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私の心を映し取った一枚の布

見慣れた宛名文字の一通の大きめの封筒が届きました。この二週間弱、わくわくとひそかに待ち続けたものだと、0.2秒でわかりました。

拝啓 あんこぼーろさん提案のうわの空さん企画グッズにはなぜか即反応してしまう私です。いつもはとても優柔不断で衝動買いなどはほとんどしない私なのですが。カワセミのチャームに続いてオーダーしてしまいました。

これは、うわの空さんがその人のnoteの記事を読んで(見て)、感じたイメージで選んだ布で“ハンカチバッグ”を仕立ててくれるというもの。ハンカチバッグとは、ハンカチでありながらちょっとした物を入れられるバッグにもなるという便利な子なのです。

もっと時間がかかるかな?と思いすごく気長に待ち構えていたので、二週間弱というのは思ったより早めに届きました。その間、うわの空さんからのスキ通知が鳴る度、あ、読んでくださってる♡と、こそばゆいような隠れたいような思いを抱えながらも、ドキドキと楽しみを募らせておりました。

包みを開けるとき、なんでこんなに?と自分でも不思議なくらいドキドキしました。お会いしたことがなく、まだ交流が始まって間もないうわの空さん、つまり私のことをほとんど知らない人に、私の書いた言葉を読んでもらって、そのイメージを目に見える、手に取れる形にしていただくって、言ってみれば生まれて初めて鏡を覗き込んで自分の姿を見るような感覚に似ているのかもしれません。

ちょうどその日の朝、秋谷りんこさんの怖ろしいショートストーリーを読んで、

「SNS上だと人は人格が変わるのか」について、自分に当てはめてぼんやり考えていたところでした。人格なんてそもそも、不変のものとしてあるのではなくて、接する相手によって、その人のどの面が照射されるか、またはどの面が引き出されるかで、如何様にも違って見えるものだと思っています。だから、SNSとリアルでは印象が異なって見えても当然だと思います。

私ははじめ、私の場合は「矢嶋花壇」としての自分も普段の本名の自分と何一つ変わらないんだよな、というふうに思いました。でもよく考えてみると、SNSでの私の文章やコメントの書き方を見た知人から、「普段のあなたとはまるで別人に見えるね」と言われることが何度かあったことを思い出しました。そのときは、ま、そうだよな、と特に驚きもしなかったのです。

それはどういうことかというと、私は人と会って話すことはかなり苦手で、いつも本音を出さずに相手に合わせてへらへらしています。どちらかというと昔から「文章を書く」ことのほうが自由で、自分の思いや考えを素直に表現できます。だから私にとっては、文章の中に存在する私が、「本来の私」により近いものです。人と会って話すときは無意識に自分を押し隠しています。(その割合は若い頃に比べると格段に減りましたが。)だから「普段の私」を見知る人が私の文章を見たら、少なからずギャップを感じて当然だと思います。

「無意識に」本音を押し隠して周りから見えている自分は、自分自身にはあまり認識されておらず、一方で「いつも内面で思っていること、感じていること」と「自分の書く文章」がほぼイコールなので、「私は『矢嶋花壇』としても、いたっていつも通りです」と自分では感じているわけなのです。

ということが、りんこさんのショートストーリーを読んでわかりました。物語の主題とはズレているんですが。(物語は、超絶怖かったです。多くのSNSを利用する人が楔をさしてもらったのではないかと思います。当然、私も筆頭に。)

その、自分の内面そのものだ、つまりは、自分そのものだと感じている自分の書いた文章を、まだ会ったこともない、知り合ったばかりの人が読んでくれて、一つの形に表現してくださる、ということが、エキサイティングでないはずがありません。今出会ったばかりの人といきなり銭湯に行く感じかな?うーん、ちょっと違うな。とにかく、「心を映す鏡」を、初めて恐る恐る覗き込むような心境で包みを開けました!

お手紙が入っていましたが、まずはお手紙を見る前にハンカチバッグの包みを慎重に開けました。

マトリョーシカの刺繍が目に飛び込みました。

ほっこり・・・、かわいい!😍

マトリョーシカは大小合わせて5人並んでいて、私の家族だとわかりました。私があんな記事を書いているにも関わず、なおも、私が家族を大切に感じていることを読み取ってくださった、と、本当に救われた思いで、涙が出ました。あとでお手紙を拝見すると、やはりそのようなことを書いてくださっていました。

「チャレンジするパワー」「家族を大切にしていること」を感じた、と。

私は「のらりくらり」で、「チャレンジ」や「パワー」という言葉とは程遠いキャラだと自覚していましたが、私の好奇心の強さをそのように感じてくださったのか!と、逆にその言葉からパワーをもらいました。

「整列していないのが 家族ぽいかなあって。

でも まとまるときは しっかりと ひとつになる。」

なんて素敵なメッセージなんでしょう。

「これからもずっと、家族を大切にしてくださいね。」という、書かれていないメッセージも感じました。

布は、私が注文した時にすぐに直感で決まったそうです。なんと。記事をほとんど読んでいないうちにです。こういうことをやられる方っていうのは、第六感みたいなものが違うのですね。

(本当は自然光での屋外撮影をしたかったのですが、あいにく今日は雨です。またいい写真が撮れたら差し替えるかもしれません。)

この布地は一目見て、私らしいと感じました。多分、私のことをよく知る人が見ても、私らしいと言うはずです。

吹き込んでくる風を感じました。私も鳥たちのように、風に乗って羽ばたきたいと思いました。

私の内面を見つけ、理解し、認めてくれた。

程よい距離で見守り、応援してくれた。

そのことの心強さとうれしさを、カバンに入れて持ち歩きたいと思います。

うわの空さん、素敵な企画をありがとうございました。

ちら、と折り返した部分に手を通して“持ち手”となる。

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