クラロワ日本一決定戦 | 2017 #tb | (9終)THE FINAL 決勝大会
2017年クラロワ”真の日本一”を決めるための半年間にわたった長き戦いも、遂にフィナーレ。
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2017年に開催された「クラッシュ・ロワイヤル」初の”競技系”公式イベント「クラロワ日本一決定戦」についてふりかえっていく連載企画の第9回では最後の戦い「THE FINAL 決勝大会」を特集する。本連載もこれが最終回。
顔を揃えるは、”2017年クラロワ日本最強”の8人。
世界への切符は2枚。
そして、”日本一”の王冠は1つだけ。
△THE FINALのPV(ナレーションがあの立木文彦さんなんですけど!)
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Overview
「クラロワ日本一決定戦」(Clash Royale Crown Championship 2017, CRCC 2017)とは、2017年5月から11月にかけておこなわれた「クラッシュ・ロワイヤル」で日本初となる”競技系”公式イベントのことだ。
まず、誰でも参加可能な”日本一”を決める大会が5カ月連続で開催される。そして、獲得ポイント上位30名とワイルドカード枠2名の計32選手が、秋の「THE FINAL」で”真の日本一”を争う。その上、「THE FINAL」の優勝者は、冬のロンドン「世界一決定戦」へ招待される・・・という少年マンガを具現化したかのようなストーリーであった。
5回にわたる月別大会の延べ参加人数は、なんと4万人を超えた。
最終決戦「THE FINAL」は、予選大会と決勝大会の2部構成となっていた。
先月10月の「THE FINAL予選大会」で32人のクラロワ猛者たちが激突して、
そこを勝ち上がった”2017年クラロワ日本最強の8人”が、今回11月の「THE FINAL決勝大会」へとやって来る。
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THE FINAL 決勝大会 2017.11.12
「クラロワ日本一決定戦」THE FINAL 決勝大会は、2017年11月12日におこなわれた。これまでの月別大会決勝と同様に、「THE FINAL 決勝大会」の様子は、クラロワ公式制作のYouTube番組としてライブで配信された。
会場はフジテレビ湾岸スタジオ。今大会を通じて初めて、スタジオに観客席が設けられ、観覧募集がおこなわれた(要チケット予約・無料)。そして、ものの数時間で、あっという間に定員に達してしまっていた。
出演陣はメンバーが勢ぞろい。MC:エレキコミック、アシスタント:藤井サチ、実況:岸大河、解説:ドズル、応援団長:きおきお、応援団員:あっこゴリラ。
照明が落とされショーアップされた中を、”2017年クラロワ日本最強の8人”が1人ずつ紹介され、順番に壇上に並んでゆく。
延べ参加者数41,230人の中を勝ち上がった8人のファイナリストの顔ぶれはこの通り。(※8人中5人がのちにプロ選手の道へ進むことになる)
ロンドンで開かれる世界大会への切符は、たった2枚。そして、2017年クラロワ界の”真の日本一”を名乗れるのは、1人だけ。
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出場8選手
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試合ルール
THE FINAL決勝大会は、8人によるシングルエリミネーション式トーナメントで争われる。決勝はBO5(3本先取)、それ以外はBO3(2本先取)。ゲーム内の全カードが使用可能で、対戦ごとのデッキ変更も自由。
くわえて、”お互いが使用禁止カードを1枚選択する”「BAN Pickルール」が、この日本一決定戦を通じて初めて採用されることになった。”2017年日本クラロワ界ではまだなじみの薄かったこのルールに、8人の選手がどう適応するか” が優勝の行方を大きく左右することになる。
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準々決勝第1試合 ZEROS vs 天GOD
準々決勝第1試合は、"最恐のダークホース"ZEROS(好きな食べ物は牛丼)対"天下一のジャイアント使い"天GOD(好きな食べ物はチャーハン)。
天GODはジャイ、ZEROSは三銃士と、2人が得意デッキで1ゲームずつを取り合って勝負はGame3へ突入する。互いにタワーを1本ずつ落とし、引き分けへのカウントダウンも始まる延長終了5秒前、ZEROSが2本目のタワーを陥落させる。
0-1、1-0、2-1。準々決勝第1試合の勝者は、ZEROS。
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準々決勝第2試合 かチュ vs アマテラス
準々決勝第2試合は、"クラロワ ゴッドハンド"かチュ(好きな食べ物は「アマテラス君ですかね!」)対"大会荒らしの神"アマテラス(好きな食べ物はお菓子全般)。
サービス精神旺盛なかチュの”煽りトーク”で会場が盛り上がる。対するアマテラスが至って平静なのもギャップで面白い。重量級使いで有名なアマテラスは2戦続けてゴレデッキ、それを読んだかチュは2戦続けてペッカデッキ。しかし、相性差を覆す練度を見せてアマテラスが連勝する。
1-2、0-1。準々決勝第2試合の勝者は、アマテラス。
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準々決勝第3試合 リュウぽん vs 『O~イズミ』
準々決勝第3試合は、"三重の巨スケマスターの弟"リュウぽん(好きな食べ物は肉)対"パーフェクトガードマン"『O~イズミ』(好きな食べ物は杏仁豆腐)。リュウぽんの兄ことりも会場で見守るなか、現役高校生対決が開始。
