かつての"マルッと丸投げ上司”が臆病だった私の殻を破ってくれた話
かつて、とても型破りな上司のもとで仕事をしていました。
夜中の2時、3時にメッセージが送られてくることは日常茶飯事。
「すごいよ俺!さっき、すごいこと閃いたから、明日会社でシェアします!」と、エキサイティングなメッセージが飛んできます。
それに対するこちらからの、リプライは、ほとんどスルーです。
翌日は、会議室に軟禁され、そのお風呂で突然思いついたと言う「閃き」をとくと聞かされて。
「じゃ、そう言うことだから、プロジェクトリーダー、頼むよ。」と、こちらの意思は関係なく任命されてしまいます。
また、他にも、全社イベントを行うことになった時に、予算とゴールのみを伝えられて、「頑張って」とだけ言われる。
そんな感じで、突然ぶん投げられたその漠としたボールを抱え、しばらくオロオロしながら、心ではブツブツ言いながらも、結局は「まぁ、やるか…」と動き出す…そんな感じでした。
それをやることで、喜ぶ人たちのことを想像したり、誰かのためになる or やる、と言うことは私のモチベーションだからです。
ただ、当然ながら、一人で遂行できるわけがないので、最初にやるのは、チームを作ることからです。
一緒にワクワクしながらやってくれそうなのは誰か?
達成するためのスキルを持ち合わせていそうなのは誰か?
そうやって、社内の人の特性を日頃から把握しておくことや、コミュニケーションを取ることは、私にとって、必要不可欠な組織の中での行動でした。
また、いざチームでプロジェクトが動き出しても、スムーズにいくことばかりとは限りません。と言うか、むしろその逆がほとんどでした。
あちらを立てれば、こちらが立たず。
ブーイングを浴びたり、板挟みにあったり…まぁ、格闘するわけです。
またその上司も、私の要所要所での進捗報告は聞いてくれますが、私が七転八倒する様子には、一切口を挟みません。
それも含めてのプロジェクト、なわけです。
それも含めての「頑張って」の言葉、なわけです。
ただ。
今にして思うと、それらの無茶振りの様な上司からの球を受け取り、あくせくしながら対処していく体験が、結局は私の殻を一つ一つ破っていくプロセスとなっていたのだろうなぁ、と。
労いの言葉とか、そう言ったもの以上に、貴重なものだったのだと思います。
そして、今回、改めてそれに気づかせてくれた本がありました。
「宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あたなの知らないあなたの強み」です。
この本によると、
人は、潜在的に、そして社会環境等の影響を受けて、5つの因子が、その人の特性として表れるのだそうです。
それぞれ、
・凝縮性因子
・受容性因子
・弁別性因子
・拡散性因子
・保全性因子
と言うものがあります。
この各因子の特性や、それがどう自分や他者に影響をもたらしているのかを把握することで、人の個性への理解を深めることができ、リーダーシップやコミュニケーションを図る上でとても役立つのだとのことが書かれています。
自分の特性を知ることで、自分らしい強みの活かし方、リーダーシップの発揮に繋げることができる。
また、それをわかりやすくマンガ「宇宙兄弟」に登場する人物や、その特性が表れているシーンを交えて、照らし解説してくれています。(ただ、非常に細やかに解説がなされているため、このマンガを読んだことのない方にとっても、その概念や理論は理解いただけ、楽しめる内容になっていると思います。)
ちなみに、診断結果によると私は「難波六太(ムッタ)」でした。
通りでマンガを読んでいて、ムッタの言動に共感しまくってた自分がいたわけだ…と腹落ちしまくりでした。
そして、ムッタの弟の日々人(ヒビト)のような、色々なことから解き放たれているような自由奔放な「拡散性」と呼ばれる人に惹かれることも、今回この本を読んで納得でした。
そして、先に書いたかつての上司も、「拡散性」因子を持っていたのだろうな、と思います。
臆病だった私が、何かを突き破るためには、器を広げていくためには、必要不可欠な存在だったのだと思います。
マンガの中で、ムッタが言います。
「グーみたいな奴がいて
チョキみたいな奴がいて
パーみたいな奴もいる
誰が一番強いか
答えを知ってる奴 いるか?」
これからもそんな風に。
自分の特性に近い共感しあえる人も大切に。
そして、自分には持ち合わせてない特性を持っていて、だからこそ私の何かをぶっ壊してくれる人にも感謝しながら生きていきたいなぁ、と思うのです。
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