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日々読み #31

5/28 晴れ

昨日は朝ごはんの後に掃除をしてから、寄生獣のアニメを見た。漫画で寄生獣を読んだことはあったけれど、なんだかんだ大まかな内容しか覚えていないものでどんどん進んでいく物語にこんな内容だったかなと純粋に新鮮な気持ちで観た。

午後は日々の買い出しと家庭菜園のためのハーブの苗を探しに近くのホームセンターへ出かけた。いろいろ見て回ったけれど季節のせいかトマトやナスなどの苗が多くて、ハーブ類が少なかった。結局、バジル、イタリアンパセリ、ローズマリーの3点を購入した。本当はディルも欲しかったが取り扱いがないらしく少し悲しい。

最近インスタで見るハーブを刻んで料理に入れるみたいな、アレをやりたい。
最近スコーンにしかり、パウンドケーキにしかり、料理に興味が強く出てきた気がする。まだ趣味レベルだけど人にいつか振る舞えるようにはなりたいなあ。
好きなことややりたいことがもぞもぞと自分の中で動き出している感じが心地いい。少しずつ水をやって、大きくしていきたいなあ。写真も文章も、料理もやめなければ何かにつながっていくはずだ。


5/29 雨

写真家の方が写真は撮り続けると必ず上手くなると言っていたから大まじめに毎日写真を撮り続けている。
1日に最低でも1枚は撮るようにしている。それを続けていくと少しだけカメラが手に馴染んでくるような感覚がしてきた。
まだまだ体の一部みたいにはなってないけれど、続けて体の一部みたいにしていきたい。
そして写真自体を見比べると最初の頃に撮ったものより写真がよくなった気がする。


5/30 雨

今日は月末の報告書を作ったから、なんだかすごく疲れた。
でも月末に報告書を書いているとこの人はこんなことがあったなあとか、この人最初は心配だったけれど、少し変わってきたよなあとか思い出したり、変化を感じれる機会でもあるから少しだけ好きだ。
いつも関わっているから変化に疎くなりがちだけれど、その人自体も僕との関係性も少しずつではあるけれど変わっていっている。そのことがわかるのがなんだか嬉しい。

もちろん好ましい変化だけじゃないから、望ましくない変化が続くとどんよりとしてしまうけれど月末のこの時間はそれなりに必要な時間なのだと思う。
とりあえず今月も終わって良かった。


5/31 曇りときどき雨

今日は妻がご近所さんと梅もぎをしてきたようで自宅に帰ると4kgの梅と保存容器が並んでいた。
梅干し、梅シロップ、黒糖梅酒を妻とレシピを見ながら作った。妻と僕ははじめての梅仕事だったから悪戦苦闘しながらもなんとか無事仕込むことができた。
あとは常温保存で待つだけ。
仕込んだばかりの瓶を見ていると、本当にこれであの梅干しや梅酒ができるのだろうかと心配になる。
とりあえず今はゆっくり待つのみだ。

6/1 晴れ

今日は嬉しいことがあった。
その人は認知症があって、自分ではお風呂に入ることができなかった。多分、できなかったというよりも必要性を感じられずに入らなかったという方が正しい。

何度も何度も通ううちに、少しだけ僕の存在を覚えてくれたのか、ホットタオルで体を拭くことを許してくれた。一度ゴシゴシ拭いたタオルは黒っぽく変色した皮脂でびっしりだった。汚れたタオルを本人に見せたら本人も驚いていた。あれこれを手は尽くしたけれど、拒否の連続。期限が悪いと怒鳴られた。
そうこうしていると内服で認知症の症状を抑える薬が医師から処方された。少しずつ本人と交信が取れる機会が増えていった。そして今日初めてシャンプーできた。僕だけの力ではなく、お薬の影響本あるのだろうけどこれまでの日々が報われたような感覚があった。
ガッツポーズするような嬉しさじゃなくて、静かに嬉しいような感覚だった。看護も悪くないな。


6/2 雨

今日は台風の影響で土砂降りな1日だった。愛知県では道路が冠水するほどの雨量だったそうだ。
風も強くて傘を持って歩くひとたちは傘を破壊され、ずぶ濡れになって歩いていた。こんなにひどい風雨はいつぶりだろうか。
訪問看護は外にいる時間が多いから、天候の変化をより感じられる。病院にいた頃は外の天気を見る余裕すら無いほどに忙しかったからなんだかこういう変化が少し嬉しい。めちゃくちゃに暑い日もあるから、全肯定はできないけれど。


6/3 雨のち晴れ

今日もあさは台風の影響で雨がしとしと降っていたけれど、9時ごろには止んでいた。
昨日まではどんよりと灰色で分厚い雲が覆い被さっていたけれど、台風が過ぎると厚い雲はなくて青くて高い青空が広がっていた。
台風前後で季節ががらりと変わる瞬間を見れた気がして嬉しかった。次は梅雨か。


6/4 晴れ

今日はご近所の方の梅仕事を手伝いにいった。
妻は数日前にお手伝いで経験していたけれど、僕は初めての経験だった。梅の木が大きくて数も膨大だったから手もぎは時間的に難しいとのこと。

そこで枝ごと棒で叩いて、落ちた梅の実を収穫するという方法で攻略するようだった。少し乱暴な気がしたけれど、膨大な数の実った梅を見てそうも言ってられなくなった。
渡された棒自体もかなり重くて、腕が疲れる。
そのうえ、落ちてくる梅の実は硬くてぶつかると痛い。
頭に当たるとゴッと鈍い音を立て、足元に落ちていく。その衝撃は幼い頃にげんこつをもらった時の記憶を思い出させた。

初めての梅仕事は大変だったけれど、緑や黄色の梅は美しく、過ごしやすい気温の中、桃のような香りがふわっと漂う空間での仕事は心地よかった。
昔の人が理想郷を桃の郷として想像したのも頷けるほどだった。

梅がたくさん実った枝を見つけるたびにわくわくした。そこを棒でつつくとボトボトと落ちてくるあの感じは楽しかったし、またやりたい。

気づいた頃にはご近所さんたちがたくさん集まって作業をしていた。梅もぎは梅を収穫するだけじゃなくて、伸びすぎた枝を剪定することも含まれていた。現代だと庭師さんに選定をお願いするお宅も多いけれど、ご近所さんは梅もぎを通じて地域交流の場を作りたい気持ちもあったのかもしれない。同じ地域の人が多かったけれど、初めて会う方も多かった。初めまして同士の人々が大きく育った梅の木の下でつながっていく。それがご近所さんが僕らを誘ってくれた本当の目的だったのかもしれない。


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