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  • J LAB ch0 #ワークショップ

    • 141本

    コミュニティメンバーによるワークショップ関連の記事を投稿する場所。

最近の記事

『教養の書』【基礎教養部】

はじめに今回扱う本です。 書評という体裁で書いたものです。 この記事では、『教養の書』を読むに至った経緯と、教養を養ってゆくためのマイルールを書きます。一貫して自分語りです。 この本を手に取った理由大学を卒業してからだいたい丸半年、定職についてから丸2ヶ月がたちました。直近数カ月は、お仕事に関連する本や文書ばかり読んでいました。技術的な内容を理解し、いろいろと考えてプログラムを書くことには知的な面白さが確かに存在していて、当分飽きずにつづけていけそうだとわかりました。と

    • 芸術・コンテンツの鑑賞【基礎教養部】

      私が所属しているジェイラボという特殊コミュニティがある。その活動の一環として、6, 7月は『音楽の哲学入門』という本を読み、感想記事を書いた。今月は、別の本を読んでいたグループと合同で note 記事を書くことになっている。ありていに言えば、本稿はその要件を満たすために作られた記事である。 また、2つの読書グループを引き合わせたのは、フィクサーである「図書委員会」である。我々が扱ったのは前述の『音楽の哲学入門』であり、もう一方のグループは、穂村弘『短歌のガチャポン』という、

      • セオドア・グレイシック(著)、源河亨・木下頌子(訳)『音楽の哲学入門』【基礎教養部】

        セオドア・グレイシック(著)、源河亨・木下頌子(訳)『音楽の哲学入門』を部分的に読んだ。この記事では、まず、本書に対する感想を述べ、次に「音楽の哲学」において魅力的と思われる問いを列挙する。最後に、それらを検討するための前提となる命題を列挙する。 補助として、ブルックスの「情報」とシャノンの「情報量」の概念を比喩的に用いて問いに取り組めないか考える。 なお、この本は、私が所属している秘密結社組織ジェイラボの Naokimen さんからおすすめされたものである。本書の概要を知り

        • 表象探求2:手紙

          濡れたところが乾いてごわごわしている手紙 メールアプリのアイコンの手紙 書かれなかった手紙 待ち遠しい手紙 返事のない手紙 盗み見された手紙 手渡しされた手紙 とおいところまでとどく手紙 いつのものかわからない手紙 便箋と手紙 鏡の中の手紙 手紙の消して書いての跡 手紙の匂い 手紙を食べる 手紙の言葉にタイムスタンプはついていない

        『教養の書』【基礎教養部】

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          表象探求1:ドリル

          さらさらのドリル ゆるやかなドリル 湿っているドリル 風になびくドリル 大は小をドリル。 石の上にもドリル。 猫にドリル。 天、地、ドリル 分け入っても分け入ってもドリル山 極楽浄ドリル

          表象探求1:ドリル

          『クマにあったらどうするか アイヌ民族最後の狩人 姉ヶ崎 等』語り手・姉ヶ崎等/聞き手・片山龍峯【基礎教養部】

          表題の本を読みました。読書感想文としてChatGPTと戦って負けました。以下、け) で始まる段落は私けろたんの文章で、 G) で始まる段落は ChatGPTの文章です。 け) 今回取り上げた、『クマにあったらどうするか アイヌ民族最後の狩人 姉ヶ崎 等』を読むと、クマの性質や人との関わりの歴史を深く理解して、体験知としてクマの狩りに役立てるハンターの実像を知ることができる。敵を知り、己を知れば百戦危うからず、ということである。実際には、クマに限らず、よく知らないから恐怖心を

          『クマにあったらどうするか アイヌ民族最後の狩人 姉ヶ崎 等』語り手・姉ヶ崎等/聞き手・片山龍峯【基礎教養部】

          【読書感想】西洋美術史入門

          画像はメタリックな梅です。もうすぐ春ですね。 毎月月末になると続々と読書感想を投稿する謎の秘密結社でおなじみジェイラボのけろたんです。今月も組織構成員のゆーろっぷさんとイヤープラグさざなみさんと一緒に本を読みました。取り上げたのは『西洋美術入門』(以下、本書) です。イヤープラグざざなみさんによる書評、イヤープラグさざなみさんとゆーろっぷさんによる読書感想note記事は次のリンク先です。 ゆーろっぷさん、さざなみさんとは 英国 The National Galleryのバ

          【読書感想】西洋美術史入門

          読書感想:野崎幸助『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』

          ヘッダー写真はスターチスのドライフラワーです。枯れているのか枯れていないのか。 野崎氏の性欲の強さに驚いたのは、自分自身のことを欲のない人間だと思っていたからかもしれない。しかし、よく考えてみると生物的機能としてはあまり変わらない。40年で4000人と関係を持つ (『紀州のドン・ファン』の副題参照) とすれば、単純計算で1年に100人。雑に3日に1回射精と考えても 、理解不能なほど氏の性欲が強いわけでもない。かくいう自分も筋トレをはじめ、肉を多く食べるようになってからはこの

          読書感想:野崎幸助『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』

          読書感想:伊藤公一朗『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』

          この記事はなんなのか? ジェイラボというコミュニティに所属しているけろたんです。ジェイラボでは、月に一冊、3人一グループの一人が推薦した書籍を読み、大いに語るという読書&書評活動があります。本稿は同チームのゆーろっぷさんに選んでいただいた伊藤公一朗『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』を読んだ感想です。 ゆーろっぷさんと、同じく同チームのイヤープラグさざなみさんの記事はこちら。(ゆーろっぷさんさんによるジェイラボ公式サイトでの簡潔な書評記事と、ゆーろっぷさんとイヤープラ

