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【ブックガイド】普通じゃないのは、大切だからこそ。初夏に読みたい「恋愛小説5選」

一体、二人はどうしてそうなったのか?
大切に思う気持ちが積み重なるほど、誤解が生まれることがある。
特別でオリジナリティの高い関係性ほど、周囲からは理解されづらくなる。
例えば、友情と恋愛の線引き。恋人と家族の線引き。
時めきと敬意の線引き。偶然と必然の線引き――。
折り重なったボーダーラインが二人だけの関係性を導き出すとき、そこに物語が浮かび上がる。
出会いの季節、春を過ぎ、初夏を生きる全てのヒューマンに捧ぐ恋愛小説。


住野よる『告白撃』(KADOKAWA刊)

親友に告白されたい。そして失恋させたい。大人げない告白大作戦の開幕!

三十歳を目前に婚約した千鶴は、自分への恋心を隠し続ける親友の響貴に告白させるため、秘密の計画を立てていた。願いはひとつ。彼が想いを引きずらず、前に進めるようになること。
大人のやることとは到底思えないアイデアに呆れつつも、学生時代からの共通の友人・果凛が協力してくれることになったが、〈告白大作戦〉は予想外の展開を見せ――。
ものわかりのいい私たちを揺さぶる、こじれまくった恋と友情!! 

カドカワストアより引用

君嶋彼方『一番の恋人』(KADOKAWA刊)

『君の顔では泣けない』の著者が描く、恋愛を超える愛の物語

道沢一番という名前は、「何事にも一番になれるように」という父の願いで付けられた。
重荷に感じたこともあったが、父には感謝している。「男らしく生きろ」という父の期待に応えることで一番の人生はうまくいってきたからだ。
しかし二年の交際を経て恋人の千凪にプロポーズしたところ、彼女の返事は「好きだけど、愛したことは一度もない」だった――。
千凪はアロマンティック・アセクシャル(他人に恋愛感情も性的欲求も抱くことがない性質)で、長年、恋愛ができないが故に「普通」の人生を送れないことに悩み、もがいていたのだった。
千凪への思いを捨てられない一番と、普通になりたい千凪。恋愛感情では結ばれない二人にとっての愛の形とは。

カドカワストアより引用

川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』(講談社文庫刊)

全米批評家協会賞 小説部門 最終候補ノミネート!

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。
わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった――。
芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。

村上春樹『スプートニクの恋人』(講談社文庫刊)


この世の物とは思えない奇妙な恋の物語

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。――そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー!!

講談社BOOK俱楽部より引用

浅田次郎『月のしずく』(文春文庫刊)

三十年近くコンビナートの荷役をし、酒を飲むだけが楽しみ。そんな男のもとに、十五夜の晩、偶然、転がり込んだ美しい女──出会うはずのない二人が出会ったとき、今にも壊れそうに軋みながらも、癒しのドラマが始まる。表題作ほか、青少年の鑑のような高校生が、ふと足を踏み入れた極道の世界で出会ったヒットマンとの、短くも充実した日々──「銀色の雨」。子供のころ、男と逃げた母親との再会をイタリアを舞台に描く「ピエタ」など、“浅田マジック”が冴える全七篇。

ブックウォーカーより引用

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