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note社は本当に赤字なのか?

何か、「note社は赤字だから、クリエイターは有料記事をどんどん売って貢献しよう」という風潮がありますよね。
ちょっとデマっぽいなあ……と感じたもので、株価の動きから探ってみました。
私も多少は財表を読めるので。

財表を見る限りでは、note社は少しずつ赤字縮小の方向に向かっています。VCへの返済が一段落したのも大きいのでしょうね。

で、誰も触れていないんじゃない?と思ったんですが……。
過去にnote社が赤字を出していたというのは、数字の上からはまあ明らかなんですよね。
ただ、その原因を分析した上で言っているのでしょうか?


赤字となる原因~一般論

当たり前ですが、企業が成長していく上で赤字は当然避けたほうがいいに決まっています。
ただ、創業当時は赤字になりやすいものなんですよね。赤字の原因を一つずつ分析・解決していくことによって、黒字に転じていくのがベンチャー企業のセオリーです。

赤字の原因となるのは、主に次のような原因が考えられます。

  1. 売上過小

  2. 経費過剰

  3. 売上総利益(粗利)が少ない

1.売上過小

これを更に分析すると、次のような要因が考えられます。

  • 商品や会社の知名度が浸透していない

  • ユーザーが少ない

  • 商品やサービスと価格の不一致

  • ライバルにユーザーを奪われている

  • 商品やサービスの魅力のアピールが不十分

  • 営業活動が不十分

  • 市場ニーズと商品やサービスの不一致

恐らく、note社の場合はこのフェーズは割と早い段階で脱していたでしょう。でなければ、ユーザー数の伸びにはつながっていないはずです。
なので、他に原因があると考えねばなりません。

2.経費過剰

売上以上に設備投資(人材の過剰投入なども含みます)が大きければ、やはり経営を圧迫します。ここは、さすがに我々一般ユーザーが関与できることではないですが、一般的には人件費や賃料、広告費の見直しによって圧縮できます。

3.粗利が少ない

多分、多くのユーザーが指摘するのがここだと思います。一般的には、次のような原因が考えられます。

  1. 販売価格の過小

  2. 仕入額が過剰

  3. 不良品の多さ

  4. 廃棄の多さ

  5. システムに無駄がある

1については、収益システムの改善がちょくちょく行われていますね。ただ、私が気になるのは3・及び4の部分です。

物づくりの現場だと、目に見えやすいと思います。ですが、対人プラットフォームとして考えた場合、次のように言い換える事ができるのではないでしょうか。

【不良品】
他のユーザーへの配慮に欠けた人。いわゆる「荒らし」「誹謗中傷」に邁進する人や、他の人の「不安心理」を煽るのが好きな人が、これに該当します。

【廃棄】
noteの退会者もしくは「休眠状態」の会員。これらの人々が活動を休止した原因としては、やはり「誹謗中傷事案が多発した」というのも大きいと感じます。
私も割と活動歴が長い方ではありますが、だからと言って、「何をしてもOK」とは思っていないですし、noteは人の入れ替わりが激しい世界です。にもかからわず、「古株」を盾にしていると、「自分は今までにnoteに貢献してきたのだから何をしてもOK」と勘違いする人もでてくるのではないでしょうか。

私がnoteを始めた当初も「cakes炎上事件」などがありましたが、プロの人ではなく、一般ユーザーを「吊し上げ」にしようという空気は、なかったと記憶しています。

そして、どんなKWで検索したかは覚えていないのですが、一般ユーザーがこのような形で「炎上」に晒されました。
私が「怖い」と思ったのは、大手メディアなどでもこの件が取り上げられたこと。
数字が取れれば、何をやってもいいと思っているのでしょうか。

煽り屋マッチポンプの存在

時折、noteには「マッチポンプ」が現れます。人の不安を煽って、自分の存在をアピールしなければ気がすまない人とでも言うのでしょうか。

私が嫌いなタイプのユーザーの一類型が、この「マッチポンプ」です。
実は、ライターの禁じ手の中に「人の不安を煽る」というものがあります。これは、心理学でいうところの「PASONA」の法則の悪用ともいうべきもの。

ただ、最近のnoteでは「数字に因われるあまり」、このPASONAの法則の悪用が非常に目立ちます。

マーケティング手法としては割とオーソドックスですし、違法ではないので、余計に引っかかりやすいのかもしれませんが……。
ですが、常に人の不安を煽るようなことばかり言う人は、やはり私は疑ってかかります。
上記の紹介記事でもあるように、既にマーケティングの世界では「新PASONAの法則」が常識となりつつあり、「マーケティングに煽りは必要ない」と修正の方向に向かっています。
にも関わらず、未だ煽り続ける人の裏の心理には、やはり何らかの「自己の利益」に直結させたい意図があるのではないでしょうか。

