マガジンのカバー画像

日記

1,129
日記という形式の器の大きさに存分に頼る
運営しているクリエイター

2020年10月の記事一覧

2020年10月21日(水)

ここは本当に新宿のそれも歌舞伎町か? と言いたくなるような穏やかな遊歩道がのびている一画の存在を私は今日まで知らなかった。その湾曲した石畳の遊歩道からのみ入店できる古民家風の京風料理屋で、人間と飲んだ。それなりに愉快だった。飲み会を終えて遊歩道を抜けると見知った道にぶつかって、そこからここに出てくるのか! という過去まで見知った場所の脳内地図が塗り替えられていくような新鮮な驚きが、アルコールに浸っ

もっとみる

2020年10月20日(火)

労働を中心に一日が終わった。とあるツールの使い方のレクチャーを受ける会があり、zoomでの録画を試みるも音声が録れていなかったことを、未だに打ち明けられずにいる。
#日記

2020年10月19日(月)

健康診断だった。いつもより少しだけ早い時間に家を出る。そのエスカレーターにそんなに人間が殺到することがあるなんて知らなかった。背負ったリュックに抽出した尿を仕舞って運搬していると、自分の一部が外部に流出している気分を味わい続けることになる。一年で最も背筋を伸ばす瞬間がやって来て、最大限努力をしたのだけれども、今年も大台を逃すどころか過去三年間で最低の身長を叩き出してしまった。成長が止まってからおよ

もっとみる

2020年10月18日(日)

家から絶対に一歩も出ない。今日はそう決意していた。達成するべき何らかの目的を定めた外出など以ての外だし、特に目的のない散歩もしない。その代わりというわけではないけれども、半年以上前に円盤を買ったもののなぜか観ていなかった【散歩する侵略者】をようやく観た。映像や音楽は脚本を表現するために従属しているわけではなく、映画においてはむしろ拮抗しているし、この映像を撮りたいから、そこにこういう音を鳴らしたい

もっとみる

2020年10月17日(土)

ここ二週間ほど頭を悩ませ続けていた新しいシャツを一枚買いたい問題にようやく光明が見え、あとは注文したそれの到着を待ち袖を通してみるばかりとなった。その格子の数がどれくらいあるのかまるで見当が付かない、黒と白の細かいギンガムチェックのシャツだった。少し着丈が短いが十分許容できる範囲で値段も含めてかなり満足しているよ、と、三日後の私は今日の私に褒めてやりたかった。シャツにしても読書にしても自分の欲望を

もっとみる

2020年10月16日(金)

キーボードの修理代が二万六千円も掛かるということで、しかもその上税別で、これは頼むのを諦めようという決意を、即断ではなくかなり揺らぎながらも下した。どうするべきか決めないまま修理屋に電話を掛けて、そのとき私の口をついて出たほうを私の真意として据えてしまおう、というような決め方だった。カフェ等で作業する場合も、恥ずかしげもなく大袈裟な外付けキーボードを使えばいいのだ。修理を断念したことで二万六千円(

もっとみる

2020年10月15日(木)

会社の自販機が提供元の事業終了に伴い撤去され、その後釜に何を置くか。ということをそれなりに真剣に考えている時間をそれなりに持つことができるような職場で何よりで、滝口悠生の【お茶の時間】を思い出し、こういうふとした瞬間に思い出されるような小説を私も書きたい。ということを考えているうちに会議は進み、私が推しているアイスの自販機という案は却下されていた。えー。

2020年10月14日(水)

二日連続で在宅勤務にすると、精神保養の観点からとても有効だということがわかった。今までに感じたことのない保養の度合いだったので、緊急事態宣言下のオールウェイズステイホームの時期を除くと、二日連続で在宅勤務にしたことはなかったのかもしれなかった。同居人は出社で、単独で家にいてなおかつ家でご飯を食べる気になったとき以外には食べられない、極めて雑然としたパスタを制作して食べた。雑然とした旨味が口内に広が

もっとみる

2020年10月13日(火)

久々の(二人しての)在宅勤務だった。惣菜と惣菜パンを買って昼ご飯に食べた。素朴さが売りのそのパンは、素朴な味がした。確かにおいしいがそれでは舌が感じてしまう物足りなさは、各種揚物の惣菜で埋め合わせた。

2020年10月12日(月)

体育の日だった。かつては。無為に移動しただけになってしまった祝日の移動された側に立たされた気分はどうだろうか? 私としては、損をした気分だった。渋々出社をした。電車に乗っている人間が、いつもより少ないように感じられたがそれは恐らく錯覚だった。少しだけ家を早く出て、半年ほど前にオイルサーディンをこぼしてしまったことでキーボードが利かなくなっていたノートパソコンを修理に出すことにしたが、結果としては修

もっとみる

2020年10月11日(日)

相当に茫洋とした日を送った。飲んだあとは無駄に濃いラーメンを身体に入れ、巡っているアルコールを塩分と油分で相殺しなければならないと思っているので、一晩眠っても酒が残っているようならそれをする必要があったのでそれをした。堅め濃いめ多め。という呪文が無意識の反射で口をついて出ていた。

2020年10月10日(土)

台風が来るのではないか。という噂に怯えて、今日はキャンプに行くか? という元々の計画は即座に却下され、そもそも今日はどこかで集まるか? という根本のところから協議を重ねて、本当にどっちに転がるかわからないな、と思いながら眺めていると集まることに決まったらしく、集まることになった。志村坂上の温泉施設。という、そこに行くことになるかもしれないと予想することすらできなかった斜め上の着地点で、それはそれで

もっとみる

2020年10月9日(金)

出品していたメルカリが午前三時ごろに売れて、規則正しい生活を送ることにして久しい私は、その時間にも生活している人間がいるのだということを思い出し、その思い出しを経由して、私もほんの五年ほど前までは、そういう生活を送っていた。ということを思い出した。

2020年10月8日(木)

二人して、使い回せるタイプのマスクの裏表をずっと間違えていたことが判明した。折り目の山側を顔の表面に密着させるのではなく外界に向けるのが正解で、道理で鼻に違和感を覚えさせられていたのかと納得させられるものだった。