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【C-014】なぜオリジナルキャラクターでのマーケティングが狙い目なのか?

【内容構成】
■一般的なキャラクタービジネスは、ハイリスク、ハイリターン
■キャラクターで楽しくブランディング
■ブランディングのためのキャラクター
■順番が大事
■まずは、何を伝えるのか、を考えることが先決です
■デザインを検討する
■デザイナーを尊重する
■キャラクターのデザイン・設定
■デザインも大事ですが、キャラクターの設定も重要です
■ランニングコストがかかる
■キャラクターの発信方法

■一般的なキャラクタービジネスは、ハイリスク、ハイリターン

「キャラクター」と聞いて、多くの方は人気キャラクターを用いたキャラクタービジネスを思い浮かべると思います。人気キャラクターがついた商品が、飛ぶように売れていく、あのイメージです。まぁ、これが一般的なイメージでしょう。しかし、現実にはこのビジネスのプレイヤーに簡単になることは出来ません。
例えば、漫画誌で連載されている漫画が人気上昇に伴って、テレビアニメ化されて大ヒット、みたいな王道パターンがありますが、ここに関わるにはどうすればよいでしょうか?
普通は、この作品の版権を管理している会社に商品化やプロモーション使用の申請をします。しかし世の中で‘ヒット’した状況になってから申請しても、もはや遅いでしょう。
このパターンの場合は、テレビアニメ化される時点で、プレイヤーはほぼ決まります。漫画の場合は、その出版社が中心となり、付き合いのある企業へ水面下で提案されます。したがって、日頃から「付き合いのある」会社でなければ、最初の輪に加わることは難しいわけです。一見さんにはハードルが高い世界なのです。

参加を決めた会社は、テレビアニメの放送開始に間に合うように商品化を進めます。思惑通りに人気が出て商品が売れるかどうかもわからない状況で進めるわけです。ここはその会社にとってはリスクになりますが、「付き合いのある会社」は運命共同体でもあるので、仕方がありません。キャラクターは、当たりはずれのある世界なので、結果として大コケということもありますし、その逆で大儲けすることもあります。
「付き合いのある会社」は、前記のような良い時も悪い時も共有することになるので、結果として付き合いがより深くなり、「次の案件」につながります。それを繰り返し常に「鉱脈」を掘り続けるのです。
何と言っても、人気キャラクターは即効性が違います。すでに広く知られているので、プロモーションなどで活用するとすぐに効果を発揮します。しかし、ヒットした後は、人気タレントと一緒で契約料金が高くなるのが世の常です。ここで動けるのは、大きな宣伝予算がある一部の大手企業に限られます。
「漫画が人気になる」というのは、本当に大変なことです。読者の人気を獲得することは、歴代の編集者による様々なノウハウの結果です。これはお金には換算出来ない資産ですし、語られることのないことです。こういった色々な努力の結果でもあるので、人気キャラクターには、是非がっぽり儲けていただき、我々をもっと楽しませて欲しいと思います。
人気キャラクターが世の中を席捲する一方で、「特に人気がなくても、知られてなくてOK」というキャラクタービジネスも存在しています。私が推しているのが、こちらのキャラクタービジネスです。その背景などは、noteに書いていますので、そちらに任せます。

■キャラクターで楽しくブランディング

さて、これから説明するキャラクタービジネスは、人気キャラクターでのそれとは全くことなるものです。キャラクターを使ったマーケティングおよびブランディングの手法と言った方がいいかも知れません。この考え方を理解出来れば、現在のあなたのビジネスのプラスの武器になると思います。
販促ツールを提案して納品している印刷会社、WEBサイトのデザインを提案し、制作している会社、はたまた中小企業に対して経営コンサルティングをしている方などは、プラスの提案に持ってこいだと思います。

