ガレット・デ・ロワを逆折りパイ生地から作る変態ガチ勢
サリュー!ケイチェルおじだよ。
*今日はイカの日だけど祝日なので、明日を振替イカの日ってことにします。
去年ガレット・デ・ロワを作ったときに、noteでいつもカワイイお菓子を作ってるみっちゃんから、「年明けにガレットデロワを作ってるのは変態製菓ガチ勢」と言われた。おいたんは「いやいや、変態ガチ勢ってのはガレットデロワを逆折りパイ生地から作っちゃう人たちのことで、おいたんは市販のパイシート使ってるから変態じゃない」って書いた記憶がある。
そして1年後、まさか自分がその変態勢の仲間入りをすることになるとは。
せっかくの3連休だし、パイ生地から作ってみるかーって思ったんよ。そこでいつもの『ピエール・エルメが教える焼き菓子BOOK』を見てみたら、サクリスタンのレシピにパイ生地の作り方が載ってるわけ。
サクリスタンはいわゆる「ひねりパイ」なんだけど、地味なお菓子なのに難易度は最も高い3で、レシピ本の一番最後に載ってる。とにかくパイ生地はこのレシピで作ってみよと思って詳しく見てみたら、いわゆる「逆折込」、フィユタージュ・アンベルセと言われる方式だった。
普通のパイ生地は、小麦粉の生地でバターを包んで、それを伸ばして折り畳んでを何回か繰り返して作るんだけど、逆折りってのはバターで小麦粉の生地を包んで、伸ばして畳んでを繰り返すというぶっ飛んだ作り方。ただ、さすがにバター単体で生地を包んで伸ばしたり畳んだりするのは無理なので、バターに小麦粉を混ぜて多少扱いやすくする。普通のパイ生地より小麦粉の層が薄くなって、焼き上げると一枚一枚が極薄の、軽くて繊細なパイ生地に仕上がるようだ。
折り込み生地自体は以前ブリオッシュ・フィユテで作ったことはあるので、今回は2度目の折り込みチャレンジということになるな。果たして上手くいくのでしょうか。昨日から今日にかけて2日がかりで取り組みました。
①ブール・ファリーヌ(バター生地)
レシピ通りに作っていくよ。クリーム状にした無塩バター170gに強力粉70gを入れ、手で馴染ませます。
ラップで包んで平らにし、冷蔵庫で半日休ませます。
②デトランプ(小麦粉生地)
ふるい合わせた薄力粉80gと強力粉80g、クリーム状のバター50gのボウルに、水70g・お酢1g・塩10gを合わせたものを入れます。
カードで押さえるように混ぜ、粉っぽさがなくなったら台に移して手のひらで2度ほど捏ねます。
これも平ら包んで11cm四方くらいの正方形に形を整え、冷蔵庫で休ませます。
③包み込み
昨日の朝から夜まで寝かしたバター生地を22cm四方くらいに伸ばします。
その上に小麦粉生地を乗せて、
バター生地で包みます。
閉じ目をしっかり閉じて、麺棒で薄く伸ばし、ラップに包んで冷蔵庫で休ませます。
④折り込み
1時間寝かした生地を取り出して、台に打ち粉をし、麺棒で伸ばしていきます。
↑府中の小さなキッチンで生地を50cmくらいまで伸ばすためには、IHコンロの上を斜めに使うしかないという。しかもクッキングマットをまな板で延長(笑)
伸ばすのはこれくらいかな。
形を整えて、まずは二つ折り。
繋ぎ目を閉じて、さらに二つ折り。
これで四つ折りを1回したことになるね。これをラップで包んで冷蔵庫で1時間休ませます。
1時間後、さらにもう1回同じ作業。再び四つ折りです。
同じく冷蔵庫で1時間休ませます。
さらに1時間後、今度は三つ折り。
これでパイ生地は完成。計四つ折り2回、三つ折り1回ってことになるね。
とりあえずここまでが昨夜の作業。なんか、思ってたより簡単だったな。ブリオッシュ・フィユテを作ったときの方が、生地が破けてバターが飛び出ないようにするのに相当気を使った。逆折より順折の方が難しいような気がするな…
⑤ガレット・デ・ロワの成形
そんで今朝。一晩休ませた生地を冷蔵庫から取り出し、厚さ3㍉くらいに伸ばします。伸ばしたら15cmセルクルを当てて包丁で2枚カット。
中に挟むアーモンドクリームは、こないだマカロンイスパハン作ったときに余ったローズクリームを解凍して、アーモンドパウダーと合わせました。こういうレシピがある訳ではなく、これはテキトーです(笑)
解凍したライチとフリーズドライのラズベリーでイスパハン風に。さらに今年は忘れずにフェーブとしてアーモンドも埋め込んでみた。
もう1枚のディスクを被せ、裏返して周りを指で押さえながら包丁で切れ目を入れます。
卵黄に赤の着色料を混ぜたものを2回ドリュール。10分ずつ冷蔵庫で冷やして乾かしました。
さて、ここからがガレットデロワのハイライト。レイエ(線書き)だ。
今年も去年と同じ太陽の模様にしよう。なんか今年はYouTubeとかで太陽模様をよく見た気がする。去年はリーフ模様が多かったと思うけど。
こんな感じにしてみました。
去年よりは格段に上手くなってるでしょ?
実はフリーハンドじゃなくて、セルクルを当ててナイフを沿わせるっていうズルをしたんだけどね(笑)
180度で40分焼いて、さらに着色したローズシロップを塗って5分焼きました。
とにもかくにも自作のパイ生地がちゃんと膨らんで形になってくれて一安心。ある程度成功が約束された市販のやつとはドキドキ感が違う。
側面はこんな感じ。
側面がやや不揃いかな。YouTubeで長野の有賀シェフが、ガレットデロワのディスクはフィリングを詰めたあとに半冷凍してから丸くカットすると断面が綺麗になるって言ってたのを忘れてた。でもこないだピエール・エルメのガレットデロワを店頭で見たんだけど、側面が歪んでてあんまり綺麗になってなかった(笑) PHの職人さんでも難しいんだろうね。
この手のパイは焼きたてが美味しいってことで、昼ごはん後にさっそくデザートで一切れ食べてみました。
パイのリーフ1枚1枚が薄くて、それでいてパリッとしてて、普通のパイより繊細な食感と味わいだ。何よりこんな企業にしか作れなさそうなものを自分で作れたっていう事実に感動してしまうね。ガレット自体もイスパハン味(?)で美味しいよ。
余ったパイ生地は、エルメのレシピ本通りに卵白とグラニュー糖をまぶしてサクリスタンにしました。
ちょっと形がテキトーすぎたけど、これもおいちいよ。
というわけで、今日はおやつを食べすぎたので夕食は抜き。イカ料理は明日にします。
おわり。
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