わくわくしながら「突然」を楽しんでいた。友達との眩しい日々。

多感な時期を一緒にすごしたMちゃん。
今年３月に１０年ぶりぐらいに
彼女に会ってきた。

ここ１０年は年賀状のやり取りだけで、
いつも、「今年は会いたいね」って
書き合っていた２人。
いつかと思っていたら、
そんなに月日が経っていた。

会いに行こうと思ったのは、
去年の１２月に入院手術したことが
きっかけで、いつかと思っていたら、
もしかしたら、
会えなくなっちゃうこともあるのかも、
と実感したのだ。

３月はコロナが怪しい時期だったけど、
決心して会いに行ってきた。
退院してから、久々の遠出だった。

Mちゃんとは、高校の同級生で、
どんなきっかけで仲良くなったかは
覚えていない。

でも、仲良くなってから、すぐに
「かえでは最初は暗い人かと思った」と
包み隠さず言うタイプで、
でも、ふんわりしていて、
とても可愛い子。

学校の帰りには、
いつもマックで話し込んだ。

その頃は、１つ買うと、
もう一つ無料でついてくる
紙のクーポンがあって、

その紙を１人１枚使って、バーガー２つ、
ポテト２つを１人で食べていた(笑)
食べても、食べても
お腹が空いていたあの頃。

カラオケ、買い物、
学校の帰りは毎日一緒だった。

思ったことをズバっと隠さずに
言ってくれるので、
彼女の、心の中を探る必要もなく、
一緒にいると楽しくて、気を遣わずに、
お互いに言いたいことを言いあっていた。

卒業してからもよく一緒に遊んでいた。
一人暮らしの彼女の家に泊まっては、
好きな人のことを朝まで話したり、
いつまでもおしゃべりが止まらなかった。

◇　◇　◇

彼女の思いつきで、旅行もした。
卒業旅行に行こうと決めたけど、
高校を卒業してすぐ、
バイトをしていなかった私たちには
お金がなかった。

旅行会社に行って、予算内で行ける、
できるだけ遠い所、それが北海道だった。

３月の北海道。
飛行機は高くて予算オーバー。
船で行くことになった。

その時は埼玉に住んでいて、
確か新木場あたりから船に乗った気がする。

大型船だったけど、私は酷い船酔いになり、
船を降りても、揺れが止まらなかった。

そして、悲しいことに、
北海道のどこに行ったのかは
遠い記憶すぎて思い出せない。
確かバスツアーだった気がする。

市場にいって、海鮮丼を食べた。
どこかの湿原に行った。
その広大な自然に圧倒された。

夜は、旅館の窓から見る
大きな雪の粒が綺麗だったのを覚えている。
あの頃はどこにいくかよりも、
誰といくかが重要だったのかもしれない。

北海道に来た！！
それだけで大冒険した気持ちになり、
満足した気持ちで帰りを迎えた。

帰りは、船が欠航になり、飛行機代は
旅行会社が出してくれることなった。
船酔いが酷かった私は、正直ほっとした。

今急に思い出した。
帰りは千歳空港だったかな？

◇　◇　◇

ある時は、上野で飲んでいた時に、
「今から金沢に行こう」と突然決まって、

電車に飛び乗り、なぜだ席がなくて、
電車の連結部分に体育座りして眠り、
明け方金沢に到着した。

眠い目をこすりながら、歩いている人に、
その時間でもやっているお店を聞いて、
そこで時間をつぶした。

どこに行こうか迷っていると、
観光タクシーの運転手さんに
声をかけられて、一人５千円だったかな？

いくつか観光地に連れて行って
くれることになった。

兼六園、昔の風情が残る街並み、
忍者屋敷などに連れて行ってもらった。

この時も予算はギリギリで、
帰りに１つのおそばを
２人で分け合って食べた思い出。

◇　◇　◇

そして、今私が毎日通っている海にも、
住む前に彼女と来ている。

この時も飲んだ帰りに、
急に海に行こうってことになり、
JRの路線図から海がつく駅名を探して、
行き当たりばったりで辿り着いた所。

ありがとうって、
改めてきちんとお礼が言いたかった。

行き当たりばったりが楽しかった日々。
メイク道具も着替えもなくても、
今から行っちゃおうって、
出かけた日々。眩しい２人の思い出。