裏にある意図

きちんとリソースも示せない記事は、やはり信用するべきではありません。
そして、その裏には、「情報商材の販売」に善意のnoteユーザーを誘導しようという意図があるのではないでしょうか。

もっとも、「善意の塊」の人ほど、この手合に引っかかりやすいのも事実。
最近では、「またか……」としか思わなくなりましたが、さすがに見ていてうんざりするものがあります。

「煽り屋」が抱える法的リスク

ですが、「煽り屋」に対する法的制裁もちゃんと存在します。

まず、「note社は赤字体質」といい続ける事に対するリスクについて。
これは、金融商品取引法の「風説の流布」に抵触しかねません。

(風説の流布、偽計、暴行又は脅迫の禁止)
第百五十八条
 何人も、有価証券の募集、売出し若しくは売買その他の取引若しくはデリバティブ取引等のため、又は有価証券等(有価証券若しくはオプション又はデリバティブ取引に係る金融商品(有価証券を除く。)若しくは金融指標をいう。第百六十八条第一項、第百七十三条第一項及び第百九十七条第二項第一号において同じ。)の相場の変動を図る目的をもつて、風説を流布し、偽計を用い、又は暴行若しくは脅迫をしてはならない。

出典:e-Gov金融商品取引法より

他の法的リスクについて

後は、note社の経営方針をめぐり言いたい放題書くことについては、刑法上のリスクも伴います。

(信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条
 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

出典:e-Gov刑法

note社の対応については、私も色々思うところはあります。
ですが、少なくとも「信用毀損及び業務妨害」に該当するようなことは、まず書いたことがない。批判的な内容については、きっちり裏付けを取った上で書いていますし。
私的利益への誘導のために「煽り行為」を続けることについては、note社の信用毀損につながるものとして、note社から訴えられる可能性もあるわけです。

note社は黒字方向に転じている


実際、note社が赤字体質を脱出しつつあるのは、昨年11月に公表されたIRのデータからも明らかです。

出典:2023年11月note社発表データより

実際にはこの予想より早く、今期第2Qでnote社は黒字に転じました。

また、昨年の時点で「赤字」が予想される部分についてですが、ユーザーが求める「新サービス」に対する人件費を要因として、わずかに赤字が出ると予想されていたものです。採用人数もそれほど大きい数字ではなく、note社の業績に深刻なダメージを与えるほどではありません。
昨期の予想よりも早く「黒字に転じた」実績を鑑みれば、この「赤字予測」も、上方修正される可能性があるのではないでしょうか。

ユーザーは本当に減少しているのか

後は、ちょくちょく指摘される「会員数」の推移について。
これも、データの上からは「増加傾向」にあります。

2019年に活動を始めた会員が緩やかに「減少傾向」にあったのは、気になるところですが……。これは、何度かあった「cakes炎上事件」の影響もあるのかなあ……と、私は分析しています。

ユニークユーザー、すなわち「継続的に利用している」会員が多いのは、データの上からも明らかです。
ただし、この中には「休眠状態」のユーザーもかなりいるはずでしょうから、これからは、こうした既存のユーザーに対する「リピート」戦略も必要になるのかなあ……というのが、私の考えです。

有料課金部分について

これも、実はちゃんとデータが示されています。
ちなみに私は21%の層なのですが、note社も「少額課金から高額課金までバランスが取れた内訳になっている」との見解を示しています。
少なくとも、「赤字なのでどんどん課金しましょう」とは言っていません。

以上、note社のIRのデータを見ても、「note社は赤字だから、有料記事の販売で貢献しよう」の理論が、いかに怪しいかの証左になるのではないでしょうか。

まとめ

しょっちゅう「煽り系」の記事を投稿している人は、一体何がしたいのか。
自己愛の強さゆえなのか、noteで目立ちたいだけなのか。はたまた、人の不安を煽ることで、自分の展開する情報商材のカモを探しているだけなのか。
その意図は不明ですし、もしかしたら全部なのかもしれません。

ですが、そうしたユーザーも、note社にとっては確実に「マイナス要因」と判断されるでしょうね。

やはりnote社には、多くのユーザーが「気持ちよく」利用できるサービスの展開に、注力していただきたいと感じます。

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