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人生フラフラロンドン日記 ~Week 37~

ロンドンに来てから37週間が経過。寒くなったり暖かくなったりを繰り返していた天気も、これからは寒くなっていく。サマータイムも終わり、時差が8時間から9時間に戻った。区切りとして、夏がいよいよ終わる。サマータイムの切り替えがあったので、今まで過ごしていた時間より1時間巻き戻り、夕方に感じても「まだ14時!?」などと驚いている。

昨シーズンと同じ組み合わせになった今年の日本シリーズが終了。応援しているヤクルトスワローズは、オリックスに昨年のリベンジを果たされてしまった。シリーズ前半は良かったのだけれども、流れがいってしまったのか運の尽きか、2勝した後、まさかの4連敗で連覇ならずだった。諸々思い出すと悔しい場面は多いが、良いシリーズ・シーズンだったと思う。慣れない海外生活の中で、選手の躍動にいつも勇気を貰っていた。ベテランが一気に引退し、若い選手が台頭してきた今シーズン。寂しさもあるけど来年がもう楽しみです。早く神宮に行きたい。一年間お疲れ様でした。

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火曜日はPavementのライブに行ってきた。ロンドン4daysの3日目。春くらいからずっと楽しみにしていて、いざ彼らを目の前にすると「本当にPavementっているのか…」と夢見心地になり、2曲目の「Gold Sounz」からボロボロと泣いていた。4日間でコロコロとセトリが変わり、他の3日間は演奏していた「Spit On A Stranger」が聴けなかったというまさかの日。一番好きな曲を聴けなかったということは、きっと神様が「また行きなさい」と言っているのだろう。10年周期でツアーをしているPavement。次に観られるのはきっとまた10年後。35才の僕はどうなっているのかな。お客さんの過半数を占めていたリアルタイム世代の40、50代のおじさんおばさん達が飛び跳ねている姿を見たらとても嬉しくなった。僕も好きなものをずっと好きでいられたらと思う。

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金曜日は母校の後輩がロンドンに遊びに来たので、彼とTate Modernの夜間開放に行ってきた。夜間解放という名目だけど、ちゃんとテーマがあって、それに伴ったワークショップ、DJイベントがあったりととても良かった。美術館で踊ることが出来るのはイギリスならではだなと思う。ロンドンで高校の人に会うのは2人目。2人ともちゃんと国を離れてまで頑張っている。自分は「20代のうちにロンドンに住みたい」という夢のために来たことをすっかり忘れていた。僕も頑張らないと。

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土曜日はショーディッチを歩いてから、久しぶりのSohoへと向かった。ショーディッチでは謎のグルグル回るぶら下がり遊具で運動不足を実感。SohoではOasisのMorning Gloryジャケ写の通りに。2019年以来に同じ場所で写真を撮ってもらったら、それなりに顔が年相応になっていることが分かった。どちらかといえば童顔なので一安心。街はハロウィン前の休日。仮装している人で溢れているのを見ると、来年はちゃんと仮装をやりたくなってくる。

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冬になると何だか景色までもが東京に似てくる。もうこの街での生活は日常に変わっているけど、それでも確かに時差があって、自分が夜を迎える時に日本は朝を迎えている。この日記を読んだ人から「画面越しに実在する人がいると思えた」とTwitterでDMを貰った。それがイギリスに来てからの自分のテーマだったから本当に嬉しかった。やっと機能することが出来た。今の僕は日本にいる人にとっては画面の向こう、写真と文字でしかない二次元の人間でしかない。それでも同じように生活をしていて、同じように朝昼夜を過ごしていて、同じように喜怒哀楽があると、どうしたら伝えられるのかをずっと悩んでいた。伝えられない、伝わっている実感がない、そんな自分の実在が相手の中にないことへの恐怖感がずっとあって、それに何回も傷ついてきたから、本当に救われた気持ちになった。

今まで上手く言葉を使えなかったから、手段を選べなかったから、取りこぼしてしまったことがきっと沢山ある気がする。結局は自分が何かをしなかったら何も始まらない。取りこぼさなかったとしても、もし自分が第三者だったら今の自分は選ばないなとも思う。だから「自分が自分を選べるようにならないとな」と今までの悔しかったことを思い返す。イギリス生活はまだまだ続く。

鍋は最高。湯気は幸福のかたまり。

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