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暝々|詩


「暝々」

夜が欠けた次の日は雨になる

いつだったか
誰かが僕に教えてくれた
どこかの星に伝わるという
古い話を思い出していた

西の空をいつまでも見つめてた
そこに月が昇ると信じていたから

あんた、馬鹿なの?
背後から知らない女の声がする
もう止めよう
僕が何かをくちにすれば
また誰かの魂が奪われるから

月は東の海で眠ったままだ
その女はそう言って泣いていた

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