店やFCが限界)。したがって、残念ながら事実上再生は今後あり得ません。

個人がどうすべきかを考えるべきです。後段の論点で、従業員ができることは実施のみだと言いました。実施のクオリティを高めるしかありません。従業員は戦略の意思決定権がないからです。厳密には役員にしかそれはできません。*役員でない人が意思決定するのは表見代表みたいになってしまうのでやめた方がいいです。そのやり方は結局誰にもメリットがありません。

日本人の選択肢は、自分が経営者になるか、外資系に転職するかの大きく2分岐あります。日本がこれから大変な事になるのはいうまでもありません。子どもはさらに減るでしょうし、社会現象として海外移住が圧倒的に大多数を占めるようになるからです。最後はお年寄りしか残りません。

現状も、今後も若手や子どもへの政策や補助が限りなく相変わらず0ですし、企業がなければ働くところはありません。日本が今後回復する方法として、お年寄りを減らす以外、方法はありません。つまり、このままだと今後さらに40年近くは衰退し続ける事がわかります。

自営業をしようにも利益を出したら従業員の時よりも税金がかかりますから、成長すればいずれ放り投げるでしょう。つまり、日本に残るという選択肢は、「自分が成長しないことが明らか」な場合のみに有効だというです。

それ以外にも、子育て世帯にとって重大な教育の問題もあります。日本はいまだに戦前戦後教育のままです。これを放置する理由はありません。子どもが大事だと思うなら、いますぐそこを飛び出して、きちんとした教育を子どもに受けさせるべきです。

理由は他にもあります。地政学的に問題がありますし、ロシア米国の間に挟まれて日本の意図に関係なく戦争が勃発する危険が常に潜んでいる位置です。

反対にポジティブな理由としては世界経済はコロナを経験しても成長し続けているという事です。もちろん甚大なダメージだったことはいうまでもありませんが、日本との事情の違いとして補助金は出ましたし、社会保障もあるため野垂れ死ぬということは考えにくい。

税金の高さで言えばドイツやフランスなどの福祉国家も負けていませんが、それ以上に社会保障が充実しているため個人レベルではさほどリスクはないように思います。フランスはいつも社会保障が悪化しそうになるとすぐにデモが始まり誰も働かなくなるので意地でも社会保障が守られます。

少なくとも日本の中央集権的な、トップダウンのやり方では、今の時代では生きていくのがやっとか、それ未満です。安心を手に入れるためには環境を選ぶことも大事です。




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