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勝ちパターンじゃなくて、ワンパターンだったのか!

抜群に好きなマンガの一つに「キングダム」があります。見所の一つは、なんと言っても多くの人を惹きつける要素を備えている主人公「信」の成長ストーリー!
自分の腕っぷしに絶対の自信を持っていた彼が「そのままでは死ぬぞ(力だけでは、生き残れないぞ)」と諭され、己を顧みる。
確かに幾多の戦いの中で、武力だけでは勝てないのだ、ということを、自らの体験、そして将軍の視座を通して学んでいきます。
彼がその後、将としてだけでなく人としての器をドンドン広げていけたのは、正直で素直な資質があったからだと思います。
ここで強さだけを頑なに拠り所にして戦っていては、仲間や将軍に諭されたように、生き残れなかったはずです。


そして信のように、「生きるか死ぬか」の戦いをしているわけではないですが、人それぞれ、自分の得意とする「勝ちパターンやスタイル」があるのではないでしょうか。

例えば、
・分析力や情報収集を武器にロジカルにことを進める
・共感力を武器に相手と深い信頼関係を築く
・社交性を武器に初対面の人とも臆することなく会話する
・未来を描く力を武器にビジョナリーとして他者を牽引する

など、自分らしいやり方で、強みや魅力を発揮できる方法です。


まずは、自分の勝ちパターンがどんなものかを知ることも大切ですし、その勝ちパターンを、どんどん磨き上げていくことができたら良いですよね。


でも、冒頭で書いた信のように、その勝ちパターンを変える必要が出てきたとしたら…
ものすごい勇気が入りそうです。


私もかつて、自分の勝ちパターンを手放すことを求められたことがありました。組織の中で人事として働いていた時です。

元々は、共感性が高くて、表現するなら「ウェットな人事」だったと思います。社員の悩みや不満にしっかりと寄り添って、話を徹底的に聞く。だから、社員の子たちも、ちょっとしたことでも、よく相談に来てくれました。

でも社員数が増え、会社の規模がどんどん大きくなり、フェーズが変わったな…と感じた頃に、そのウェットな人事スタイルを見直すように、経営者から諭されました。

組織の規模が大きくなるということは、当然異なる価値観を持つ社員が増えると言うことです。

なので、価値観が合わない同士でいざこざが起きることも出てきます。
組織のフェーズが変わると言うことは、それまでの体制や仕組みも変えていく必要もあるため、そこに対して、分かりやすく反感を抱き反発してくる社員も出てくるわけです。

そんな状況の時に、かつてのように、人事の私が、一人ひとりに寄り添いながら話を聞き…なんてやってる余裕が持てなくなるんです。


ではどうするか?
組織が向かいたい方向に行く、その実現化のために人事は先陣切って伴走する。そこに徹する。
…ことにしたんです。

「ドライな人事」へのシフトチェンジです。

合理的に物事をバンバン進めるので、経営陣からは評価もされました。
だけど、社員との間には、隙間風がピュンピュンと吹いていくのを感じてました。

仕方ない。そうするしかない。当時は、自分にそう言い聞かせていたんですね。「嫌われる勇気」なんて本も読んだりしながら…


でも、今考えれば、そのやり方は極端すぎだったと思います。自分の中にあった勝ちパターンを、一気にかなぐり捨てる必要はなかったんだと思います。ワンパターンなやり方しかできなかったんですね…
自分の勝ちパターンのバリエーションを増やす!そのように柔軟に考えられていたら、もう少し当時は楽にやれたのかもしれません。


ただ、その経験も本当に良い経験だったと思っています。沢山の痛い思いをしたから、今では、同じ痛みを感じている人に寄り添うこともできるし、もう少し客観的な視点で以前よりも見ることができるようになったと思っています。


そして、先日、ご自身のリーダーシップの勝ちパターンを見直される体験をされた、某有名企業のリーダーの方にインタビューをさせていただきました。葛藤されながらも、謙虚にご自分を見つめられることにしたお話は、聞いていて先に書いた過去の自分の体験とも重なり、とても胸が熱くなりました。

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