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アラカン女子、職業訓練校に行く! PART-2 実践編


01. これから「Webデザイン系職業訓練校」を探すあなたへ

おそらくこれを読んでくれているあなたは、少なからず「Webデザイン系職業訓練校」に興味を持っている方だと思う。
 
「今の仕事を辞めて、新天地を目指したい!」とか、
「子育て中なので、自宅でできるWebデザインに興味あり!」あるいは、私のように
「昔経験のあるスキルをリスキリングしたい!」的な理由で。
 
でも・・・
「職業訓練校に通ったら、希望の職種に就職できるんだろうか?」とか、
「職業訓練校で、実践的な学習ができるんだろうか?」あるいは、
「自分、落ちこぼれにならないかな・・」
とかの不安もあることと思う。
 
実際私も、入校までには沢山の不安や心配ごとがあった。
 
なので、ここから先は、「本気で職業訓練校に通って、新天地を目指したい!」でも「不安がいっぱい過ぎて初めの一歩が踏み出せない」あなたの為にこれを書こうと思う。
 
前提として、これは私が

  1.  Webデザイン系職業訓練校「アジャストアカデミー(※1)」で

  2.  3か月のオンライン講座「Webデザイナー・ディレクター養成(オンライン)科 を受講

  3.  現在就職活動中

という状況で書いている事をご了承いただきたい。


※1



02. まずは、最初の不安を払拭するところから。


Q1.「職業訓練校に通ったら、希望の職種に就職できるんだろうか?」

これは職業訓練校に限らずだけれど、「学校」は知識や技能を習得する所であって、「経験」を積むところではない。
なので、何か月通おうが何年通おうが、就職する際には「未経験者」となる。
 
職業訓練の初日だったかWebデザイン講義の初日だったか定かではないのだけれど、開口一番講師の先生にこう言われたのを覚えている。
 
「この業界は、未経験者として入るのはとっても大変です。
ただ一度入ってしまえば、そこで経験を積み、ステップアップしていくのは容易です。」と。
 
確かに、Webデザイン系の求人を見ると「実務経験2年以上」とか「Illustrator、Photoshopの経験必須」とかの文字が並んでいる。
 
たまに「未経験者可」の求人もあるけれど、募集人数は1人か多くて2~3人。
 
職業訓練校を含む各種Web系の学校からは日々「未経験のWebデザイナー志望者」が大量に排出されているわけだから、その倍率は想像に難くない。
 
でも、「やる気」だけあって何の知識も技術もない「未経験者」と、「やる気」と「知識」、僅かばかりだが「技術」のある「未経験者」だったら圧倒的に後者のアドバンテージが高いのは明らかだし、職業訓練校での取り組み方によって提出できるポートフォリオの中身も違ってくる。
もちろん、どれくらい本気で「就活」するかも重要。
 
なので、Q1の回答としては

A1. 「あなたの取り組み方次第」となるだろう。

ただ、こんな事を言っている私はご存じの通り「年齢」という更に大きなハンデがあるので、現状だいぶ苦戦を強いられているのも事実だけれど・・。


Q2. 「職業訓練校で、実践的な学習ができるんだろうか?」

これに関しては、入学する職業訓練校にもよると思うのだけれど、私が学んだ「アジャストアカデミー」に限って言えば、講義はかなり実践的だった。
 
というのも、講師の先生方が皆さん現役バリバリで、「今日は有給とって講義に来ています」という方もいれば、Webマーケティングの個人事務所を営んでいらっしゃる方もいて、教えていただく内容は常に「最新」。
例えばHTMLの記述や、Webマーケティングの方法なども、私たちがそのままWeb業界に入っても困らない様、最新の知識をインプットしてくれたのは大いに助かった。
 
書籍を使って独学で勉強するとどうしても現在とのタイムラグが生まれてしまうから、そういう意味でも職業訓練校での学習は有益だと思う。
 
なので、

A2. 職業訓練校(アジャストアカデミーの場合)の講義は「実践的」だった。

が私の回答。

Q3. 「自分、落ちこぼれにならないかな・・」

実を言うと、私も卒業するまで心配だった・・。
 
入校するまでは心のどこかで(私、デザインやった事あるし、イラレやフォトショも少しはできるし、HTMLさえ乗り越えれば何とかなるのでは?)と思っていた。
 
けれど、その思い上がりは入校数日で打ち砕かれた。
 
イラレにしてもフォトショにしても、独学で勉強するのと学校できちんと基礎から教わるのとでは、その内容に天と地ほどの差があった。
 
講義はテキストに基づいて進められていくのだけれど、毎日皆さんと歩幅を合わせてついていくのが精いっぱい。
 
全く知識の無かったHTMLやCSSにいたっては、10分間の休憩時間や昼休みの30分の間に「何とか追いつく」か、講義が終わってから「あらためて復習」をしないと身に付かない。
 
