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居酒屋のあと二次会として本屋に行く

居酒屋で酒を飲んだ後は本屋に行きたくなる。
酔った心地であてどなく本を見るのが楽しいのだ。
二次会で居酒屋に行くよりも、よほど健康的で文化的で、ついでにお金もかからない(けっきょく何冊かは買うのだが)
このnoteは、そんな「二次会としての本屋」のススメである。

まず時間帯なのだが、おすすめは昼飲みだ。
というのも、本屋は閉まるのが早い。
この資本主義社会において、17時に店を閉めるというスタンスをつらぬくのは立派なことである。
その姿勢を尊重し、お昼から飲める店で一次会をキメよう。

もちろん、居酒屋の店選びも重要である。
いくら前座だからって、ここがよくないと本屋どころではなく家に帰りたくなってしまう。
ただ、昼から飲める店となると、想像以上に選択肢が少ない。
そんな中、私がよく行くのは串カツ屋である。
なぜか串カツ屋の「昼から飲める率」は異常に高く、どこの町にもだいたい昼から飲める串カツ屋がある。
そんな串カツ屋は、安くてうまく、一人でも入りやすい。
ビールを頼み、串カツにソースを浸しながら、この後の二次会に思いをはせよう。

ただ、気持ちが高ぶりすぎて、何杯も飲んではいけない。
べろべろになってしまったら、本屋からは迷惑がられるし、何しろ文字が頭に入らなくなってしまう。
はやる気持ちをおさえつつ、瓶ビール一本をサッと飲むのが大人の作法である。

ここまで読んでもらってわかるように、二次会で本屋に行くときは一人で飲むのがベストである。
酒の量を調節しやすいし、二次会の本屋のことを夢想しながら酒を飲むのが醍醐味だからである。
それでも友達と飲みたい場合は、人数は2,3人にし、事前に二次会で本屋に行きたい旨を伝えておこう。
なにしろ、私は過去に「酒を飲んだ後に本屋に行きたいという気持ちがわからない」と言われ、泣く泣く鳥貴族に行った経験がある。

さて、軽い酔い心地でいい気分になったところで、いよいよ本屋に行こう。
小さな古本屋などだと酔い客は嫌がられることもあるので、ある程度広い新刊書店やブックオフが気兼ねなく過ごせておすすめである。

いつもの本屋でも酔い心地で棚の間を歩くと、なんだかワクワクする。
「そうそう、この本がいいんだよな」と好きな棚を眺めたり、酔いに任せていつもは見ない棚を見たり。
一冊一冊の物語が無数に詰まっている棚を見ていると、この夜(昼飲みだったら夕方くらい)が無限に広がっていくみたいでとてもいい気分になる。
お酒を飲むと財布のひもがゆるみ、見ている間に本が手元にたまっていくのだが、それもまた醍醐味。
「まあ、居酒屋に行くより安上がりか」と、ドーンと買ってしまいましょう。

ケチケチせずに本を買い、さらに気分がよくなったところで三次会。
コンビニで軽いつまみとビールを買って、いそいそと家に帰る。
そうして窓を開けて夜風とともにラジオを流しながら、本屋で買った戦利品をつまみに酒を飲む。
買ってきた本を本棚にさしてニヤニヤしたり、ゆっくりと読みながらお酒を飲んだり。
家に帰ったらこっちのもんで、べろべろになってもかまわない。
そうして夢なのか現実なのかわからなくなったところで、心地のよい気持ちでで眠りにつく。

こんな休日でいいんじゃないだろうか。

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