マガジンのカバー画像

感想

10
読んだ本の感想を書いていきます。 もしかすると読んでないかもしれません。 映画や演劇などに射程が伸びる可能性も拭えません。
運営しているクリエイター

#ヤマシタトモコ

ヤマシタトモコ【違国日記】

小説家の槇生が、交通事故で両親を亡くした姪の朝を引き取るところから始まる話。槇生は、朝の母親=槇生の姉とかなり折合いが悪い様子。槇生も朝も女性。類型的にも思える粗筋だが、この作品の魅力は単純な筋にはない。

タイトルがまず不穏である。「異」国ではなく「違」国。前者より後者のほうが、その「国」が自分とはっきり隔たっている手触りがある。

が、内容は不穏一辺倒ではない。二人とも不器用ながら歩み寄ろ

もっとみる