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2017年のトランプが差別主義者の天国を作った

以下、2017年8月に書いたnoteが今読むと逆に面白いのではないかと思い、サルベージしてみた。差別主義者が跋扈してしまうのは、心の問題ではなく、権力者の振る舞いのせいだという話です。

理想のコミュニティをだれかに作らせようと思ったら、「権力」を持たせないといけない。お金と人事をつかって「初期値」を整えることでしか、理想のコミュニティはつくれない。それは「心」の問題ではない。だから、その逆、「権力」を持たせず、心からのお願いをやれば、コミュニティは簡単に壊れる。

トランプがこんなコメントを出したみたい。
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大統領は15日、ニューヨークのトランプタワーで記者団の質問を受け、左派の反対派が「暴力的に相手を攻撃した」と述べた。ネオナチや白人至上主義者は「完全に非難されるべき」だとした一方で、反対派にも「トラブルメーカーはいた。黒い服を着てヘルメットをかぶり、野球用バットを持っていた。もう一方にも悪い人たちが多く存在した」と語った。(Newsweek)
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これを支持したのがデービッド・デュークみたいな男。

wikiより--------------------------------------------------
デービッド・アーネスト・デューク(David Ernest Duke、1950年7月1日 - )は、アメリカ合衆国の白人国家主義者(英語版)、政治家、反ユダヤ主義の陰謀論者、ホロコースト否認論者、クー・クラックス・クランの元最高幹部(インペリアル・ウィザード(英語版))

共和党員のルイジアナ州議会委員を経て、1988年アメリカ合衆国大統領民主党予備選(英語版)と1992年アメリカ合衆国大統領共和党予備選(英語版)の候補になった。デュークはルイジアナ州上院議員(英語版)、アメリカ合衆国上院、アメリカ合衆国下院、ルイジアナ州知事(英語版)の選挙で不成功に終わった。
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僕が留学していたルイジアナ州ニューオリンズではこんなやつも議員になれるくらいの土地である。ジープに載った白人の裕福な大学生に有色人種が突然「ファックユー」と言われることもある。それぐらい、裕福な白人が差別感情を隠さない。アメリカ人でさえ、東部からニューオリンズに来て、アフリカ系のアメリカ人と話すと、アンクル・トム的な人がいることに驚いていた。

これは、山岸俊男さんが『心でっかちな日本人』で説明していた「初期値」の問題だ。「いじめ」をしない、「差別」をしないというのは、自分が所属するコミュニティのメンバー構成と行動に依存している。

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「自分以外の全員がいじめをしても、自分だけはいじめをしない」という人がコミュニティのメンバーの全員であれば当然いじめは起こらない。実際は人間は弱いものだから、「自分以外に5人味方がいればいじめはしない」というように、コミュニティのメンバーの意見を忖度して行動する。「自分以外の全員がいじめをしても、自分だけはいじめをしない人」が初期値でひとりしかコミュニティにいなければ、「5人味方がいないといじめに反対しない人」はいじめに参加することになる。

「差別」も「いじめ」もコミュニティのメンバーの「初期値」を参加者全員が忖度しあって起こったり起こらなかったりする。この「初期値」を大きく動かせるのが「権力者」で、教室なら担任の先生、会社なら経営者、一般社会であれば政治家や官僚になる。

「いじめ」が起こったときに先生が「どっちも悪い」といったら問題が解決しないのはこれが原因だ。権力者が「いじめは絶対ゆるさない」と言うことで、コミュニティの「初期値」が変化する。その権力者の一言で「自分1人でもいじめに絶対反対する人」の「初期値」が増加したり、その雰囲気を忖度して付和雷同するメンバーがでてくる。「心」は権力では変えられないが、「心」の問題ではないので、「初期値」とメンバー間の忖度の問題を解決するためには権力を使うのが有効だ。権力は単純に言えばお金だったり人事だったりする。

これがコミュニティをつくる「初期値」の問題で、山岸俊男の『心でっかちな日本人』のなかで出てくる話だ。会社における「カルチャー」や「シェアードバリュー」なんていわれているのもきっとこの話だろう。なんでも「心」の問題だと思うなよ、というような本である。

トランプが大統領でいる間は、社会の「初期値」を大きく「差別」の方にズラしてしまったので、彼が大統領でいつづければ、アメリカ国内の政治的衝突、人種間の分裂というのは激しくなり続けるだけだろう。差別主義者の数は増えてないけど、「差別」をするのがはずかしいことという社会からの圧力はトランプの発言で大幅に弱まっている。だから誰も「心」の中身が変わったわけではない。差別主義者の「初期値」が変わっただけなのだ。これだけのことで見事にアメリカ社会は壊れ始めているように見える。

「差別」はこころの問題、それを表明するかしないかは行動の問題だ。行動に移す人間をリーダーが促進してどうするつもりなんだろう。


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