巨スケバレル使いのリュウぽんと枯渇デッキ使いの『O~イズミ』のマッチアップとなるが、リュウぽんが敢えて自分のデッキも封じることになるゴブリンバレルBANという奇策に打って出る。だが、『O~イズミ』は動揺を見せずにムートホグ、迫撃ディガーといった枯渇以外のデッキで応戦する。
0-1、0-1。準々決勝第3試合の勝者は、『O~イズミ』。
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準々決勝第4試合 みかん坊や vs フチ
準々決勝第4試合は、"高回転カリスマ坊や"みかん坊や(好きな食べ物はローソンのLチキ)対"世界の無課KING"フチ(好きな食べ物は自分で出汁から取った豚汁)。この2人が翌年プロチームで肩を並べることになろうとは、このときまだ誰も知らない。
みかん坊やは、8人中唯一決勝大会への出場が初めてでありながら、人気・注目度は今大会No.1の優勝候補。対するフチは6月大会以来のスタジオ登場で、あの日の敗北をバネに雪辱を期していた。
Game1は、みかん坊やがメガナイトバルーンで、フチがテスラ枯渇。Game2は、みかん坊やがディガーで、フチがジャイアントディガー。実試合でのプレイスキルに加えて、BAN選択・デッキ読み・カード選択も含めた総合力での勝負となった。
0-1、0-1。準々決勝第4試合の勝者は、フチ。
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準決勝第1試合 ZEROS vs アマテラス
準決勝第1試合は、ZEROS(21歳・大学理系学部4年)対アマテラス(17歳・高校3年生)。ともに進路選択を目前にした立場。みかん坊やとフチの関係と同様に、彼ら2人も翌年同じプロチームで戦うことになるのだった。
Game1・Game2・Game3と3連続で、ZEROSはホグファルチェ、アマテラスは三銃士。ロケットBANでファルチェを活かすZEROSと、ペッカをBANしておきながら得意のゴーレムを使わないアマテラス、というBANの活かし方が対照的な2人が激突する。
0-1、1-0、0-1。準決勝第1試合の勝者となり、決勝進出とロンドン行きの切符を手にしたのは、アマテラス。
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準決勝第2試合 『O~イズミ』 vs フチ
準決勝第2試合は、『O~イズミ』(プログラマを目指す17歳)対フチ(トレハン(トレジャーハンター)をこよなく愛するクランリーダー)。6月大会の準々決勝でも2人は直接対決し、その際はフチが1-0で勝利している。
Game1は、プリンセス抜きの枯渇デッキでのほぼミラー対決となる。互いにバレルが刺さらず、早い段階からロケットが飛び交う異例の試合展開が繰り広げられる。1-1からの最後の場面、『O~イズミ』のロケットが一手早いがなんと「HP1」足りず! 遅れて届いたフチのロケットがタワーを破壊して勝負あり。
1-2、1-2。準決勝第2試合の勝者となり、決勝進出とロンドン行きの切符を手にしたのは、フチ。
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3位決定戦 ZEROS vs 『O~イズミ』
3位決定戦は、 ZEROS(苦手な食べ物は梅干し)対『O~イズミ』(趣味は海釣り)。
1度負けて吹っ切れたのかZEROSは得意の三銃士デッキを連投。一方の『O~イズミ』は連戦であり疲労の色も濃く、ここまでの戦いぶりに比べるとやや精彩を欠いてしまった。
1-0、1-0。3位決定戦の勝者は、 ZEROS。
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決勝 アマテラス vs フチ
決勝は、アマテラス対フチ。ともにゴレやラヴァといった重量級デッキを好む2人の対決となった。
Game1は、フチのインドラにアマテラスのエレウィズがクリティカルに刺さって圧勝。Game2は、序盤フチが優勢だったが、アマテラスがラヴァ・クローンで次々とタワーを飲み込んで逆転勝利。アマテラスが2本を連取して、早くも”日本一”の王冠に王手をかける。
だがフチも黙っていない。Game3を”さっきのゲームのお返し”とばかりにゴレ・クローンで奪うと、Game4もアマテラスのペッカをきれいな”お散歩”で処理してゴーレムをタワーに届ける。これで試合は2-2のタイとなった。
最終戦Game5、フチはまたしてもゴレ・クローンを選択。ポイズンを先に使ってしまい、デッキに範囲攻撃持ちも少ないアマテラスには、フチの大軍勢を止める術はもう残されていなかった。
3-0、2-1、0-1、0-1、0-3。決勝戦BO5を逆転で勝利し、2017年クラロワ”真の日本一”の王座に就くことになった選手の名は、"世界の無課KING"フチ。
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THE FINAL 決勝大会 最終結果。日本一は”フチ”
▽“フチ”優勝インタビュー
▽”無課KING”フチが優勝したことの意味
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THE FINAL 決勝大会 Topics
1.優勝者フチの「課金疑惑」を追え
みごと”真の日本一”に輝いた"世界の無課KING"フチだったが、THE FINAL予選でけんつめし、THE FINAL決勝でみかん坊やとクラロワ界有数の人気者を撃破したこともあってか、彼の勝利を素直にお祝いできない者たちもいた。そして、沸きあがった「フチ、本当は課金してるんじゃないか」疑惑。この疑惑の真相を明らかにするため、YouTuberきおきおがSupercell社への突撃取材を敢行した。
果たしてその結末とは?
