【詩】ぜんせん

涙に意味をあたえるのはやめませんか。くずれおちる世界も、大ホールのクラッシュ・シンバルも、サークルの姫も、涙には溶けません。夜を搾りだすみたいに、目から流れる水にすぎません。
勃起に意味をあたえるのはやめませんか。建国の英雄の像みたいなものじゃなくて、熱の風が吹き溜まっているだけです。
人間に意味をあたえるのはやめませんか。夜に起きていたり肺呼吸で海にでたりするってことは、そんなにすごい生物ではありません。
意味っていうのは空っぽな現象の隙間にできる、
停滞前線みたいなものです。

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