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人生フラフラロンドン日記 ~Week 51~

ロンドンに来てから51週間が経過。最近はスパイスからカレーを作ることにハマっている。ターメリック・クミン・コリアンダーの3種類だけで簡単に作ることができること知り、今ではすっかりその沼に。どれも£1で買え、瓶を使い終わるまでに40杯ぐらいは作れそう。その上で毎日食べていても飽きない。むしろ3つでこんなに美味しいのだから、他のスパイスはどんなのがあるのかとても気になる。始めるのは簡単なくせに奥は深い。もっとスパイスと仲良くなりたい。カレーの話ばかりしているが、今週の日記は音楽の話ばかりです。

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1.

PortsmouthのHotel Luxを観に行った。1月末にデビューアルバムをリリースしたばかりの彼ら。この日はラフトレードでインストアライブがあった。「俺とタメの奴らが国の代表チームで活躍している」という歌い出しが印象的な「National Team」だったり、どの曲も歌詞が鬱屈としていてとても好きだ。それを親しげなメロディーに乗せて歌うものだからそのギャップも良い。今のUKポストパンクが面白いのはこういうバンドがいるからだなと思う。ジャンルで括るにはとても多様だということ。グッズのマフラータオルが可愛くてとても欲しい。レコ発のライブ行こうかな。

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2.

YorkshireのThe Lounge Societyを観に行った。Shacklewellが見たこともないくらい混んでいて、びっくりするぐらいの人気。ライブが始まればそのカリスマ性にすっかり彼らの虜になっていた。カリスマ性とは違うかもしれないが、まさにヒーローのようなきらめき。僕が色々なロックスターを観た時に感じた何かと同じ片鱗を彼らは持っていた。音源よりも血が通っていて、音源よりもギラギラと脈を打っていて、全ては現場から始まると思わせてくれるライブ。ラフトレードのAOTYに早々とランクインしたのも納得がいく。ストロークスが現れた時の衝撃ってこんな感じだったのかな。プロデュースしていたSpeedy Wundergroundのダン・キャリー(対バンのMiss Tinyで出演していた)がモッシュのど真ん中にいたのも笑ってしまった。本当に新時代の幕開けのようなライブを観た気がする。いやマジで、カッコいいロックバンドがいるってのは素敵だよ、本当に。

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3.

新年初のMelodiesのパーティー! 大好きなMelodiesのパーティーに行ってきた。今回の会場はBrixtonのPhonoxというクラブ。音もいいし、広いし、お酒も安いでナイスな箱。初めてMelodiesに来た友人たちもとても気に入ってくれたみたいで嬉しい。本当に居心地がいい。ゲストのDaphniのプレイも凄まじかった。数学の博士号を持っているのが納得できる大学教授のような見た目なのにDJが本当に上手い。ひたすら何かに陶酔してしまうような雰囲気を作っていた。パーティーで話しかけてくれたイギリスの人たちが「日本のクラブはContactやAgehaに行ったことがあるよ」と言っていたけど、もうどれもが無いんだよな。それが少しだけ寂しかった。Agehaは家から一番近かったこともあって自転車で行けていた箱。ずっとあって欲しかったな。

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人と話していて、その人の目が時々怖くなる瞬間がある。それはその人の信念や狂信に触れた時で、その人が絶対に正しいと思っているものに会話を通して出会した時。ロンドンで知り合った人の中ではそんな目を持つ人が沢山いる。それは怒りとかではなくてもっと純粋なものだからこそ、理屈なく恐ろしく思う時がある。ただ僕はその目がずっと羨ましい。

南条さんのような

それは絶対に折れない軸の部分だからだ。本質がちゃんとある人なんだなと感じるし、それがとても美しい。恐ろしく思う理由は自分に中身がないからだろう。ずっと自分はこんな人たちにはなれないと思い続けてきたけども、この街にいる以上、今の僕に必要なものは自己の中で絶対的正義のある軸なんだと感じている。けれど憧れはもうしない。いずれなるから。イギリス生活はまだまだ続く。

節分、スパイシーサーモンロール

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