でもこれは通所の時に他の受講生と話しをして分かった事だが、受講生のたぶん7割くらいがみんな同じレベル。(残り3割は普通についていける方々)
 
なので、そんな感じで「何とか追いつく努力」をしていれば「落ちこぼれ」にはならないと思う。
 
 
というわけで、Q3の回答としては、

A3. 「私は、何とかなりました。」

ちなみに、もう一つ。
私の場合は「オンライン」での受講だったので、それに関する不安もあった。
 それは・・・

Q4. オンラインでの実習って可能なの?

という点。

通所での実習は大体イメージができる。
先生が大きなモニターを使って説明をし、生徒は自分のデスクの上のノートPCで実習をする。
 
でもオンラインの場合、仮に一台のPCしかなかったら、先生の説明を見る画面と自分が実習する画面を同時に写さなくてはならない。
 
大きなモニターがあるデスクトップPCがあるならともかく、私の様な15インチのノートPCでは無理なのでは? と思っていた。
 
なので、これに関しては見学会の時に解決策を聞いていて、実際に回りの受講生にも確認してみたのだけれど、だいたい皆さん同じ様な解決策を講じていた。
それが下記。
 
先生の説明を聞くPC(講義はTeamsかZoomで行われる)→こちらは低スペックでOK。モニターでもTVでも大きめのタブレットでも良い」と、
実習をするPC(こちらは学校が推薦するスペック(※2)が必要)」の2台体制で受講する。
 
中には1台のノートPCを駆使してやっている人もいたようだけれど、私はPC2台体制か、大きなモニターを使用しての受講をお勧めする。
というわけで、

A4. オンラインでの実習は可能です。



※2
・AdobeCCが使用できるPC。(Windows推奨)→Macで受講されている人もいましたが、PC環境がWindowsとは若干異なる為、少し苦労されていました。
Web業界のお仕事は、基本Windows環境で行われる事が多いそうです。
 
・PCスペック→Windows10以上、CORE i7以上、SSD、メモリ16GB以上推奨
→これ結構ハイスペックだと思いますが、AdobeCCをガッツリ入れるので、正直これくらいないと厳しいかも。
 
・Webカメラ、ヘッドセット、イヤホンマイク(PCに内蔵されていればOK)
 
この他、インターネット等通信環境として、常時接続可能な1.5Mbps以上の環境が必要。できれば有線LAN推奨。(私はノートPC内臓の無線LANでOKでしたが、環境にもよると思います)
 
ちなみに、受講に「Microsoft Teams」を使用しますが、無料版のTeamsでOK。
見学会の時に、「Microsoft365 への加入は必要ですか?」という質問をしていた人がいましたが、Microsoftアカウントさえあれば、Teamsはインストールできるので、365に加入しなくても良いと思います。



03. 訓練校のカリキュラムはこんな感じ。

では、実際の訓練(訓練っていうとスパルタ的な響きがあるけれど、全然そんな事はないのでご安心を)とはどんな事をするのか?
 
こちらも訓練校によって差があると思うけれど、私の通っていたアジャストアカデミーの3ヶ月コースはこんな感じだった。
 
まず、カリキュラムは大きく分けて3つ。
 
1.      HTMLやCSSを使用したコーディングによるWebサイト作成
 
2.      アドビCCの各種アプリケーションを使用した実技
 
3.      各種Webマーケティング概論

 
この他に、訓練校ならではの「就職支援」の日程が毎月組まれている。
そこが「訓練校」と「一般の学校」との違いなのだが、これが結構ありがたい。
 
ベテランキャリアコンサルタントの方による、「受かる履歴書」「受かる職務経歴書」を書くための講義は、再出発をする上での「自己分析」をさせてくれ、「自己の再発見」にも繋がった。
「自分は何をやりたいのか」その為には「何が必要」で、「何ができるのか」。
それは、自分を目的の場所に行かせる為の、言わば「自分マーケティング」。
 
私など過去が長い分、めちゃめちゃ時間が掛かってしまったのだけれどね。
 
 
そして、もう一つ。
訓練校ならではのカリキュラムであり、
Webデザイン系の訓練校が「脱落者が出るほど大変」といわれる理由。
 
「提出課題」の存在。
 
職業訓練校は、「就職する為に必要なスキルを身に付けるところ」。
なので、そこでの最終目的は「訓練を終える事」ではない。
 
目的は「就職すること」だ。
 
最初に書いたように、「未経験」でWeb関連の企業に入るには「やる気」の他に「知識」と「技術」を企業の採用担当者に披露しなくてはならない。
 
どうやって?
 
