勝手にマーケ提案してみた -Vol.1 読売ジャイアンツ インスタ編-
初めまして、カナダのトロントを拠点にしているマーケターの端くれ、いしかわ (@zukai_mama) です。
実は過去に某大手航空会社のインスタ運用なんかもやってまして、そんな経験も生かしてちょっとここらで新しいことに挑戦してみようかと思いまして、「勝手にマーケコンサルしてみた」シリーズを開講します。あくまでも簡易版ですが、、!(反響なかったら辞めちゃうかも・・汗)
普段はお仕事として、こういったSNSアカウント運用についてのご提案をさせてもらっていて、その上で毎月のコンサルティングも請け負っているんですが、SNSのトレンドは目まぐるしいスピードで移り変わるということと、どんどん新興アカウントが生まれてくるので、自身の勉強のためにも勝手に提案してみよう_というとんでもなく身勝手な企画です。
<<お断り>>
なんのバイアス無しに企業さまやアカウントを選びますので
どうかその点はご容赦願いますm(__)m
そして選ばれたアカウントの運用ご担当者様、、、
辛口コメントもありますがマーケターの端くれが勝手に提案を吠えてると思って仏の心でお読み頂けると嬉しいです。
万が一にも何か役に立つ情報があればどうぞご自由にお持ち帰りくださいませ。です。m(_ _)m
同業種の方や同業界の方は生かせる要素もあるはずなので、ぜひ何かのヒントを持ち帰ってもらえたら嬉しく思います。
では前置きはこの辺にして、早速本題に入ります。
今回はスポーツ業界から、読売ジャイアンツ (@yomiuri.giants) さまをケーススタディとして使用させていただきます。(繰り返しになりますが勝手にほんとにすみません!)
■ 読売ジャイアンツ (@yomiuri.giants) さまのアカウント概要
記事執筆時点 (2021年10月) で、
• 投稿数: 6,375件
• フォロワー数: 443,564人
• フォロー数: 15人
でした。
下記の項目に沿って考察していきます。
1. 「野球(スポーツ)」というエンタメ業界におけるインスタの使い方
2. 「ポスト」についての考察
3. 「フォロー」についての考察
4. 「ストーリーズ(ハイライト含)」についての考察
5. 「リール」についての考察
1. 「野球(スポーツ)」というエンタメ業界におけるインスタの使い方
まず、どのアカウントにも共通する点ですが、「そもそもインスタを通して何をしたいのか」_というビジョンがとても大切です。現在の読売ジャイアンツ (@yomiuri.giants) さんのインスタの運用のビジョンや方向性はわからないので、(勝手に分析するに)スポーツチームのアカウントではファンとのコミュニケーションの場_が良いように思います。(広報もしたいならサブ垢でやるのが良いですね。)
さらに、野球というスポーツジャンルは大きく区分すると「エンタメ」ですよね。法律とか医療などのようにガッチガチにお堅いジャンルである必要はないので、エンタメ性を押し出して行くほうがファン層にマッチしそうと思えます。
ので、ここまでをまとめると:
O (目的): ファンとのコミュニケーション
T (ターゲット): ジャイアンツを応援している人・ファン
P (ポジショニング): 一緒になって応援し、涙し、チームと繋がれる
で、ここから方法論に入ります。
この↑、OTP (目的・ターゲット・ポジショニング)を実現するための方法を考えていきます。
ターゲットとなるファンは、「読売ジャイアンツのアカウントをフォローすることで何を期待しているのか?」_という点を考えたときに、誰もが真っ先に思い浮かぶのはこの辺りだと思います。
• ニュースなどでは見られない選手のオフショットが見たい
• 裏話が聞きたい・知りたい
