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43/カラフルな時代へ

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【記事のポイント】1971年にはテレビマンガのリメイクブームが起こりますが、それはかつて白黒番組だったものをカラー化する流行でした。また、1971年には、今日にまで綿々と続く『仮面ライダー』の1号ライダーが登場します。


第5章/2. 1971年とリメイクブーム


この年には、テレビマンガのリメイクブームが起こりました。
そのものズバリのタイトルが微笑ましい『帰ってきたウルトラマン』

あるいは『ゲゲゲの鬼太郎』『オバケのQ太郎』といった往年の人気アニメーションが、あらためて作り直されました。
さらに翌年には『月光仮面』『赤胴鈴之助』など、かつて実写で製作された番組もアニメーションで再制作されています。

とはいえ、ポストモダンを思わせるテレビマンガの本格的なリメイクブームはもう少し先の話。
この時点の製作意識は、まだまだモダンに染まったものでした。


というのも、ここでのリメイクのきっかけは、画像のカラー化だったからです。
『ウルトラマン』を除けば、これらの元番組はすべて白黒で製作されており、リメイクは技術の進歩に後押しされた陽気な流行でした。
意識の上では、依然としてモダンな進歩主義の延長線上にあったわけです。

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