映画『OLD』感想
──この映画は、私にとって傑作だった。
ごきげんよう。
作家活動を行っている卒塔葉しおです。
普段なら映画の感想はツイートで済ませるところですが、この映画は深く沁みたのでnoteに残すことにしました。
※この記事に映画『OLD』のネタバレは含まれません。
映画『OLD』は、2021年に公開されたスリラー映画だ。監督は『シックスセンス』でお馴染みのM・ナイト・シャマラン氏が担当した。
YouTubeで予告映像などを観たことがきっかけで息抜きにポチッと再生ボタンを押したのだ。
はじめは、
「世にも奇妙な物語の海外版だなぁ!ワクワク!」
といった軽い気持ちでいた。
が、物語が中盤を過ぎる頃には、真剣に観せられていた。
今となっては、魅せられていた、という表現が正しいと思う。(要は、監督の術中にまんまと取り込まれたわけであるが)
ミステリー要素や、あまりに非日常的な場面の連続も併さって、私は自分がどんな心境でこの映画を視聴すれば良いのか、分からなくなっていた。
恐らくどのような姿勢でこの映画を鑑賞すれば良いのかと、戸惑う者は少なくないだろう。
私の決め手は、クローズアップして映し出される会話や関わりだった。
物語のビーチ🏖では、人の一生がセミより早く終わる。
一生分の人間模様が、数分もしないうちに繰り広げられる。
それはまるで走馬灯のように。
そんな中で、極めてペースを落として会話に注目させるシーンがあった。
ネタバレはしたくないのでとある夫婦といっておくに留まる。
その夫婦が夜の海岸を眺め、会話するシーンに、この映画の美しさが詰まっていた。
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私生活の話になるが、最近はヤドカリを飼い始めた。
ヤドカリは脱皮期間に突入すると、砂に潜って脱皮が完了するまで姿を見せない。
二週間ぶりに地面に出てきたときには、「生きてくれてるだけでいい」と飼い主なりに感動したものだ。
このように、命への価値観が変化している時期に『OLD』と出会ったものだから、目頭が熱くなって仕方なかった。
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シャマラン監督の作品は、人生の尊さと儚さを思い出させてくれる。
私は後悔のない人生を送っているだろうか?
会いたい人に会っているだろうか。
あの人と腹を割って話しているだろうか……。
何事も、命あっての物種だ。
だからこそ、後悔はしたくない。
みんなも同じ気持ちのはずだ。
また時間が空いたら『OLD』を観直そうと思う。
したらば、一周目とは違った発見ができるだろうから。
一部では、駄作だと、面白くなかったと言われている映画『OLD』。
それでも私は、この映画を忘れやしないだろう。
忘れてはならないし、
忘れたくないと心が願っている。
今日も素晴らしい映画と出逢えた。
人々に感動を与える者になるためにも、明日も明後日もこれからも。
私は、作家・卒塔葉しおを生きよう。
卒塔葉しお
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