帰郷に向けて　プレアデス星人

謁見の間にて

その正義感　使命感
不正を許せない　黙ってはいられない　
一生懸命さ　純真誠実な気持ちで
たたかってきた労を　この上もない言葉で謝意申し上げる

決してあなたの思うようにはいかなかったことに
目に見えるようには変わらなかったことに
失望してはならない　自分を責めてはならない

ほんの少しでも
たった一人でも
あなたの言葉や振る舞いに
一瞬でも耳を貸す人　寸分でもこころ動かす人がいたならば
それだけで十分な偉業であったと言わなければならない

この星　この世界は
あなたの帰るべき星ではなく
彼らのものなのだから
ほんの少しでもと　
役に立つためにやってきたのだから
すべての不正に立ち向かおうとか
すべてを正しくしてしまおうなどと
思ってはならない

この腐りきった世の中を
不正義だらけの世の中を
それでも住みやすいと思っている人たちのなかで
美しい国などと自賛している人たちの中で
その生暖かい快楽を強引に奪ってはならない

自分とその近しい人たちだけを優遇して
庶民から集めた貴重な資金を
自分の都合のいい人たちにばらまき
都合の悪い文書や統計を改ざんして
その陰で泣いている困っている人たちには目もくれず
これらの不正義に何も疑問を感じない
むしろ今までご苦労様でしたなどと
尊敬され送り出される世の中
気が狂いそうな世の中
好きにさせておけ
放っておけ
滅びのときに泣くのは彼らだ

それでも　もしも
手伝えるようなことがあったら
日陰に追いやられている人に
手を差しのべてやれることがあったなら
そっと　こっそりと　ささやかに
命に代えて思うままに行動せよ

その時はゆっくりとここに帰ればいい
わたしはいつまでも待っている