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幸せの授業2020

2学期の中間考査までの授業をつかって、「幸せの授業」を特別編として5回実施しました。その時に使用したリソースなどをまとめておきます。

きっかけは授業で使用した教科書にウルグアイの元大統領で「世界一貧しい大統領」として日本でも有名になったホセ・ムヒカ氏が紹介されていましたこと。年収にして130万円程度のうち90%を慈善事業に寄付し、ご自身は小さな家で自給自足の生活しています。日本でも絵本が作られるなどして有名になったのでご存知の方も多いでしょう。

若い頃には軍事政権に抵抗して4回逮捕され、13年間を牢獄で過ごす中で経済発展に頼らない幸せの形、真の幸せは何かという問いにについて考え生まれたのが彼の幸せの哲学です。この動画はとても素敵でした⬇️

第1回目:My Happiness is(自分の幸せを知ろう)

最初はブレインストーミング的な感じで「自分がどのようなモノやことば、関係性に置いて幸福を感じるか」を考えるアクティビティをしました。そして最終的には A book of my happiness.と言う小さな本を作成しました。

第2回目:Environment Problem and Happiness(環境問題と幸せ)

ムヒカ大統領を一躍有名にしたのは地球サミットでのスピーチ。環境問題がテーマにも関わらず人間の幸せをテーマにした内容で喝采を浴びました。そのこともあって、環境問題を考える事がどのような幸せにつながるかを考え、発表。模造紙に作成しました。(メモ:自分の考えを書いたり、想像的にブレインストーミングするのが苦手な生徒が結構いた。インターネットに答えがあると思って探していたり、それを写したりしている生徒も。それから模造紙に「キレイに」書こうとすることに情熱を傾ける生徒も。)

第3回目:Development and Happiness (開発と幸福)

経済発展とかけあわせて、特に物質的な豊かさと幸せについて考える時間にしました。個人的に大好きなMaterial World も使用して、Gross National Happiness (GNH)を推進しているブータンについても紹介しました。

第4回:Science of Happiness(幸せの科学)

これは個人的に興味のある分野でもあります。科学で幸せがどのような状態で何が人を幸せにするかなど紹介。そして、イエール大学の幸せの授業を紹介して、実際に同じ宿題をやってみました。

ちなみに、イエール大学の宿題の内容は毎日以下の5つをすること。
①8時間睡眠
②親切をする
③10分瞑想
④感謝していることを5つ書く

♡イエール大学のローリーサントス教授がされているポッドキャストも個人的にはおすすめです。幸せになるヒントが詰まっています。

第5回目:World Happiness Report(世界幸福度報告)

あまり時間が取れなかったのですが、世界幸福度報告を使用して、特に日本が最も点数の低い「寛容度」について考えました。

ちなみに日本は2020年度版の報告では62位で、年々下がっています。調査方法や文化的に「幸せ」の感じ方や表現の仕方が異なることからこれが正確なものとはもちろん言い切れませんが、どのように世界ではみられているかを考えるのも面白いかなと思いました。(メモ:生徒の中には、もっと低いと思っていたから以外に高順位だったと言っている生徒も結構いた。今の社会は良くないだろうと言う問題意識があるってことかな)

通常の授業枠にこのような特別授業を入れ込んでみたのは初めてでしたが、今年はコロナの影響で2学期の開始が通常より早く、長い2学期になったおかげで授業数がたっぷりとあったので実施できました。教科書から離れることをすると生徒が不安に思ったりテストに影響があるかと思いましたが、特にどちらも問題ありませんでした。

今の生徒は、グループワークや意見交換、インターネットを使った学習が好きだし、そちらの方がよく学ぶと言う印象です。

さて、中間後は何しようかな。

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