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起立性調節障害 ~将来の夢も奪ってしまう恐い病気であることを知ってほしい~

こんにちは。カブトムシの母です。

昨日、中2の息子が、ボソッととつぶやきました。
「A高校に行きたかったな~」

A高校というのは、県内でも評判のいい高校で、息子が関心があるというので、去年、一緒に文化祭にも行ったことがあります。

とても雰囲気がいい学校で、私も気に入り、こんな学校に行ってくれたらいいなあと思いました。
昨年の模試ではA判定だったので、がんばれば、行ける可能性はあったと思います。

しかし、起立性調節障害で、昨年1年で欠席が40日を超えてしまった息子には、もう目指すことはできません。

最近の内申書は、学校によっては1年生の時から見られるので、もう点数が足りなくなってしまったのです。

内申書というのは、コツコツ努力できる子にとってはとてもいいシステムですが、コツコツできない子にとっては、3年生の受験で一発逆転できない恐ろしいシステムです。

まあ、こうなってしまった以上、親子で嘆いていても仕方がありません。

気持ちを切り替えていきましょう。

幸い、最近は通信制のいい高校がたくさんあるようなので、親としては、A高校以上に、息子に合った高校を一緒に探す手伝いをすることが大事だと思っています。

将来、「あの辛い経験があったからこそ、今の幸せがあるんだね」
と笑って言えたら、いいなと思います。

で、

何が言いたいのかというと、起立性調節障害は、子どもが夢や目標を諦めざるを得ないほど、大変な病気だということ。

最近、だいぶ、認知はされてきましたが、その病気の実態を詳しく知っている人は、多くないのではないでしょうか。

先日読んだカオラさんの記事が、とてもわかりやすかったので、勝手に紹介させていただきます。

かく言う私も、自分の子どもがかかるまでは、
起立性調節障害=夜中にゲームやネットを見ていて昼夜逆転してしまった子どもがかかる病気
規則正しい生活に戻せば、すぐに治る病気
だと思っていました。

とんでもない誤解でした。

原因は、ホルモンバランスの変動、ストレス、遺伝、生活習慣など、様々あり、思春期の子どもがかかりやすい病だと言われています。

うちの場合は、発達特性があるところへ、中学になり、一生懸命がんばりすぎた「過剰適応」によるストレスだったのかなと思っています。

特に、夏休みは、部活が朝6時前から9時まであり、4時台に起床、帰ってきて疲れて寝る、夕方から塾の夏期講習があり、22時近くに帰宅、23時近くに就寝、という生活だったので、ゲームとは違いますが、別の意味で不規則な生活を送って、いろいろ無理をしていたのだと思います。

もっと休ませてあげればよかった…。
でも、その頃は、中学生というのはそういうものなのかな、と思って
「がんばれ」と追い詰めてしまった、だから、私にも責任があると後悔しています。

病院では、「水分と塩分をよくとること、規則正しい生活を送ること、適度な運動をすること」とアドバイスをもらいましたが、
水分と塩分はいいとして、「規則正しい生活を送ること」が本当に大変。

さらに、「無理矢理起こすのは良くないが、寝たきりはだめ。昼間はできるだけ起きていること」

これが、サポートする親としては至難の業。

「安静にしてゆっくり休ませてください」
なら、見守るだけでいいですが、
寝たままではだめ、というのが、本当に「無理ゲー」でした。

声をかけて起きるなら苦労しません。
最初のころは、ゆすってもつついても気絶状態。

無理矢理起こしちゃだめ。
でも、寝たままもだめ。

じゃあ、どうしたらいいの??

メトリジンという血圧を上げる薬を出されましたが、
あまり効果はありません。

お医者さんも「薬より、規則正しい生活を送るのが大切です。」と言いました。

でも、一度、壊れてしまった自律神経はなかなか元には戻りません。

人によっては、数週間で治ることもあるようですが、
うちの場合は10か月目で、まだ治る兆しは見えません。

7時台に起きられる日が続き、これで治るのか?
と期待しても、すぐまた寝たきりになってしまう。

ひどい時は、一日中、頭痛が続いて起き上がることがままなりません。
16時間以上眠り続け、過眠症とか別の病気も併発しているのではないかと思われることもありました。

整体とか、サプリメントとか、日光と同じくらい光る目覚まし時計とか、
いろいろ試してみましたが、だめでした。

最初のころに比べたら、今は「気絶」がなくなったので、
だいぶ良くなってきたとは思いますが、完治には程遠いようです。

ネットなどでお医者さんが書いたものを見ると「安心してください。起立性調節障害は思春期が終わるころには必ず治る病気です。」と、力強く書いてあります。

それは確かに、不治の病と言われるよりはましな朗報ですが、
中1から高3ぐらいまでの6年間と、50歳から55歳までの6年間では全く違うと思うのです。

本当なら、楽しいことがいっぱいある「青春」と言われる時期です。

昼行性である人間が、朝起きられない、昼間思うように動けないということで、どれだけQOLが下がってしまうのか、嫌と言うほど思い知りました。

起立性調節障害をよく知らない人から見れば、怠けているようにしか見えないかもしれません。

特に、息子の場合、中間期末試験や、学校の課外活動、部活の大会などがあるときには、ものすごい気合を入れて、遅刻もせずに行けてしまうのです。

たぶん周囲からは「やれば、できるじゃん」
と思われていると思います。
起きている間は元気ですし。

でも、それは毎日はできないことなんです。

以前、ネットを見ていたとき
「うちのクラスに起立性調節障害の子がいるけれど、ずるいと思う。私だって、学校に行きたくないけど、無理して行っているのに。」
というような書き込みがありました。

たぶん、辛い思いをしながらも、毎日がんばって登校している子にしてみれば、そう見えても仕方がないと思います。

でも、起きたくても起きられない、行きたくても行けない、
自分でコントロールすることはできないんです。

幸い、息子が通う中学校は比較的理解があるようで、
最初のうちは、「途中からクラスに入るのは気まずい」と言っていましたが、一度、行ってみたら、意外と大丈夫だったようで、
今は、起きられた時間に、遅刻して行っています。

ただ、中には、周囲の理解を得られず、ずる休み扱いをされ、
「二次被害」で傷ついている子もたくさんいるようです。

もゆらさんも起立性調節障害の息子さんのことでご苦労された先輩ママさんです。(勝手に紹介してすみません。ご迷惑だったら言ってください。)

ここで、みなさんにお願いです。

みなさんの周り、もしくは、みなさんのお子さんの周りに、
もし、起立性調節障害の子がいたら、
何もしなくていいので、どうか温かい目で見守ってほしいと思います。

それだけで救われる子がたくさんいると思います。

よろしくお願いします。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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