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ひとりよがりエッセイ

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ひとりよがりな話をしています。
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2022年1月の記事一覧

【エッセイ】かもしれない歩行

【エッセイ】かもしれない歩行

駅のホームでやるクセがある。順番待ちをしている時に、軽く斜めを向き、電車の進行方向と逆の足に力を入れ、もう片方は力を抜く。そして背後に注意を向ける。
「万が一後ろから押してくる人がいた場合に、線路に落とされない立ち方」らしい。ツイッターかなにかで見て以来、クセとして身に付いた。転落防止の柵がある駅ならしなくて済むのだが、柵のない駅では気をつけるようにしている。
幸い私は意図的に押されたことはないが

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【エッセイ】好きの温度

【エッセイ】好きの温度

それなりに漫画を嗜んでいる方だと自負している。
小学生の頃は学年誌、コロコロ、ちゃおと3種の雑誌を読んで育ち、週刊少年ジャンプは中高校生ぐらいから今まで読み続けている。
今までに読んだ漫画本のタイトルだけで千本は行くだろうか。パンの枚数の如く、いちいち数えるようなものでもない。

しかしどれほど多くの作品を読んできても、大好きだ、と胸を張って言える作品は数えるほどだ。
好きか嫌いかで言えば間違いな

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【エッセイ】よりどりゆずみどり

【エッセイ】よりどりゆずみどり

ゆず胡椒が好きになれない。

誤解されたくないのは「ゆずが嫌い」ではない、ということだ。
ゆずは好きだ。爽やかな香りがいいし、ゆず湯に入るのも好きだ。一目でかんきつ類とわかるフォルムもカワイイ。かんきつ類は基本かわいい。

しかし食べることになると話は別だ。
ゆず胡椒やラーメンのトッピング、ゆずジュースなど、食に関わってくるとどうしても好きになれない。食べられないわけではないが、少なくとも積極的に

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【エッセイ】焼き芋は皮まで食べてこそ

【エッセイ】焼き芋は皮まで食べてこそ

私は焼き芋が好きだ。大好きだ。
もっと言うならサツマイモが好きなのである。
芋けんぴも好きだし、煮物も好きだ。煮ても焼いても揚げても美味い、そんなサツマイモが大好きだ。

しかし焼き芋について、以前衝撃を受けることがあった。
コロナになる前のことだ。会社の近くを石焼き芋の販売車が通った。お馴染みの文句を謳いながら近づいてくるのを感じ取った会社の先輩が「ちょっと買ってくる!!」と勢いよく飛び出してい

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【エッセイ】嫌い嫌いが好きとなる

【エッセイ】嫌い嫌いが好きとなる

昨日はスカートが嫌いだったが履いてみてその良さを知り、好きになった話を書いた。
誤解なきよう書いておくと、私は全人類スカートを好きになれ、そして履けなどと言うつもりは毛頭ない。履く気のない人も、履いてみたら好きになる可能性はあると思うが、履きたくない人に無理強いする気はない。そんなん自分がされたら嫌だ。

それはそうと、嫌いなものがいつの間にか好きになっていた経験は他にもある。
その一つが食パンの

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【エッセイ】スカートが嫌いだった

【エッセイ】スカートが嫌いだった

高校生ぐらいまでスカートが嫌いだった。今では自主的にファッションに取り入れているので、価値観の変化を感じている。

以前、幼馴染みと話していた時のこと。
「幼稚園の頃のかび丸さんは、いつもズボンを履いていたよね」と言われたことで思い出したのだが、子供の時分は毎日ズボン派だった。(「パンツスタイル」ならばまだしも、パンツ単体だと下着の方が想起される人間なのでズボンと呼ぶ)

幼稚園の服装は、上がスモ

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【エッセイ】音楽は肌で聴く

【エッセイ】音楽は肌で聴く

先日、初めてLUNA SEAのライブに行った。音楽ライブに行くのはコロナ禍になってから初めてだ。久しぶりのライブは沁みた。
CDを借りて予習もしていたが、会場で聴くのは全然違った。終わってからも、思い出しては(よかったな……)と何度も浸っている。

ライブで改めて思ったのは、音楽は聴覚だけじゃないことだ。
私は肌で聴くことこそがライブの醍醐味だと思う。ライブやコンサートの会場で生演奏の音楽を聴くと

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