エンジニアからQAになってみて: エンジニアがQAになったら良かったこと10選
こんにちは。QAのコタツです。こちらは私がエンジニアからQAにジョブチェンジしてみて良かったことを羅列し、エンジニアの方がQAをキャリアの一つとして考えてもらえるように全力勧誘する記事となっております。
背景はこちらです。弱小アカウントなのにたくさんの♥をいただいたので、張り切って書いていきます。
エンジニアからQAになった感想として、結構QAも良いし自分に合ってるという感触があります。今QAじゃない方も、QAやってみたいなーと思ってもらえると幸いです。
前編では私の経歴やエンジニア・QAになった背景を書いていますので、よろしければこちらも合わせて読んでみてください。
それでは全力勧誘していきます!
エンジニアからQAにジョブチェンジする人を増やしたい!
※ここでのQAは「アジャイルQA」を主に想定しています。なので、開発チームの中にいて、開発チームとともに動き、上流工程も含めエンジニアだけでなくデザイナー・PdMとも一緒にプロダクトの仕様を詰めていくし、テストもするし、というような仕事内容を想定しています。
理由1. ものづくりに関われる
ものづくりが好きだからエンジニアをやっている方も多いと思います。ものづくりが好きだからエンジニアを志す人も多いと思います。でも、色んな方向からものづくりに関わることはできますよー!と声を大にしていいたいです。
特に、シフトレフトという概念を盾に(?)上流まで関わることができるとよりゴリッとものづくりに関わっていけると思っています。複雑なプロダクトであればあるほど、ディスカバリーフェーズに仕様やパターンを理解しているQAがいたほうが要件定義がスムーズということがあるからです。仕様や要件を定義する活動に関わるので、プロダクト開発で課題解決したいという人にもQAという選択肢は有りなんじゃないかと思います。
理由2. 作っていなくても価値を出せる
エンジニアの頃、先輩のエンジニアに「リリースしていないエンジニアに価値はない」と言われていました。これはかなり極端な話ではありますが、やっぱりコードを書いていないエンジニアは価値がないと思う人は多いんじゃないかと思います。一方QAはコードを書かないがそれ以外のポイントでプロダクト開発に寄与するようになるので、エンジニアとはまったく異なる評価軸となることが新鮮でした。
個人的にはエンジニアの頃、何かをどんなに改善しても、機能開発しリリースしていなければ大した評価に繋がらず苦しかったのですが、QAになって色々なことを改善すると自然と評価される。これはかなり革命でした。私と同じ悩みを持っているエンジニアの方はQAになってみるのはいかがですか?
理由3. 具体と抽象を行き来するスキルが活かせる
エンジニアにはあまりなくてQAにあるもの、それは全体を見れる力、詳細化より抽象化する力だと思っています。(反論受け入れます)やはり内部実装を知らない状態でソフトウェアのテストをするということは、ある程度パターン化だったり、既知のバグから水平展開して関連性を見出したり、という頭の使い方をする必要が出てきます。また、テスト技法は情報の加工・抽象化して情報設計をする方法だと思っています。なので、QAは抽象に脳みそを使うことが多いです。一方、エンジニアは一つ物を作り込むという観点においては、具体化を果てしなくしていく作業がどこかで絶対発生します。
抽象化が得意・全体を見るのが得意なエンジニアの方はQAでも活躍できること間違いなしです(当社比)。是非QAへの転身を検討してみてはいかがでしょうか!
理由4. ホワイトボックスな観点もわかりつつ、ブラックボックス観点のテストを考えることができる
いざとなればコードを読める、これはめちゃめちゃ強いと思っています。ソフトウェアの作りを知れるということは大きなアドバンテージで、作りを一切知らない・分からない人よりも確実に使える武器が増えます。なんだったら、新しいプロジェクトに参加する際にとりあえず小さな改修案件等をエンジニアとペアプロすることで、開発フローからアーキテクチャから内部品質の状況など等を即キャッチアップすることもできます。
より効率的な、効果的なテストをするためにはどうしたらいいのか?を考える上で使える手札が増えるという観点で、元エンジニアというアドバンテージは非常に大きいんじゃないかなと思います!
理由5. マネジメントへのキャリアが開かれる
QAはテスト計画、リリース計画を考える事が多いのですが、どんなに緻密に計画を立てても、計画を立てるだけでは実現可能性は上がりません。実際に品質高く・早くリリースするためにはどうすればいいのか、ということを考える上で、プロジェクトマネジメントの知識が必要になってくることがあります。
これはエンジニアも必要な知識だったりもしますが、コードのかけないQAは「どのように作るか」よりも「どういうプロセスで作るか」に関与することによって品質を高めることが重要な役割だと思っているので、エンジニアよりも必要なスキルなんじゃないかと思います。
また、品質を高める活動をしていると、組織品質の課題を発見することも多いです。そういう時、課題を解決しようとするとエンジニアリングマネージャーの職務領域と被りが発生してきます。実際私も様々な組織的課題をエンジニアリングマネージャーと協力して解決へと進めています(道半ばですが)。
QAがある程度大きい組織の中にいると、プロジェクトや組織のマネジメント領域に仕事内容が近づいていくことが多いです。年齢的に、マネジメントの経験も詰んでおきたいなーと思っているエンジニアの方は、まずQAになってみて経験を積むのはいかがですか?