• 試合の予定や結果などをきちんと把握していたい
なので、これらを愚直に発信していくのが正攻法と言えます。
さらに、プロスポーツは、ファンが居てこそ成り立つ構造なので、インスタなどのSNSでは、1対nではなく、1対1を意識する方がファン心理をくすぐれるはずです。
つまり、
× 野球界の人が→一方的にファンに情報を与える ではなく
◎ チームに近い1ファンが→ファンと情報を共有し一緒に一喜一憂する
というイメージです。
「中の人」は高みから情報を投下するのではなく、もっと「人感」を出してよくて、ファンと同じ熱量で、ひとりのファンとして投稿していくことがキーだということです。
よって、プロフィールの調整も必要そうですね。
現在は画像転載の規約が書かれていますが本当にこれが1番伝えたいことなのでしょうか、、?もちろんルールは大切ですが、潜在層も含めてフォロー前に必ず見るのがプロフィールなので、そのタイミングで「これはダメです」というルールを提示されるとちょっと熱量が落ちるというか萎えかねませんね。。
例えば、ファンが集うオリジナルのハッシュタグを決めて、投稿された中からときどきストーリーズで紹介したりするのはどうでしょうか?ファンと一緒にアカウントを作っていけるのでポジショニングともマッチします。この場合は、その旨をプロフィールに記載しておくことで、チームとファンとの距離が近いことをアピールすることにもなります。(すでに実施してたらすみません!)
さて、ここまでを整理できれば、理解のいい方は自ずとどんな投稿がいいのかがわかったかと思います。
次の項ではポストについて考察していきます。
2. 「ポスト」についての考察
まず、読売ジャイアンツ (@yomiuri.giants) さんのアカウントの良いところとしては、動画が多めな点ですね。
写真にこだわる必要もないですし、動画の方がフィード上でも手が止まって見てくれる(≒エンゲージメント)可能性も高まるのでこの点は良きと思います。
ただ改善できる部分もかなり多く見受けられました。
改善の余地があるところ:
1. キャプションをもっと盛り上げてみる!
2. ハッシュタグはさりげなく。
3. ハッシュタグは効果的に使う!
4. コメントにもときどき反応してみる
5. 写真や動画にストーリーを!
6. 全体的にもっと明るくジャイアンツらしい雰囲気を作ってみる!
ひとつずつ見ていきます。
1. キャプションをもっと盛り上げてみる!
こんな感じ↑でキャプション(投稿文)がなくハッシュタグだけの投稿が多く、少し物足りない印象を受けました。確かにインスタは「画像・映像メディア」ではありますが、「ファンとのコミュニケーションの場」と定めるのであれば、これだとちょっと寂しいですね。
喋り口調で良いので、試合に勝ったときの興奮を文字に起こしてみたり、負けたときの悔しさや、移籍のときの感謝の気持ちなどをファンと同じ目線で文字にして発信する方がファンとの繋がりをより強化できると思います。決して長文である必要はないので、会話のきっかけになれば◎です。
キャプションに込めた想いに比例してコメント数(エンゲージメント数)の変動が見込めるはずです!
2. ハッシュタグはさりげなく。
ハッシュタグを改行して入れているせいで、投稿文を開くとこんな感じで画面のマジョリティを占有されてしまいます。伝えたい情報はハッシュタグではないはずなので、これはもったいないですね。
1行目に目の引く言葉を入れ込んで、キャプションも読んでもらえるようにするといいですね。投稿に対してエンゲージのあった人(いいねをしたり、保存したり投稿を開いたりした人)にはその後もフィードへの表示がされやすくなるなどのメリットがあるからです。そして、ハッシュタグは最後に改行なしで羅列する_にしてみてほしいです。
3. ハッシュタグは効果的に使う!
