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自分を知るって?!明星学園高校で「探究」授業を行ってきました

昨年に引き続き、今年も、明星学園の生徒さんに向けた、「探究」の授業を行わせていただく機会をいただきました。
昨年は、中学2年生を対象として行いましたが、今年は、高校3年生の探究授業を担当する先生からの依頼となりました。

高校3年生という時期は、卒業を間近に控え、その先の社会へ進出する未来を見据える重要な時期。自分自身がどのような道を進んでいきたいのかなど、自分について深く向き合った経験をした方も多いのではないでしょうか。
私自身もかつては、この時期に「果たして自分は、どんな道に進みたいのだろうか?」「自分が本当に望んでいることは何だろう?」と非常に迷い、立ち止まった経験があります。

そして結局は、決めきれずに、地元の占い師さんのところへ駆け込み、進路相談するという始末でした…

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今回、依頼くださった松本先生は英語科の担当で、並行して探究授業も受け持たれています。探究授業は日本の教育現場に導入されまだ歴史が浅く、学校や先生の方針や裁量で取り組むことが多い分野だそうで、松本先生も、毎年カリキュラムの設計に多くの労力をかけているそうです。

先生と事前で何度か打ち合わせをさせていただいた際には、こんなことを聞かせてくれました。

「今の若い世代は、自分自身を理解できずにいる人が多く、自己肯定感が低くなっている子がいます。そんな彼らが、自分自身について知ることで自信を持って前に進んでいくことができるような。そんな機会にしたいと思っています。」

また、

「今年の探究授業では、特にチーム学習を大切に考えています。自分で理解できた強みや特性を、チームでどのように活かしていけそうか?そんなことも考えるきっかけにもしてほしいと思っています。」

と、授業や生徒さんへ向けた熱い思いを聞かせていただきました。

この度、わたしの妹もこの授業にとても興味を持ってくれ、当日はアシスタントとして同行してくれることになりました。そこで今回は、妹の目線で授業を振り返ってもらうことにしました。
ということで、ここからは彼女のnoteを、ぜひお楽しみください☆



今回、明星学園高等学校様に、「自己探究」というテーマで講義を行うということで、同行してきました。

今回授業の依頼をくださった松本先生は、本年度の探究授業で「好きから始めるSDGs」というテーマで、取り組みを行っているそうです。
今後は、グループに分かれて取り組みを進める上で、各自が自分の強みを存分に発揮し、活動できるように、まずは「自己探究」をしてみよう、ということで、今回の講義の依頼をいただきました。

今回講義の中で取り組んだワークはこちらです。

【価値観について】
①自分の価値観を知ろう(個人ワーク)
②ネガティブに捉えている自分の価値観を違う視点から見てみよう(ペアワーク)

【強みについて】
③好きなことを挙げてみよう(個人ワーク)
④好きなことを掘り下げて、そこに隠れている「強み」を探ってみよう(ペアワーク)

自分の「価値観」について

自分の感情が動くことの中に価値観があるよ、という言葉をヒントに、個人ワークを行い価値観を書き出してもらいました。
筆がスラスラ進む子もいれば、頭を抱えてなかなか書けない子もいたり。
筆の進みに個人差はありましたが、みんな一生懸命取り組んでくれました。

次に、各自が書き出した価値観をもとに、ペアワークを行いました。
相手がネガティブだと感じている価値観を違う視点から見つめ、その新たな側面に気づくことを目的としたワークです。
ペアの相手は、質問を重ねて、価値観を作り出した要因を探り、違う視点からフィードバックを行うことで、ポジティブに変換していきます。
ここでは、相手の考えを掘り下げるために「質問力」が必要です。

少し難しいワークでしたが、どんな質問をすれば相手の価値観のもとになっている考え方が見つかるのか、試行錯誤しながら頑張って質問をしてくれました。
相手の価値観と自分の価値観の違いに気づいたり、相手に質問を重ねることで、より深く自分や相手のことを知ることができたように思います。

ある生徒さんは「人見知り・引っ込み思案」という自分のネガティブな価値観を持っていたようですが「人とのかかわりを大事にしている(からこそ慎重になる)」という価値観に変換してもらえたことで、前向きに捉えることができたうです。

「強み」について考えるワーク

強み=才能×注いだ時間

まずは、自分の才能を自身で見つけ、それを磨いていこう。ということがここでのメッセージです。

"才能"は、自分が好きなことや得意なことに隠れていることが多い、ということで。まずは自分が好きなことを書き出してもらい、それをもとにパートナーと一緒に、「どんなところが好きなのか?」などさらに掘り下げて考えていきます。

最終的に、自分の好きなことが「Thinking」「Communication」「Leadership」のうちどれに当てはまるのかチェックをつけ、一番多かった項目で自分のタイプを探ります(思考型・コミュニケーション型・リーダーシップ型)。

▼参考文献:森岡 毅著「苦しかったときの話をしようか」

自分が楽しんでいることについて、考えたことはありますか?
好きなことには、「考えること」「友達と一緒にすること」「自分で決めて実行すること」などポイントがあります。改めて、自分が好きだと感じているポイントに着目して考えてみると、より深く「好きなこと」を楽しめるようになります。
それが「強み」をより発揮しやすくなることにも繋げられるのだそうです。

自分や友達の結果について、みんな興味深そうに話しており、ここが一番盛り上がる場面でした。自分自身の特徴について興味・関心を持っている様子がうかがえました。


最後に一人ずつ感想を言ってもらいました。

  • 今まで経験してきたことが、自分の価値観につながっている。これからもたくさんの経験をしていきたい

  • 自分の不得意なことも、見方を変えれば強みにできるのかもしれない

  • ネガティブな自分の価値観をポジティブに変換してもらえて前向きになれた

など、それぞれいろいろな気づきを得られたようです。
一人一人の前向きな言葉から、私自身とてもパワーをもらいました。

実は、私自身、自分自身のことを深く考える方法がわからず、社会に出てしまいました。
仕事を続ける中で、「この仕事自分に合ってない気がする」と感じたり、「このままこの仕事続けていいのかな?」と思うようになり、年を重ねるにつれて迷いが生まれまてしまいました。
しかしながら、その迷いが生まれても、どのように掘り下げて考えればよいのか、方法がわからなかったのです。
そういった経験から、若い学生のうちに自分の強みや価値観について考える機会を作ってあげたい、考える方法を伝えたいという思いがありました。
 
今回の講義を通して、自らを探究することで自分のかけがえのない強みを見つけ、それを磨き、社会に大きく羽ばたいていってほしいと思います。


妹は、今後、若い世代の子に向けて、自分を見つめ考えたり、悩みに寄り添うことをしてみたい!と意気込みを聞かせてくれました。

また、今後は「問題や課題を発見する力」がますます求められる世の中になる、と言われています。
学校の「探究授業」という取り組みは、それを養うためにも、素晴らしいものだと思います。

先生方は、正解が1つではないこの困難な授業やテーマに挑戦され、前向きに取り組まれていらっしゃいます。その姿勢に、深く感銘を受けました。
わたしも微力ながらも、今後も関われる機会があれば幸せです。

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