フォロワー数に振り回されないビジネス特化型X運用の教科書──関直也
140字のテキストさえあれば投稿できる手軽さから、SNS集客の第一歩として選ばれやすいX(Twitter)。
InstagramやTikTokなどと比較すると、収益化を目的とした運用の歴史も長く、数々のビジネスインフルエンサーによって蓄積されてきたノウハウが、X運用の基礎として語り継がれています。
しかし、SNSのなかでも特に変化の激しいXは、情報の流行り廃りも早く、かつては有効とされていたテクニックが、今では逆効果になることも少なくありません。
そんなXの運用方法を、実践を通して学ぶことができるのが「X実践会」です。講師を務めるのは、フォロワー数9.3万人を誇る「北原孝彦」アカウントの監修者・関直也さんです。
関さんは約3年間に渡って北原孝彦アカウントの運用に携わり、ただフォロワーを増やすのではなくお客さまやファンを増やすX運用を極めてきたひとり。
そんな関さんが、これからX初心者にとっての新しい教科書になるよう、アカウント初期構築のポイントを教えてくれました。
講師情報
2016年 美容室開業
2017年 美容室DearsFC加盟
2018年 Dears運営メンバー加入
2021年 北原孝彦Twitter(現X)アカウントX監修開始
2022年 Twitter(現X)運用代行プロダクト開始
2023年 Frillnature責任者就任
2024年 自身もFrillnatureFCに3店舗加盟
1,000フォロワー以下でもマネタイズはできる!
はじめに、X運用にあたっての大切な心構えからお話します。
一度でも「Xに挑戦しよう」と思ったことがあれば、
収益化にはフォロワー数が必要
バズるような投稿を狙うのが効果的
初期はとにかく発信量で勝負
注目を集めるには時事ネタが有効
コメントまわりで露出を増やすといい
といったノウハウやテクニックを耳にしたことがあるでしょう。
しかし、これらは正解でもあり不正解。
ビジネス(集客・求人など)を目的としたX運用においては、一般的な「アカウントの伸ばし方」とは違う視点と切り口で運用しなくてはなりません。
はじめに知っておいて欲しいことは、「販売力のある投稿」と「フォロワーを増やす投稿」は分けて考える必要があり、ビジネスを目的とした運用において追うべきは「販売力のある投稿」だということです。
時事ネタを絡めた発信は確かに拡散性も話題性もありますし、その時々のアルゴリズムを攻略し続ければ確実にフォロワーもインプレッションも伸びるでしょう。
しかし、それによって発信軸がブレたり、権威性を失ってしまっては元も子もありません。
フォロワーは多いのにマネタイズできないアカウントになってしまう前に、数百フォロワーでも濃いファンとお客さまで賑わうアカウントを運用するための考え方をセットしてください。
フォローにつながるプロフィールに必要な5つの要素
X運用の第一歩はプロフィール作成です。
Xは仕様上、プロフィールにアクセスしないと「フォロー」が出来ないため、プロフィールの内容がフォローされるかどうかの重要な判断材料になります。
ターゲットからのフォローを得られるアカウントを育てるために、次の5つの要素を抑えたプロフィールを作り込みましょう。
❶有益性
あなたの商品が提供できる価値や、あなたの商品によって解消できる市場のマイナスの感情を必ず入れてください。
まだ定まらない場合は、あなたが提供できる知識は何か(あなたをフォローすることでどんな知識を得ることができるのか)でもかまいません。
❷実績
あなたが成し遂げてきたことを書きましょう。ターゲットにとって「すごい」と映るようなものを数字で入れるのがベストです。
難しい場合は、あなたがこれまでに時間をかけてきたこと(ターゲットよりも先生でいられるもの、権威性を発揮できるもの)を盛り込みましょう。
❸自己開示
ターゲットの共感と憧れを生むようなストーリーを自己開示しましょう。
❹現在の活動
あなたの発信から商品に興味を持ってくれた人に、現在の活動(どうすれば商品に触れられるのか)を添えましょう。
❺商品・サービスへの導線
さらに、商品・サービスの窓口へ迷いなくたどりつけるよう、受け皿を用意し、誘導しましょう(例:HP・LP・公式LINE)
ここまでで出てきた5つの要素を組み合わせるとプロフィールが完成します。まだ権威性や認知のとれていないアカウント構築初期段階では、「有益性」「実績」を強調して「何者か?」と興味付けできるように構成してみてください。
信頼と実績を積み上げる!「バズ」を狙わない投稿5パターン
それではいよいよ投稿です。
