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人生フラフラロンドン日記 ~Week 55~

ロンドンに来てから55週間が経過。冬が最後の本気を出している。徐々に寒さも和らいできたかと思いきや、最後の最後で骨が軋むような寒さが姿を表した。雪まで降る可能性があるらしい。いや最後であってくれ。街には徐々にイースターのグッズも並び始めているぞ。

愛してやまないUKバンド、Black Country, New Roadのライブ映像が公開された。昨年末のBush Hallは2日間で3公演が行われ全てが瞬く間にソールドアウト。収穫祭、ホラーショー、プロムナイトと演劇のようなコンセプトで進められ、それを収めたライブ映像は一本のドキュメンタリーのような出来上がり。彼らの良さはメンバー間の友情だと思う。様々な困難があったからこそいつでもそれは眩い。4月の来日公演もソールドするといいな。昨年は夏にインタビューや、この日のライブレポも書いたのでぜひぜひ。

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1.

いつも欲しい服とは別の服が手に入る。久々にBrixtonのキロ売りへ。服を買うこと自体、久々だったのだけれどキロ売りはやっぱり楽しい。服なんて買わなくても生きていける気がするのに、だんだんと今のワードローブではやっていけない感覚になるのは何でなんだろう。昨年を今持っている服だけで乗り越えたはずなのに。写真は選抜中のところ。ともかく良い感じに手に入った。春はこれでバッチリかな。会場に設置されていたテレビで流れていたサッカー番組に、朝からにOasisのお兄ちゃん、ノエルが出演していた。普通にコメンテーターのように居座っていたから笑ってしまった。後のバラエティコーナーでPK外して頭抱えていた。お茶目で可愛い。

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2.

愛してやまないBarbican Centerがオープン41周年。僕がロンドンに来て一番長く時間を過ごしている場所。友人と飲みに来たのも、失恋したのも、1人で鬱屈と考え込んでいたのも全てがBarbicanだった。何かがあるわけでもないのに無性に居心地が良くて、いつも気が向くとふらりと向かってしまう。ただ考えるだけだとしても。ここにいると、あるドキュメンタリーで出てきた青年を思い出す。京都の学生である彼は鴨川で過ごした時間をただただ測っている人だった。スタッフの質問に「僕が今可能性を潰してるってことですか?」と返したことが強く印象に残っている。何か生産性があることをしているわけではない。だけどそこにはちゃんと意味がある。少なくとも本人の意思がそこにある。僕がこのBarbicanで過ごしている時間も今は無駄だとしても、いつか意味を持つ日が来るのだろうか。

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3.

ブッ飛ぶと噂のコーヒーを知ってるかい? そんな噂を聞いてBorough MarketのThe Colombian Coffee Companyに行った。ブッ飛ぶほどではないけど確かに美味しい。苦味よりもまろやかさが強く寒い朝にぴったり。同じくマーケット内にあるドーナツを頬張るともう完璧な日曜だった。このドーナッツもなかなかの曲者で、めちゃくちゃに甘い。少し遅刻した僕に変わって、友人が買っていてくれたのはチョコだった。中身のチョコの部分だけでお腹いっぱいになるぐらいの濃密さ。こぼれたドーナツを狙いにきた鳩を怖がる彼女を横目にペロリと完食。Boroughはまだまだ食べたいものばかり。

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も〜っと楽に生きれたらいいのにな。言葉通り、easy lifeばかり聴いて過ごしていた。今より少しでも幸せになりたいだけ。自分を気にかけてくれている大切な友人や家族が山ほどいるのに、ほんの少しの暗い思い出に簡単に引きずり落とされてしまう。もっと複雑なはずなのに「選ばれる・選ばれない」なんて二元論で考えて、ずっと何かが足りない気がしている。「選ばれない」ことの方が多かった自分を呪って日が暮れる。それでもロンドンにいる。イギリスでいつの間にか1年も生き延びた。そんな話を友人とした。楽しいことはいつでも広がっていて、ほんの少し楽しもうと思えば何でも楽しくなる。イライラするよりキラキラしていたい。だから今は暖かな春の心地を待ち遠しく思っている。早くグググと背伸びがしたい。イギリス生活はまだまだ続く。

Whittardのホワイトホットチョコ最高です。貴族の味

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