■ブランディングのためのキャラクター

モノの品質に差がない時は「ブランド」がものを言います。ほぼ同じ商品が2つ並んでいます。片方は商品名(や会社名)が有名で、もう一方はほとんど知られていないとします。どちらが売れる(手に取られる)確率が高いでしょうか?これは、ブランドを説明する際の例題として語られるものです。手に取られた方は、ブランディングがしっかりと行われており、もう一方は、そうではなかったと説明されます。
ブランディングは、ユーザーの意識の中にブランドを刷り込む作業です。そのために、ブランド管理のルールに基づいた様々な施策を行い、時間をかけてしっかりと価値を築き上げていきます。こうして得られたブランドという価値に人々はお金を払います。したがって、企業はブランドという価値を作り上げることが大切になるのです。
ブランディングのひとつの手法としてキャラクターを活用することは有効です。もちろん、ブランドのルールに沿って行わなければなりませんが、キャラクターを使うことで、時に柔らかく、時に楽しく、分かりやすく商品やサービスの内容を伝えることができます。キャラクターと一緒にブランドを認知、理解してもらえます。
会社や商品の代弁者としてキャラクターをもっと活用することで、ユーザーに共感してもらう機会を多く作り、距離を縮めるコミュニケーションツールとなります。
SNSは、企業がユーザーとコミュニケーションをとるツールとしてますますその重要度を増しています。SNSでのキャラクター活用はわかりやすい事例かと思います。
また、SNSでの情報発信は、外部に作業を依頼することも、確認を取る必要もないので、リモートワークに向いている業務です。社内の運用ルールに沿っていれば、担当者は場所を選ばす仕事が出来ます。

■順番が大事

キャラクターを作るというと、どうしてもデザインから入り勝ちですが、この順番は良くないと思います。

■まずは、何を伝えるのか、を考えることが先決です

会社のPRなのか、商品の宣伝なのか、ユーザーに伝えたいことはたくさんあると思います。伝えたいことを整理して、さらに掘り下げていくと、それはブランディングになります。良い部分は積極的に発信し、マイナス要素があれば改善すれば良いわけです。じっくり考えることで、いつまでやるべきか、など先々のこともイメージ出来るようになります。
一時期、全国各地にキャラクターが溢れました。これらの大半は「隣の芝生が青く見えてしまった」ばかりに、勢いで誕生したキャラクターと言っても過言ではないでしょう。いわゆる‘カタチ’から入ってしまったわけです。
中でも自治体公認のキャラクターの多くは「ゆるキャラ」と呼ばれ、‘ゆるキャラグランプリ’なるイベントに参加していました。「ゆるキャラ」の名付け親であるみうらじゅんさんの著書には、初めて地方でゆるキャラを認識した際の衝撃がつづられています。文脈からは「ゆるキャラ」は決して褒められた表現ではなく、少々小馬鹿にしたものだと受け取ることが出来ます。デザインもさることながら、何の戦略もなく、ノリで着ぐるみまで作ってしまった‘ゆるさ’までをトータルした時、それは‘ゆるキャラ’と名付けられたのです。ストレートにダサいと言わないところが、みうらさんのセンスなのです。話しはそれましたが、何の考えもなくキャラクターを作ってしまうと、こんな末路が待っていますよ、という一つの事例です。(中には全く‘ゆるくない’プロが関与しているキャラクターもいます)
何は無くとも、キャラクターのデザインの前にじっくりと考えることが必要なのです。担当者が考えれば、自分の会社のため、自分の仕事として取り組むことになります。クライアントに提案する際は、クライアントのことを徹底的に考えてまとめることになります。提案されたクライアントにもその熱意はキチンと伝わり喜んでもらえるはずです。採用されればプラスの売上になります。

■デザインを検討する

キャラクターをどのように活用するかが整理出来たら、キャラクターの姿カタチを考えます。あなたがデザイナーであれば描いて提案するのが早いですが、そうでない方も大勢いると思います。そういう方は、デザイナーと提携しましょう。知り合いに声をかける、紹介してもらうなどデザイナーとのネットワークを広げるのです。それぞれの作風を理解して、提案に合わせて仕事をするわけです。ただし、絵が上手なのと、キャラクターが描けるというのは別のことと理解した方が良いです。また、デザインの仕事をされていれば、ほぼ使えると思いますが、Adobeのソフト「illustrator」が使えることは必須条件です。

■デザイナーを尊重する

一緒に仕事をするデザイナーが有名でも無名でも、全力でデザイナーを立てましょう。絵が描けるって、やはりスゴイことですから。採用されたキャラクターのコピーライト(©の表記)には、クライアントのそれと併記して必ずデザイナーのコピーライトも表記されるように最初に提案することが重要です。キャラクターの権利は、クライアントとデザイナーの「共同著作」とするのです。いわゆる「買取り」にするとデザイナーのモチベーションは下がります。(有名な方からは拒否されます)特に気にされない方もいますが、本来は気にした方がよいことです。契約書でキャラクターの独占使用の旨を明記しておけば、事実上クライアントのオリジナルのキャラクターになるので、使い勝手の面では買取りと何ら変わらなくなります。
キャラクターは、露出と時間の掛け算によって認知が上がっていきます。最初は誰も知らないキャラクターでも、時間が経つと‘知っている’に変わってきます。認知が上がっていくと、キャラクターが独り立ちする瞬間が来ます。それは、外部から「キャラクターを使わせて欲しい」と商品化などのオファーが来ることです。その際は、キャラクターを「外部にライセンスアウト」することになります。商品化の場合は、その対価として商品化ロイヤリティを得ることが出来ます。契約書には、この部分の記載もし、デザイナー側(あなた含む)にもロイヤリティの一部が入るようにしておきましょう。

