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KILINワークショップLABO

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ワークデザイナーとして数々のワークショップの実施・運営に携わってきたキリンノツバサの、ワークショップにまつわる思考やテクニックの整理と体系化が目的のマガジン。 ワークショップに携…
運営しているクリエイター

記事一覧

Case.8 問いとは何か

ファシリテーターの重要な役割の1つに「問いを立てること」がある。 問いの立て方1つで、議論が進んだり停滞したり。 創造的な課題解決を生み出すこともあれば、同じところを堂々巡りしてしまうこともある。 問いの立て方やレベル感の設定は、進行に大きな影響を与えるものである。 問いは様々な分野で重要視されていて。立て方や課題設定については、いろんな書籍が出版されている。 では、そもそも「問い」とは何であるのか。 今回は「問い」そのものを問うてみたい。 ただ哲学的な思想にふ

Case.7 オンライン化っていうけれど

今回も新型コロナウィルスに発端した話題である。 幸か不幸か、このウィルスは様々な影響を社会にもたらしている。 そういう意味で、これまでの仕組みや制度、方法等では考えられなかった視点での対応や対策が必要になってきている。 我々の業界で言うならば「オンライン化」が大きく取り上げられている。 会議や打ち合わせが対面での機会が減り、講座やセミナーもどんどん中止や延期に伴うオンラン化が進んでいる。 社会的にオンライン化の波が進んでいるが、これまでと違うのは戦略に基づいた対応で

Case.6 今、何を発信するべきか

連日新型ウィルスに関しての報道がある。 SNSが発達した現在、情報を得やすくなった反面、本当の情報や情報の正誤が判断しにくくなっている。 情報を得やすくなったことが返って複雑性を上げ、判断を鈍らせている。 情報取得から情報の取捨選択の能力が問われる時代になった。 と同時に発信する側にも変化が求められている。 これまでも情報の波に埋もれたり、発信したことが届けたい人に届かなかったりといった観点から発信の仕方を語られることはあった。これらはどちらかと言うとマーケティング

Case.Extra 再開

みなさんご無沙汰しております。 年度末やら新型コロナウィルスの影響やらで約1ヶ月半更新が止まっておりましたが、今週(4月)から徐々に再開したいと思います。 日に日に新型ウィルスの影響が出てきております。 私含め、ワークショップを生業にされている方にも様々影響が出てきていることと思います。 しかしながらこの状況を悲観していても何も始まらないので、この状況だからできることがあると捉えていきたいと思います。 今だからこそ、このマガジンを再開することの意味はあると考えました

Case.5 パクるな盗め

先日友人が上げていた記事が気になった。 「どこまでがオリジナルで、どこからがパクリなのか」 ワークショップをやっていても度々遭遇するこの問題。 いや、もはや永遠の課題とも言ってもいい。 著作権や意匠権が規定されているものであれば、わかりやすいが、こと目に見えないものになるとその線引きは容易ではない。 ワークの改廃、成長とバリエーション...。 そんなことを考えると、どこまでが「オリジナル」なのか判断のしようもない。 また、オリジナルを主張し過ぎて、業界全体の成長

Case.4 ワークショップの質

様々なワークショップが世に出ている。 実際に参加すると「すごいな!」と思うワークショップもあれば、「あれはないな」と思うワークショップもある。 ワークショップが生業の1つとなっている身からするとさらに複雑で、「やってみたいな」と思うワークショップもあるし、「すごいけど自分にはできないな」と思うワークショップもある。 関わった人々のそんな想いの1つ1つが合わさって、ワークショップのクオリティになっているわけだが、そのクオリティを左右するものは一体何なのか。 ワークショッ

Case3.ワークショップの意義

いろんな場面で開催されているワークショップ。そのレベル感やバリエーションが増えてきていることは、これまでの記事のとおりである。 今回は「ワークショップ」と呼ばれるものについて、結局のところ何を目指す手法なのかということを読み解いていきたい。 ワークショップワークショップと言われるが、なぜ「ワークショップ」でなければならないのか。なぜ「会議」とは何が違うのか。なぜ「講義」ではダメなのか。 「ワークショップ」という手法がもたらす効果とその意義について考えていく。 参加者一

Case2. ワークショップをデザインする②

ワークショップをつくり込むワークショップデザインについての考察である。 前回は昨今意味するところの多くなった「デザイン」という言葉について、言葉が持つ守備範囲や機能から、含まれている要素について整理した。(前回の記事はコチラ) 今回はそれを踏まえて、ワークショップデザインとは何を考えることなのかを読み解いていきたいと思う。 ワークショップデザインに係る要素 デザインには「設計」「組立」「表現」の要素が含まれている。 ワークショップデザインを考える上でも、この3つの要素

Case1. ワークショップをデザインする①

ワークショップデザインという言葉がある。 ワークショップをつくり込んでいくプロセスを、ワークショップデザインと表現される。 ではそのワークショップをつくり込んでいく「デザイン」とは何なのか。「ワークショップデザイン」とは何なのかを解いていきたい。 ワークショップデザインの現在 デザインという言葉も汎用性の高い言葉である。 昔は工業や芸術の現場で使われていた言葉だったが、今はごく一般的に使われるようになってきた。 その反面「デザイン」という言葉1つで、いろんな捉え方が

Case0. KILINワークショップLABOについて

「ワークショップ」という言葉が世に出てきて久しい。 ワークショップという言葉も、ワークショップを実施する機会も、様々な場面で見かけるようになった。 時同じくして「ワークショップデザイン」という言葉も生まれてきた。 ワークショップをいかにつくり上げていくのか、そのプロセスや手法が体系化され、形式知として伝えられるようになってきた。 ワークショップデザインを冠する講座や書籍等も多数見られる。 一方「ワークショップ」と呼ばれるものが普及し、一般化する中で、様々な分派やバリ