理由6. スクラムマスターへのキャリアも開かれる
QAとスクラムマスターって結構似てるところがあります。スクラムマスターはスクラムの理解と実践を推進し、プロジェクトを円滑に進めることに責任を持つ人です。チームの障害になっているものはどけたり、チームを導く役割があります。QAも同じで、チームの障害になっていることは、どんなことであってもどけないと、プロダクトの品質を高めることができないと思っています。たとえばチームの仲が非常に悪かったら、いいプロダクトもできませんよね?
そういうわけで、開発チーム内でのQAをやっていると、必然的にスクラムマスター的な役割だったり、スクラムのプラクティスをかじりつつアジャイルQAをしていくことが必要になってきます。スクラムマスターやってみたいと思っている方にも、新たなアプローチの方向性としてQAになってチームを支援できるというのは朗報だと思います!
理由7. コードを書きたくなったら、テスト自動化エンジニアへの道もある
エンジニアからQAになったけど、やっぱりなにかコードが書きたい。でもQAもやりたい。そんな時はテスト自動化エンジニアという道もあります。もちろんエンジニアに戻ることもできるだろうけど、QAを続けながらコードを書く道も実は開かれているんです。その上、テスト自動化エンジニアは転職市場に少ないため、市場価値はQAよりも高いです(個人の見解です)。是非転職サービスで調べてみてください!
理由8. エンジニアの延長上としてQAへジョブチェンジできる
これはかなり人によると思います。私はポンコツエンジニアだった経験から、プロダクト品質の重要性や内部品質の重要性は心に刻み込まれていたので、実感を伴ってQA関連の知識がスッと自分の中に入ってくる感覚がありました。やはり実感を伴わずに机上で勉強した時と比べても、実経験があったほうが圧倒的に血肉化し易いんじゃないかと思います。
また、エンジニアリング未経験のQAの方はエンジニアの喋るソフトウェア用語(ビルド、リバート…等)がわからなくて開発チームの会話に入って行きづらい…という問題があるのに対して、エンジニア出身のQAはその心配は無用です。このようにエンジニアリングについての知識習得をスキップできるという利点もあります。
理由.9 エンジニア出身QAは現場で重宝される
これは弊社の場合の話です。変化が激しい現場であればあるほど、コミュニケーションコストが低いほうが重宝されるのは当たり前だと思います。
あとこれは完全に私の個人的な経験なのですが、それはエンジニアがやるべきことでは?という部分を突っ込んでやってみることによって、開発チームがぶち当たっている障害を見つけることができると思っています。第三者的観点で開発チームやプロセスを見るのも重要ですが、ときには開発チームと目線をあわせる事が必要で、そのための方法として一番近道なのではないかと思います。
ただしこれは恒常的にやるものではないですし、QAだからこそできるタスクにリソースを振った方がいいに違いないので、程々にしておいたほうがいいです…
例えば過去私が実施した突っ込んだこととしては、SQLクエリを書いてデータ調査、トイルタスクモブ実施、サーバー上に発生しているエラーやレスポンス遅延についてモニタリングツールを用いて実態を確認する、問い合わせ対応、などなどがあります。このようなスキルがQAになっても活かせますし、エンジニア出身QAだからこそできる部分でもあります。
理由.10 PdMへのキャリアが開かれる
エンジニアからPdMになりたい人の動機の一つに企画を考えたい、とかあるのかなーと勝手に想像していますが、そんな方はQAを登竜門としての選択肢に入れてみるのはいかがでしょうか。成熟したQAは、要件や企画段階での論理的破綻や既存仕様との不整合、またビジネス的な欠陥を見つけることができ、またより良い方法を提案できると思っています。そして、そんなQAになれたら、もはや小さなPdMなんじゃないでしょうか。そんなQAに私はなりたい(願望)
まとめ
いかがでしたか?最後はだいぶ私の願望が入っていましたが、でもどれも事実です。ざっくりまとめてみます。
QAは実際に物を作らない。作る人達の支援をするという役割が大きい
テスト設計実施はもちろん、マネジメント、スクラムマスター、プロセス改善、PdM的活動など、支援の方法は様々
様々な方法に連動し、キャリアも広がりがある
課題解決への意欲や、顧客志向が強いエンジニアの方は、QAに向いてると思う
エンジニア出身QAは、エンジニアの時に身に着けたスキルがそのまま使える事が多い
これを機に、ちょっとでもQAにジョブチェンジしてみたいなと思ってもらえたら幸いです!
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過去書いた記事と、QAの求人もよろしければ参考にしてください。よろしくお願いします!
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