そこで必要なのが「ポートフォリオ」となる。
 
訓練校の課題の一発目は、「自分のポートフォリオに載せる為の作品として、HTMLやCSSを使用してWebサイトを作る(3ページ分)」だった。
テキストだけを頼りに、「自力で」。
 
正直これは大変だった。
何度も気が遠くなるくらい大変だった。
 
でも、これをやったからこそHTMLやCSSの知識が自分のものとして身に付いたし、ポートフォリオに載せられる「Web作品」も出来上がった。
 
もし、先生に手取り足取り教わりながら作っていたら、何の知識も身についていなかったと思う。
今思えば・・・だけれど。
 


04. 3か月で出来るようになった事。

入校式の日、校長先生を始めとするアカデミーの皆さまから言われた言葉。
 
「3か月はあっという間です。」
 
そう。確かにあっという間だった。
 
それはある意味「夏休みの強化合宿」と似ているかもしれない。
各地から同じ志を持つ仲間が集まって、「就職」というゴールを目指して進んでいく。
山あり、谷あり。
時にグループワークで仲間と協力しあいながら、知識と技術を頭と身体に叩き込む。
 
そして、めでたく卒業式を迎える頃には、「合宿の成果」がちゃんと形になって手元に残る。
 
1.      HTMLとCSSを使用した「架空コーポレートサイト」3ページ。
2.      HTMLとCSSに加えてレスポンシブ対応、jQueryも入れた「オリジナルサイト」1本。
3.      Photoshopを駆使して作った「バナー」1種類(2形態)。
4.      Illustratorを駆使して作った「企業ロゴ」1種類と「ロゴを使用した名刺」1種。
5.      上記を載せた「ポートフォリオ」2種類(Illustrator使用とHTMLフォーム使用)。

 
これを多いと見るか、少ないと見るかは本人次第だと思うし、これを携えて就職戦線に飛び込んで勝てるのか?と言えば、正直かなり難しいのは確かだ。
 
でも、同じ戦うのならば、たとえそれが「木の棒」であったとしても「丸腰」よりは全然いいに決まっている。
 
現に私は、HTMLの知識が無ければ受からなかった企業への就職(短期だけど)が、決まった。
「木の棒」でもちゃんと戦えたのだから、合宿の成果は十分あったと思っている。
 
 
ただ今回一つだけ残念だった事を言わせていただけば、3か月コースでは提出した課題に対する「評価」はこちらから聞かないと得られなかった。
 
5か月コースだとプレゼンの機会もあるようなので、それに伴っての「講評」もあるのだと思うけれど、私たちはそれもない。
 
バナーとロゴに関しては、他の受講生の提出した課題をGoogleドライブで確認できるのでそれを拝見させていただく事はできるのだが、作品を見ただけではそれがどういう意図で作られているのか分からない。
 
Webに限らずデザインは「何のためにそれをするのか」が重要だと思う。
 
「他者の作品を見て学ぶ」事も必要だとしたら、コンセプトシートも一緒にドライブに上げるようにすると、もっと良かったと思う。
 
 
とはいえ。
 
せっかく手に入れた「木の棒」だ。
これを「なんちゃらブレードソード」に成長させるには、実践で戦いまくるしかない。
 
全ては自分しだいなのだ。
 
 
職業訓練校には、様々な人たちが集っている。
 
年齢、性別、職歴、生活環境・・
 
でも皆さん目的は同じ。
 
「思い切って、やりたい事がしたい。」
 
冒頭でも書いた通り、Web業界は入るのが大変だ。
ハローワークの人から聞いた話によると、今、「未経験者可」の求人に「経験者」が集まってしまっていて「未経験者」の就職はさらに難しくなっているらしい。
 
なので、職業訓練校で学んだ事を100%活かせる企業に入社するのは至難の業だとは思う。
 
ただ、たとえ10%でも20%でも、何等か活かせる企業は沢山存在すると思うし、今学んだ知識が後々どんな形で役に立つかは誰にも想像はできない。
 
「やらなくて後悔するより、やって後悔する方が良い。」
 
どこかの誰かが言っていたが、私もそう思っている。
人生に無駄な事なんて一つもない。
 
その時は無駄に思えた事でも、経験した事としてどこかにきちんと蓄積されていて、それが思いがけなく未来の伏線になったりする事だって、あるかもしれないのだ。
 
だから、もし周りがそれを許してくれる環境にあるのなら、挑戦する事を諦めないで欲しいと思う。
 
新しい道へと続くゲートは、いつでも開いているのだから。
 
 
完 


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