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【No.12】読書レビュー「市場サイクルを極める」

おつかれさまです。
かぶねこです。

今回のレビューはこちら。


✅ 本の紹介

続編らしいので前編も紹介。

サイクルとは繰り返し起こる事象を指す言葉だけど、日々不規則に動く株式市場にもサイクルは存在する。

優れた投資家はサイクルを察知する感覚を持ち合わせているらしい。

本書は市場サイクルの性質、それから景気や信用、不動産といった各種サイクルなど、市場サイクルというものを一から理解できる本というわけだ。

サイクルを察知する感覚は、才能…もあるかもしれないが、後から身に着けることができるものだと個人的には思う。というか思いたい。

この本、投資をはじめる最初に読むべきな気もするし、一方で、今だから理解できる部分もある。

その時は理解できなくても、他で得た知識や経験によって、ふと気づいたり捉え方が変わったりして、かぶねこ自身もいまさら学びの面白さを味わっている。


✅ レビュー

市場が複雑なのは間違いない。ただこれを読んで個人的には、市場の動きはほぼすべて心理に起因する、という認識に変わりつつある。

さておき、ハワード氏いわく市場の価格を左右するのは主にファンダメンタルズ心理だそうだ。

というのも本来、投資家とは客観的に合理的な分析に基づいた行動を取るはずなのに、実態は投資家が合理的な行動を取るのは例外的らしい。

確かにPERが高過ぎてもさらに上昇したり、好決算でも下落したり、ファンダメンタルズとはずれた動きがゆえに損をすることが多々ある。

これは単なる分析不足というのみではなく、市場からの業績の捉え方・心理と自身の感覚のギャップに原因があるのかもしれない。

そもそも皆が冷静な分析のみに基づけば大きく価格は変動することはないのに、期待や悲観の心理が入り込むから浮き沈みが大きくなる。

だからこそ利益を得たり、損をする人がいるわけで。感情が左右するのだから、頭の良し悪しが投資成績に比例しないのも納得だろう。

また、心理や感情がファンダメンタルズの変化を誇張しているそうだ。だからこそ業績のみではなく市場参加者がどのような心理状態か察知する力は必要であり、それに役立つのがサイクルの考え方なのだと思った。

話は飛んで、ハワード氏は、信用サイクルの重要性にも触れていたが、これは以前見た『30分で判る経済の仕組み』も同様の話だと気づいた。

投資にかかわる年月が長くなるにつれて、私は信用サイクルというものの影響力をますます強く感じている。景気がわずかに変動しただけで、利用可能な信用の規模は大幅に変動し、資産価格や、原因となった景気そのものに多大な影響を及ぼす。

というわけで、まとめ。

市場は人がいてこそ成り立つが、それゆえ人の感情などの性質も大きく反映する。

例えば、人間っていうのは忘れっぽい。「忘れる」という機能は精神を守るための仕組みでもあるそうだが、人間の本質的部分だ。

だからこそ、史実では知っていても何度もバブルに浮かされては弾けてきたり繰り返す生き物なのだ。

他にも、例えば、個人的にも楽観的な気分のときは何をやっても楽しくて多少のことは気にならない。
一方、悲観的なときは良いことを見つけるのが難しいし、ちょっとしたミスでひどく落ち込む。
これも人間の性だ。

結局、投資家の集合体で形成される市場も似たようなもの。
誰だったか、株価がどちらに動くかは相場の気分次第と話していたが、ニュアンスとしてはぴったりな言葉だ。

市場が大きい人間だと思うと、ちょっと面白く思えてきたり。

と、これがサイクルの肝だと思った。


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