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「一人称単数/村上春樹著」ビブリオエッセー

《人格はひとつじゃないのか?》

久しぶりに村上春樹の新刊を読んだ。
私の村上春樹脳は「羊をめぐる冒険」で固まっていたのかもしれない。
現実しか認めない人には村上春樹は辛いに違いない。
とにかく、頭をパーにして挑まないと負けてしまう。言葉が適切かどうかは分からないけれど「気が触れる」感覚かもしれない。

そう言ってしまえば、村上春樹作品は麻薬性があると言えるのか。

「一人称単数」の講評をググってみたら、あまりよく書いてあるものが見つからない。
私は嫌いではない。
現実世界で埋め尽くされた脳みそを空っぽにしたい時には、にわかハルキニストになるのが手っ取り早い。

麻薬性があるのなら、これは一旦手放そう。
羊をめぐる冒険を何度も買い求めているように、これも行ったり来たりするのかもしれない。

自分は自分のことを数%しかわかっていない。脳のほとんどが使われていないのだから、わかっていない自分が、訳のわからないことをやっていないとは言い切れない。

「探し物、とんでもないところから見つかったことはありませんか?」

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