そしてハッシュタグ自体も流入を見込んで選定しているようには見受けられませんでした・・(例:年齢のハッシュタグ)。ハッシュタグからの検索流入は流入の中でも大半を占めやすいので、ここはきちんといろいろと試して結果を見ながらチューニングすることをおすすめします。
既存のコアなファン層(=指名検索でアカウントをフォローしてくれる人)以外の、潜在層にリーチできるハッシュタグを見つける作業が必要と感じました。例えば、「この間友達に誘われて野球を見に行ってみたらちょっと面白かった」とか「カッコいい選手が好き」とか。あるいは「侍ジャパンの試合を見て野球にハマりそう」とかもそうですね。なんなら「好きな人がジャイアンツファンだから自分も勉強したい」とかいう層もありだと思います。
4. コメントにもときどき反応してみる!
読売ジャイアンツ (@yomiuri.giants) さんの投稿には、毎回100件前後のコメントが付いているので全部に返信することは非現実的だと思います。が、気になるコメントや面白いコメントには積極的に絡んでいくことをおすすめします。もしくは最初の2〜3件には反応する_などある程度のスタンスを決めておけば、ファンの方もそれを狙ってくれたりしますよ。ちなみに理想的なのはファン同士で自然とコメントし合っている状況ですね。
あくまでも「中の人」のスタンスは「同じ1人のファン」とする前提なので、その上で他のファン(仲間)とコミュニケーションを取ることでさらにエンゲージメントが上がることが想定できるからです。
加えて、誰(どのアカウント)がよくコメントをくれるのかといったデータを取っておくと後々重宝しますね。(属性をまとめてみて→偏りがあればその層をメインにコンテンツを企画してみる_とかができる)
5. 写真や動画にストーリーを!
ちょっと辛口ですが、「インスタのための画像」といった印象であまり面白みがないのがもったいないな〜と感じてしまいました。泣
ファンとしては、TVやニュースなどでは見られないオフショットは嬉しいけど、その切り取られたシーンのストーリーが見えてこないと熱量が伝わらないんですよね。要はただのファン向けのフォトブックでしかないというか・・。
なので、例えば、写真なら、勢いのある一瞬を納めたショットの方がその写真の裏にあるストーリーが見えて、ワクワクが伝染します。(打った瞬間・ホームに戻るラン・キャッチ・チームメイトとのハイタッチ・チームメイトとのアイコンタクトやサインで褒めあってるところとか)
こういう雰囲気↓の写真をもっともっと増やしていくと良いかなと思います。
6. 全体的にもっと明るくジャイアンツらしい雰囲気を作ってみる!
そして1番もったいないと感じたのはこれですね。
スポーツ≒エンタメなので、もっともっと楽しくて熱意があってファンが一丸となってる感じを演出していいと思うんです。
球団のイメージカラーももっと出していいと思うので、ぜひ黒とオレンジを意識したテーマで統一してあげることをおすすめします。オレンジは活気ある色なのでおのずとワイワイしたアカウントになってくるはずです。
2.2 今後の投稿コンテンツの提案
じゃあどんなコンテンツを上げればいいの?と感じると思うので、参考になりそうなアカウントを紹介します。
北米で大人気のアイスホッケーNHLのチーム、トロントメープルリーフス (@mapleleafs) のアカウントです。
ブランドの色味の統一って普段の写真だけじゃ難しいと思うので、こういった↓ちょっとした加工の投稿が良いですね。一度テンプレートを作ってしまえば使い回せるので、ちょっとひと手間かけてみて欲しいと思います。
あとは、選手への一問一答(一秒一答?)とかも面白いですね。必ずしも野球関連である必要はないので、選手の素が垣間見える質問を短いビデオにまとめてみてください。(ストーリーズで、選手に聞いてみたい質問を公募するのもいいですね!これまたエンゲージメントが上がるしで一石二鳥です!)↓スワイプすると選手の回答が見れます。
そしてもう一つは、スタッツを用いた加工画像なんかもおすすめです。これ↓はMLBのチーム (@bluejays) からですが、何かの偉業を成し遂げたときなんかはやっぱりファンとしてもお祝いしたい心理ですからね!