■キャラクターのデザイン・設定

キャラクターと言っても、モチーフや作風などかなり幅があります。ここは、伝えたい内容(会社や商品含め)からイメージしていきます。伝える相手(ターゲット)も意識しなければいけません。ターゲットを明確にすることで、さらに方向が見えるはずです。
あるデザイナーからの話しですが、キャラクターはわかりやすいモチーフの方が良いそうです。犬、猫、クマ、みたいな感じです。全く知らないものよりは、馴染みやすく、受け入れられやすいからだそうです。そういえば、著名なキャラクターも動物モチーフが多いですよね。
「立体化を意識したイラスト」というのも何気に大事です。これは将来的に着ぐるみなど、立体化する際に効いてきます。イラストだと可愛いけど、ぬいぐるみが作れない、みたいなことにならならいように予め意識しておくと良いです。イラストの発注の際のポイントです。

■デザインも大事ですが、キャラクターの設定も重要です

例えば、身長、体重、年齢、好きな食べ物など、キャラクターに必要と思われる(あると楽しくなる)情報を考え、準備することも大切です。実際に使うか否かは別にして、色々と考えて決めておくと、SNSでの発信する際のネタに使えたりするので重宝します。ダジャレ的であったり、ゴロ合わせ的なものだったり、遊び心満載の方が楽しいと思います。

■ランニングコストがかかる

キャラクター制作時に勘違いされていることに「ずっとお金がかかる」ということがあります。ここの認識のズレで揉めることが多々あります。キャラクターは、可愛らしいイラストが1枚あったところで、何も起こりません。ポーズ違いや服装違いのイラストがたくさんあってこそ活きてきます。そういう意味で、すっとお金がかかるのです。
著名なキャラクターたちは、ずっと投資をし続けているからこそ、長く人気があるのです。
長くキャラクター展開出来れば、その間のランニングコストがプラスの売上として見込めるようになり、提案側には利点となります。
ただし、投資をしたら回収しなければならないので、常に「結果」は意識し続けなければなりません。グッズを販売して売上を上げることが出来ればわかりやすいですが、そう簡単にはいきません。SNSなどでの‘数字’も結果のひとつとして、しっかりと追いかけましょう。

■キャラクターの発信方法

キャラクターが決定したら、いよいよ運用スタートです。
予算をかけて大々的に宣伝する、なんてことが出来る会社であれば特に止めるつもりはありませんが(笑)、まぁ現実的ではありませんよね。オリジナルのキャラクターで認知がほとんどないので、コツコツと情報を出すことが適当かと思います。今であれば、SNSで伝えたい情報を発信し、フォロワー数を増やし、‘いいね’を獲得することがわかりやすい‘結果’でしょう。
SNSでの発信をベースにするのであれば、カレンダーに合わせた内容で発信するとスムーズになります。#(ハッシュタグ)も、その時々のトレンドを反映しているので、投稿文のヒントになります。文字だけより写真(イラスト)を一緒に投稿するほうが、目にとまりやすいので、色々と工夫すると楽しいです。ぬいぐるみにしやすいキャラクターであれば、1つ試作で作り、それを写真に撮って投稿するのも面白いと思います。他の投稿に参考になる演出方法がありますので、チェックすることも大事です。
SNSに偏った紹介でしたが、キャラクターの使用シーンはその会社によって様々です。そもそも会社のWEBサイトだけで使う、という場合もあるでしょうし、商品パッケージにも使い、商品の宣伝全てに使う、みたいなこともあるでしょう。運用の仕方は色々あると思いますが、「何を誰にどのように伝えるか」という根本がブレていなければ、情報伝達の手段としてのキャラクターは有益です。

私は以前20年以上玩具メーカーに勤務していました。玩具のマーケティングや自社ブランドの管理、もちろんキャラクタービジネスにも様々に関わりました。その経験を活かして、現在は、キャラクターマーケティングコンサルタントを名乗り、キャラクターを活用したマーケティング、ブランディングのお手伝いをさせていただいています。

キャラクターを活用して、楽しくマーケティングしましょう!!

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