ポスト(ツイート)の作り方には、その時々の流行のノウハウや伸びやすい構文などがありますが、あくまでトッピングのようなもの。
収益化を目的としたX運用においては、バズらせることよりも、お客さまとの信頼関係構築が優先です。
お客さまに「この人は信頼できそうだな」「この人の商品なら悩みが解決しそうだな」と思っていただくアカウントを育てるために、次の5パターンの投稿を守るようにしてください。
❶お役立ちコンテンツ
文字通り、フォロワーの「役に立つ」コンテンツを発信しましょう。つまり、ノウハウの提供です。僕はノウハウを「市場の負の感情(「いやだ」「苦しい」「つらい」など)を解決するもの」と定義しています。
のように、自身の専門性で解決できる負の感情から、コンテンツを生み出しましょう。
うまく思いつかない場合は、すでに世の中にある情報をまとめることからはじめましょう。
など、「調べるのがめんどくさい」という負の感情の解決策も十分に価値のあるコンテンツになります。
❷実績提示コンテンツ
「この人の商品(情報)なら間違いない」という安心と信頼につながる実績を取り入れましょう。「1年で〇店舗出店」「1年で〇〇kgダイエット」のように、具体的な数字を入れるとより信憑性が増します。
また、ビフォーアフターがビジュアルで分かりやすいもの(美容系・リフォーム系など)は、画像や写真を用いた実績の見せ方も効果的です。テキストに比べ情報量が多いだけでなく、視認性も高いため、無数のポストが連なるフィードの中で目立たせることもできます。
❸自己開示コンテンツ
有益なコンテンツに偏ると、あなたへの憧れが強くなるため、フォロワーとの間に心の距離が生まれることがあります。
フォロワーにとって「自分が関わってもいい人」と思える距離まで近づけなければ、その先の「商品を買う」の距離感に縮まることはありません。
そこで、あえて自分の欠点や失敗談を晒しながら、意図的に親近感を作りましょう。北原孝彦アカウントでは、「5教科150点以下の底辺の学歴」「初任給8万円の金なし」「100円を稼ぐまでに3年かかった」といったエピソードを織り交ぜながら、親しみをもってもらえるようにしています。
さらに、その対比として今の実績が光るため、お役立ちコンテンツや実績提示コンテンツへの興味付けにもつながります。
❹セールスコンテンツ
セールスコンテンツとは、フォロワーの「欲しい」を刺激し、購買につなげる投稿のことです。自身の商品がどのようにお客さまの悩みを解決するのか、つまり「お客さまの変化」「お客さまの声」を見せましょう。
このような投稿は、決してバズることはありませんし、他の投稿と比較しても反応は著しく取りにくい傾向にあります。
しかし、購買につなげるには欠かせないコンテンツのため、絶対に止めないようにしてください。
❺行動導線上コンテンツ
あなたの日々の挑戦の中で自然と発生するものもコンテンツになります。活動の裏側・商品を提供している様子・お客さまのお声などですね。
これらは、あなたにしか発信できない「一次情報」であり、それだけで希少性があります。
北原孝彦アカウントでも、セミナー開催時には必ずその模様をリアルタイムに発信するなど、「今このアカウントでしか見られない情報」を欠かさないようにしています。
「なう」の文化があるXとも非常に親和性が高く、フォロワーの関心も集まりやすいです。
さあ次のステップへ
ここまで、プロフィール作成・5つの投稿パターンについてお伝えしました。ここまで抑えていただければ、X運用の第一歩は踏み出せるはずです。
しかし、残念ながら、集客効果を感じられるほどのアカウントに育つまでには時間がかかりますし、ただ投稿しているだけではお客さまが増えることはありません。
一方的な発信だけでなく、積極的にコメントでコミュニケーションをとりながら、自らの手で露出を増やしていく活動や、Xで集まったユーザーを誘導する次の受け皿も用意しておくことも必要です(ファネル構築)。
引き続き、この実践会では、公式LINEを組み合わせたファネル構築の方法、一気に認知拡大をはかるキャンペーンの作り方などもお伝えしていきます。
やることが多く感じられるかもしれませんが、ひとつひとつはシンプルであり、難しいことではありません。
実践会では、次のアクションが明確になるチェックシートを用意してお渡ししています。
ひとつひとつ取り組めば、必ず乗り越えられますので、僕と一緒にクリアしていきましょう。
▼YouTubeでも取り上げました▼
執筆:今村ゆり(株式会社 北原孝彦・広報)
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