          読書感想:伊藤公一朗『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』

          ジェイラボワークショップ第69回『部員が聴く 』【情報科学部】[20231127-1210]部長総括#JLWS

          今回のWS(座談会)の概要 みなさんこんにちは。けろたんと申すものです。(この記事はだいたい2500字ぐらいです。) このたび僕が部長を務めるジェイラボ情報科学部で2週間の発表 & ジェイラボのみなさんとのディスカッションを行いました。 Discord上で行われたテキストでのディスカッションは副部長のTsuboさんがまとめてくださります。(リンク未設定) この記事では部長総括として、オンラインミーティング形式で行われた座談会から、生活習慣と約束という2つのトピックについて掘

          ジェイラボワークショップ第69回『部員が聴く 』【情報科学部】[20231127-1210]部長総括#JLWS

          加藤文元『物語 数学の歴史 正しさへの挑戦』[基礎教養部]

          ジェイラボ基礎教養部の活動として蜆一朗さんに紹介していただいた加藤文元『物語 数学の歴史 正しさへの挑戦』を読んだ。この記事はその読書感想である。面白い本を紹介していただいた蜆一朗さんに感謝(*>ω<*)ゞ!! 蜆一朗さんの記事はこちら。 Yutaさんの記事はこちら。 ● 簡単なまとめ この本には「数学が自由だ」という言い回しが何度か出てくる。 部分的に正しさを棚上げして理論を構築し、実り豊かな概念体系を得ることを指している。数学者の筆者から見ると、理論のある種の穴が、

          加藤文元『物語 数学の歴史 正しさへの挑戦』[基礎教養部]

          ジェイラボワークショップ第64回『語=言+吾 』【情報科学部】[20230918-1001]部長総括#JLWS

          ジェイラボという秘密結社で情報科学部の部長をやっているけろたんです。 2週間に渡って情報科学部の発表を行いました。この記事では総括として、WSの企画意図の説明とそれがどの程度達成されたかの振り返りを行います。 WSでどのような発表、議論が行われたかを閲覧するためのログはこちら(副部長のTsuboさんがまとめてくださいました。) https://note.com/frasche/n/n16b2e8ffd303 ジェイラボ内部では、テキスト上でワークショップ的なものを再現する

          ジェイラボワークショップ第64回『語=言+吾 』【情報科学部】[20230918-1001]部長総括#JLWS

          今井むつみ・秋田善美『言語の本質』【基礎教養部】

          Yutaさんさんから紹介していただいた『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』を読みました。 Yutaさんによる書評はこちら↓! 蜆一朗さんの書評はこちら↓! <内容の感想> 第6章で、人間の子供は「AはBである」から「BはAである」を引き出すアブダクション推論が行えるということが紹介されていました。ふつうのチンパンジーにはできないらしいです。この生物的な特殊性がテコとしてはたらくことで、子供は言語を習得すると考えられているそうです。アブダクションによる知識は推量に

          今井むつみ・秋田善美『言語の本質』【基礎教養部】

          【書評】『反=日本語論』/話す技術【基礎教養部】

          蓮實重彦「反=日本語論」を読みました。内容もさることながら、フランス関連の雑学が身につくお得な本でした。民主主義や「制度」のところは急に話が大きくなってびっくりしました。 お盆で地元の人や親戚の人と話す量が増えるタイミングの前後で何度か読むことになり、コミュニケーションについて考える機会になりました。 口数が少ないためか思慮深いと思われてしまうことがあるのですが、脳がフリーズして話ことを構成するのに時間がかかっているだけです。過度に期待されても気まずいため、考えていることを考

          【書評】『反=日本語論』/話す技術【基礎教養部】

          養老孟司、甲野善紀『古武術の発見』【基礎教養部】[20230730]

          地球という惑星に生息するある種の毛のないサルは環境を改変する。そのサルは自分たちが群れて生活する場所を都市と称している。都市内外の物資輸送のため、障害物が排された移動経路は道路と呼ばれている。道路は大昔の動物の死骸が高熱・高圧環境で圧縮されたためにできたと考えられている油を加工した黒くて硬い粘土で覆われている。アスファルトと呼ばれるそれは、ときに一般名詞としても用いられるがたいていは単に最も近い恒星のことを指す太陽という星から放射された熱を蓄える。その熱量が季節というものを赤

          養老孟司、甲野善紀『古武術の発見』【基礎教養部】[20230730]

          ジェイラボワークショップ第60回『人工知能史から考える『頭がいい』とはどういうことか?』【情報科学部】[20230710-0723]部長総括#JLWS

          今回のワークショップでは、部員一人一人(部長除く)に、人工知能技術について調べてもらってことをまとめて発表してもらいました。(副部長のジパングさんによるまとめ記事が完成次第リンクを張ります。) 専門分野が人工知能に近い部員には技術的な内容を、そうでない部員には過去の人工知能技術について発表してもらいました。 座談会は部長欠席のため一瞬で解散になりました。近頃部長としての活動に魂が入っていない自覚があるので、この機会に情報科学部の部活動におけるWSの位置付けを再考します。

          ジェイラボワークショップ第60回『人工知能史から考える『頭がいい』とはどういうことか?』【情報科学部】[20230710-0723]部長総括#JLWS