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アメリカの公立学校におけるGoogle革命

私が勤務していたアメリカの公立高校では、グーグルのクロームブックが全校生徒に無料配布されていました。経済支援が必要な家庭が比較的多いことから、州から特別な指定を受けて予算が付いていたようです。生徒は毎日クロームブックを使って授業を受け、ウェブ上で学習したり課題のやり取りをすることが多いので、日本の多くの学校のように板書をとったり、ノートで課題を提出することはほとんどありません。

授業の案内、予習復習の連絡、課題の提出や管理などはGoogle Classroomという授業管理支援システムを活用していました。ウェブ上で課題や成績を管理したり、フィードバックを与えることができます。多くの先生方が利用されており、研修会なども開かれているようでした。また、Google Docを使えば同じ書類を複数名で編集するなどグループワークもできます。グーグルの教育ツールを使用することで、インターネットを活用したアクティビティが双方向の学習効果をもたらすものであることや、業務の効率化を促すものであることなど、個人的にも多くを学びました。

日本の教育現場の主流派はやはりマイクロソフト(今だに一太郎しか使えない先生も)です。グーグルといえばもっぱら検索エンジンと言う印象でしたが、アメリカの教育界でこれほど活躍しているなんて、全く知りませんでした。

調べてみると、グーグルは2013年過ぎから学校へのパソコン導入数においてマイクロソフトやアップルを抜いています。アリゾナ州立大学で導入されたことがきっかけでシカゴの公立学校へ広がっていった様子や学校区の予算削減につながった利点、生徒の情報管理の点での問題点などご興味のある方は英文ですが以下の記事をご参考ください。

日本ではどの段階でこのような大規模なICT化が始まるのか、今ではまだ検討もつきません。決裁を回してハンコをついたり、なん百枚も印刷して配布したりすることがまだまだ一般的。ICTの導入で多忙な教員の業務が少しでも軽減されるような発想があれば、生徒の学びも日本の未来も大きく変わるのでは。

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