2.準優勝アマテラス、ラスボス戦・真のラスボス戦に挑む
準決勝でZEROSに勝ち、世界大会のロンドン行きの切符を手にしたにもかかわらず、「親に反対されているんで・・・」と浮かない反応を示していた準優勝者のアマテラス。受験を目前に控えた高校3年生の彼が日本代表として世界大会へ出場するためには、ラスボス(ご両親)、真のラスボス(先生)を倒す(説得する)必要がある。
アマテラスのほんとうの戦いは、まだはじまったばかりだ!
3.THE FINAL 優勝者予想
「クラロワ日本一決定戦」ではTwitter連動プレゼントキャンペーン企画として「優勝者予想」が毎月おこなわれていた。THE FINAL決勝大会のライブ配信で発表された途中経過はこの通り。
みかん坊やが2位に3倍差をつけ圧倒的な票を集めた。実力上等、実績十分、なのになぜか大舞台と縁のなかった人気者が遂にひのき舞台に立つ日が来たのだ。そりゃあ、活躍を予想し期待するのが人情というものである。
4.2017年を盛り上げた選手たちが観客席に集う
THE FINAL決勝大会は今大会初めて観覧席が設けられ、観客が集ったのだが、その中には今大会を熱く飾ってきた選手の姿もあった。ベタな演出だなあと分かっていながらも、彼らの笑顔と悔しさに(本当はこの席ではなくあの席に居たかったはず)、じーんとしてしまう単純な自分がいた。
▽5月大会優勝のけんつめし、6・7・8月大会3連覇のRADWIMPS
▽5月大会ベスト8で番組内インタビューにも登場したヤッシー
▽予選通算ポイントがRAD・けんつに次ぐ第3位だったアムロ
▽6月大会ベスト8で、リュウぽんの兄でもあることり
▽(番外編)おや、この白いパーカーを着た彼は当時15歳の・・・
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連載の最後に:「eスポーツ元年」前夜の熱を忘れない
2017年、それは「eスポーツ元年」が流行語大賞トップテンに入る1年前。
2017年、日本にクラロワのプロ選手は1人もいなかった。
2017年、世界にクラロワの公式プロリーグは存在しなかった。
ゲームにガチな若いプレイヤーたち、ゲームが市民権を得るために本気な大人たち、ゲームに疎くともそんな彼らをリスペクトし温かく支える各分野のプロフェッショナル。「eスポーツ元年」前夜の2017年、そんな様々な立場の人たちの真剣さが集まったおかげで、僕らはこれほどの大きな”夢”を見せてもらうことができた。
誰も彼もまぶしく見えたし、3年経って振り返ってみてもやはり輝いて見える。かかわった人すべての”青春”がそこにあったと言っては言い過ぎか?
現在2020年、あいかわらず「eスポーツはスポーツなのか」的不毛な議論も尽きないが、「eスポーツ」という言葉を聞いたことのない人は少なくなった。選手として、裏方として、ファンとして。目指すところや関わり方は人それぞれでも、eスポーツを楽しんだり、生きがいにしたりする人の輪は広がっている。
しかし、「eスポーツ」というおしりに殻のついたヒヨコがこの先、金の卵を産む鶏に育つのか、それとも、フライドチキンとなって人々の胃袋に収まってしまうのかは、まだ誰にも分からない。僕はその分かれ道のヒントになるのは、”感謝”、そして”リスペクト”だとかんがえている。
社会に認められ、関わる人が増え、夢がふくらみ、欲望が加速し、見る側の目が肥えていくのは基本的には歓迎すべきことだ。ただし、先人への感謝、縁の下の力持ちたる人々へのリスペクトの気持ちを忘れてしまっては、きっと道を間違える。
忘れないようにしたいし、忘れてもらいたくないし、知らないなら知ってほしい。
この連載企画がその一助になれればと思う。
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Next...
2017年クラロワ界の一大イベント「日本一決定戦」のふりかえり連載も、これにて完結。
このあとフチとアマテラスの2人が日本代表として「世界一決定戦」に挑んだ顛末や、世界中のライバルたちが各国の予選をどう戦ってきたのかなど、語れていない語りたいドラマはまだまだたくさんあるのだけれど、”それはまた別のお話”。いずれ機会があったらということで。
間延びした連載になってしまった点は、まことに恐縮です(当初の予定では、CRLのオフ期間中の4月に終えるはずでした・・・)。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!(2020年6月・記)■
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