八百屋というエンタメ

近所に大きな八百屋を見つけた。爆安の。
最高だ。それだけでこの街に引っ越してきてよかった。
野菜が大好き。年をとるほどに好きになる。

初めて扱う野菜を料理することは趣味に入ると思う。
スーパーに比べて安く、季節ごとの珍しい野菜がある
八百屋はエンターテイメントに溢れている。


店に入るとすぐ、たかぎなおこさんのエッセイ漫画を読んでからずっと食べて見たかった穂紫蘇を見つけた。
一パック80円。お試しにはちょうどいい。
迷わずカゴへ入れた。
あとはサラダ用のレタスとベビーリーフを買った。
ベビーリーフは2パックで80円…。
一生着いていきます。愛している。
他にもほうれん草や小松菜などの葉物野菜がとにかく安かったが、まだうちの冷蔵庫には大きな白菜が残っているので、それを片付けたらまた買いに来ることにした。

レジを終えると、横の段ボールに
「お会計を済ませた方お持ち帰りください」
という札がかけられている。
中にはスペアミントと蕗が入っていた。
こんなことがあっていいのか。どちらも大好き…。
しかし、蕗はこの前派遣先の近くで見つけた八百屋さんで80円で買い、下処理を済ませたものが冷蔵庫に入っている。悔しい。
スペアミントだけ持ち帰らせてもらった。

穂紫蘇は味噌和えにしようか塩漬けにしようか迷った。両方試して見たかったが、量が少なめなのでひとまず塩漬けにして見た。

この茎についている穂を、ひとつひとつばらしていく。
気が遠くなりそうだけど、コツを掴めば一気にばらばらと取ることができるようになった。

これをさっと湯がいて、水気をしっかり拭き取ったら15%くらいの塩で合える。
瓶詰めにして保存が効くらしいけど、なかったのでジップロックにいれた。

漬けているあいだに他の野菜を処理。
せっかくなのでレジ横ミントをおいしくいただこうと思い、冷蔵庫に入っていた生姜でシロップを作った。
スライスした生姜に砂糖と蜂蜜をかけてしばらく置いておいて、生姜の水分が出たら鷹の爪を少し入れて煮たたせる。
炭酸水でこれを割ってミントを入れたら、おいしいミントジンジャエールになる。
あとはミントというとグッチ裕三さんのミントとリンゴのサラダが大好き。作りたいけど、リンゴ今の時期売ってないよなあ。

下処理しておいた蕗はごま油と出汁であまからく炒め煮にした。鷹の爪とゴマを振ってきんぴらみたいにする。お弁当に入れるためしっかり水分を飛ばすと味が濃くなるので、ひときれでご飯がめちゃくちゃ進む。

レタスは洗ってちぎって水気を切って、ベビーリーフと合わせて大きいタッパーに入れておく。こうしていつでもサラダを食べられるようにしておく。

食生活・酒生活では普段かなりやんちゃしているし、運動しないし、貯金もない私なのですが、
野菜を料理している時ってマジで正しく生きている感じがする。
その感覚が最高。自己肯定感を高められる。しかもこんなに安く、健康にも良い。
正しいことをしているぜ、と思いながらまな板を洗う。

このへんで塩漬けした穂紫蘇を食べてみた。
だいぶ塩辛いけど、塩漬けにする前より紫蘇の香りが強い気がする。食感もいいし、ご飯に混ぜたら絶対においしい。
明日のお弁当に入れよう。


今日はお昼が遅い時間で重たかったのと米ストックがなかったので、意を決してサラダだけの夕食にした。
(滅多にこんなことはありません)

洗ったレタスとベビーリーフ、湯がいた白菜と豚肉。
このマヨネーズ、キューピーの「燻製マヨネーズ」というやつ。Twitterで話題になってて買って見たんだけど、これがもうヤバいもん入ってるんじゃないかってくらいおいしい。これつけたゆで卵ひとつでビール2本は空けられるとおもう。

常備菜がいくつかできて安心する。こういう日に家ついていっていいですかの取材とか来ないかな。好感度爆上がりだな、と妄想しちゃう。

しかし、蕗とか穂紫蘇とかを喜んで食べるようになる未来が来るなんて本当に思っていなかった。
一生ダブルチーズバーガーとかじゃがりことか生クリームとかが好きだと思っていた。
マックのサイドメニューをサラダに変えるとかまじで苦行と思っていたけど、今は本気で生野菜がおいしいと思う。
レタス食べたくてベーコンレタスバーガー頼むからな。信じられない。


とにかく、好きなものを作って食べて、楽しかった。
明日はお昼を楽しみに、仕事頑張ろう。

箸忘れんなよ。

今日の一曲

縁／ヒグチアイ

これたぶんこの1週間で100回以上は聴いている。
大好きなドラマの主題歌で、この曲でヒグチアイさんを知って色々聴き始めたんだけど、
マジでヤバい。どの曲を聴いてもいい。こんなにどの曲を聴いてもいいことあるか？と本気で思う。
ものすごい勢いで今、彼女の曲をかたっぱしから聴いている。
野菜を料理しながらもずっと流していた。
誰かを好きになるこの感覚、すごく久しぶり。ワクワクする。楽しい。

どう好きでどう響くか、聴き込んでここに残すことがすごく楽しみ。
今はとりあえず、出会ったばかりの新鮮な想いに浸る。
知り始めの楽しさを味わい尽くすぞ。