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2024年3月の記事一覧
労働が生まれた日【アンチワーク哲学】
経済は物々交換から始まった。万人による闘争を抑え込むために人々は国家という社会契約を結んだ。人間は農業という禁断の果実をかじった結果、狩猟採集生活というエデンの園から放り出された。
こうした神話は想像によって生み出されていて、実際の根拠はないどころか、そのほとんどが反証されている。とはいえ、最新の考古学や人類学の知見を目ざとくチェックする人物など全体の1%にも満たず、神話のイメージはいまだに人々
行為と労働に関する考察【アンチワーク哲学】
先日書いた記事にとある質問をいただいたことが、この記事の執筆のきっかけである。
僕はベーシックインカムが実現した未来の世界において、金の必要性に関しての議論が活発化すると見込んでいる。即座に金が廃絶されるとは思わないものの、金が本当に必要かどうか、議論がスタートするはずである。僕は人類社会は最終的に金と決別することが可能だろうという見立てを、この記事で示した。
それに対する質問が以下である。
アンチワーク哲学は「哲学」か?【アンチワーク哲学】
哲学であると僕は考える。だから哲学を名乗っている。
その根拠を述べるためには僕が「哲学」がなんであると考えているかを説明しなければならない。
ドゥルーズ=ガタリは哲学を「概念を形成したり、考案したり、製作したりする技術」だと書いた(『哲学とは何か』より)。僕は微妙に異なった定義を採用していて「概念を解体してから、操作したり、接続したり、生み出したりする技術」と考えている。
哲学の最も重要な仕
金のない世界は可能か?【アンチワーク哲学】
金というものに対する考察をもう少し深めてみたいと思う。というのもアンチワーク哲学では、ベーシックインカムののちに金を撲滅することを目指しているが、BIに関する議論は盛んにおこなっているものの、金の撲滅についてはあまり語っていないからだ。
まず初めに断っておきたいのは、金を否定することと、金が生み出した果実を捨て去ることはイコールではないということだ。奴隷がつくったという理由でピラミッドを破壊する
全文無料公開中!『14歳からのアンチワーク哲学 なぜ僕らは働きたくないのか?』
「労働は悪であり、撲滅可能である」
その確信を現実に変えていく営みこそが、アンチワーク哲学です。そして、アンチワーク哲学を中学生にもわかりやすい対話式小説に仕上げたのが『14歳からのアンチワーク哲学』です。
たくさんの人に読んで議論して欲しいので無料公開します。ちなみに著作権フリーです。海賊版の出版も大歓迎。
■本文&解説文(PDF版)
■本文(noteで1章ずつ読みたい方はこちら)
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子育て問題解決のためのアンチワーク哲学【アンチワーク哲学】
「異次元の少子化対策」という政府の号令も虚しく、少子化、保育士不足、ワンオペ育児、こうした問題が解決される見通しは一向に立たない。僕自身も1歳と4歳の子を育てる親としては、明らかに子どもへの風当たりが強い社会に変わっていることを痛感する。この問題は解決すべきであることに、異論を唱える人はいないだろう。しかし、有効な解決策をこの社会は見いだせずにいる。
いや、見出してはいる。アンチワーク哲学とベー
朝生より徹子の部屋【アンチワーク哲学】
先日、ダニエルさんという炎上系ユーチューバーに誘われ対談の動画を撮った。対談の相手はダニエルさんと、ぱくもとさん(陽キャ哲学普及協会)である。とはいえ、時間もさほど長くはなく、途中の中断などもいろいろあって、話したいことはさほど話せていない。視聴者からすれば「で、結局なにがいいたいの?」と感じられたかもしれない。
なので、改めてそこを説明する動画は上げ直すとしたい。だが、その前にぱくもとさんが、
そっと離れる【アンチワーク哲学】
ベーシックインカムが実現した社会はあらゆる問題が解決するなんてことを言う僕だが、もちろんなんのトラブルも軋轢も起きないだなんて言うつもりはない。
それはもう、様々な人間関係のぶつかり合いが生じるだろう。なんか好きになれない人。言いがかりをつけてくる人。自分の都合ばかりを押し付けてくる人。上から目線の人。
僕は前の前の職場で働いていたとき、死ぬほど嫌いな人(仮にTさんとする)が取引先に1人だけい