3. 「フォロー」についての考察
次に意外と見落としがちなフォローについて見ていきます。
まず大前提として、SNSにおけるフォローはゼロサムゲームではありません。あなたのアカウントをフォローする代わりに誰かのアカウントをアンフォローするわけではないということです。興味がある、役に立つ、ならユーザーは類似のアカウントを複数フォローします。
さらに、サジェスト機能に表示されやすくなったりなど、メリットすらあるので、同じ界隈の人とは横の繋がりを持っておくことをおすすめします。
読売ジャイアンツ (@yomiuri.giants) さんの現在のフォローの内訳は画像内のグラフの感じ。
フォローしているアカウントすべてが野球もしくは球団に関連あるものなのでその点は◎ですが、これらに加えて、他球団や選手の個人公式アカウント、提携しているメディア(ニュースやテレビ局など)も良いですね。自球団の選手の場合は相互フォローができたら尚良しかと思います。
ここでよく「移籍した選手のフォローは外した方がいいですか?」と聞かれるんですが、答えは「ノー」です。"今"のチームを作ってきたのは"過去"があってこそなので、それまでの貢献を讃える意味でも一度フォローしたならそのままでOKとわたしは考えています。
4. 「ストーリーズ(ハイライト含)」についての考察
ストーリーズはとてもいいと思いました!タイムリーな内容でストーリーズの強みを活かせています◎
ただ、情報提供(一方通行)だけなのはもったいないので、ポストのところで触れたように、アンケートとか質問とか、遊び心を持った投稿があってもいいと思います。ファンも参加できるコンテンツの方がエンゲージも伸びますし、投稿コンテンツ作りにも困らなくなるのでおすすめです。
(長い期間モニタリングしてるわけではないので、もし他の期間で実施されていたらごめんなさい!)
5. 「リール」についての考察
最後にリールですね。
タイムラプス、いいですね!!動きに変化があって、かつ完成形が見たくて最後まで見てられるのでかなりいいと思います◎
私が拝見したタイミングでは2つしかコンテンツがなかったので、今後どんどんいろいろ試してみて欲しいです。
これはリールだけに限りませんが、共同投稿(コラボ)ができるようになったので、新聞社やテレビ局、野球のまとめ系アカウントなどとコラボして潜在層にアプローチするってのも良さそうですね。
■ まとめ
以上、マーケターの端くれが勝手に分析・提案してみた_でした。ここまでお読みいただきありがとうございます!
インスタをコミュニティ作りの場にする_という考え方は多くの業界で応用できるので、ぜひエッセンスを汲み取って明日からのアカウント運用に活かしてもらえたら嬉しいです。
ただ、万アカ(すでに認知が取れてるアカウント)と新規アカでは攻め方が異なってくるので、その辺りは戦略をチューニングする必要があります。ご注意くださいね。
■ 最後に
もしこのコンテンツが「役立ったよー!」とか「気づきがありました!」と感じた方はぜひtwitter等でシェアいただけると泣いて喜びます。
また、SNSマーケターをお探しの方やインスタ運用に悩んでいる方や企業さまなど、お仕事も受け付けておりますので、twitterやWantedlyよりお気軽にご相談ください。
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■ おまけ
この夏、インスタグラムの検索アルゴリズムが更新され、ハッシュタグの情報以外からも画像検索結果に載るようになりました。察するに、キャプションやハッシュタグの情報以外にAIを用いて画像の中身を判断しているとも思われます。が、変わらずハッシュタグやキャプションの情報は有効と思われるので、ここは手を抜かずにターゲットが喜ぶ・嬉しいコンテンツを共有していきましょう♬
Happy marketing!
■ Special Thanks
図解やヘッダー画像なども私、いしかわの自作ですが、デザインの参考は毎度ながらミヤマさん (@mmmiyama_D) です。いつもまねっこさせていただいております、ありがとうございます!m(__)m
さらに書くための書籍代・勉強代に充てさせていただきます📚ありがとうございます!