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コロナがもたらした知られざる身近なリスク

「コロナにかかるのが怖い!」「何より命が大切!」「家から出ないでおこう。」

こうした連帯的自粛行動で、確かに感染リスクは大きく下がったと思う。一方で、別のリスクが高まっていることをご存知だろうか?

それは、①フレイルのリスク、②孤独のリスク、の2つのリスクだ。

データで見る自粛中の高齢者の実態

緊急事態宣言真っ只中の5月。私たちは、ひとり暮らし高齢者などの見守り登録者1,416名を対象に実態を聞くアンケートを実施した。

すると、予想以上に驚きの結果が見えてきた!

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⚫︎週に1回も外出していない…21%、⚫︎週に1回も誰とも会話していない…8%、⚫︎体調が悪化した…9%、⚫︎気持ちが落ち込むことがある…35%         (阪南市社会福祉協議会調べ)

どうだろう?ここからわかる2つのリスクについて考えてみたい。

①フレイル(虚弱)のリスク

フレイルという言葉、あまり聞き慣れないかもしれないが、簡単に言うと、心身が弱り放っておいたら介護が必要になってしまう状態、のこと。

ただし、病気ではなく、適切な介入・支援で改善することもできる。だから、いま医療・介護業界ではフレイル予防に全力で取り組んでいる。

今回のアンケート結果では、21%の人が週に1回も外出していなかった。1週間出かけないとどうなるか?

1週間何もしない状態になると15%の筋力が低下し、回復には1か月かかる。3~5週間では50%もの筋力が落ちる。

まさにフレイルの進行だ。

さらにフレイルは死亡リスクにも直結している。

フレイルを予防することで、約8年後までの死亡リスクを37.5%減少させる

せっかく頑張ってデイサービスやリハビリ、地域の集まりなどでフレイル予防を進めてきたのに、

ーStay home ! 外出を控えましょうー

で動かないと、自ら死亡リスクを上げていることと同じなのだ。

②「孤独」のリスク

もうひとつ、大きなリスクが、「孤独」だ。

先の調査では、約1割が1週間誰とも会話をしていなかった。ー1週間も、だ。想像できる?

アメリカの心理学者ホルトランスタッド氏のこんな調査結果(2010)がある。

「社会的つながりを持つ人は、持たない人に比べて、早期死亡リスクが50%低下する」
孤独であることのリスクは、
・1日たばこ15本吸うことに匹敵
・アルコール依存症であることに匹敵
・運動をしないことよりも高い
・肥満の2倍高い

(↑このオジサンの”引き”の強さに目を奪われそうになるが、笑) なんと、太りすぎの人よりも孤独な人の方が断然死亡リスクが高い!?この結果を見た時は正直驚いた。人とのつながりも死亡リスクに直結している。

そしてこの問題にアプローチすべく、なんとイギリスでは、「孤独担当大臣」なるものも!

ー人との接触を8割減らしましょうー

これは同時に、孤独による死亡リスクを高めていることにもなるのだ。

リスクバランスと主体的選択

言っておくが、私は「コロナはただの風邪」「政府やマスコミに躍らされているだけ」などの極端なことは主張していないしするつもりもない。(◯◯ノマスクだけは全くの愚政だったと思うが…苦笑) 

いくら死亡率が低くても、未知のウイルスはやっぱり怖い。しっかり怖れて正解だと思う。他人に迷惑もかけたくない。

ただ一方で、フレイルや孤独のリスクを放置してもいけない。

たくさんのリスクを正しく評価する。二択ではなく、知恵と工夫でリスク削減の両立を試みる。こうしたリスクバランスを考えること、その上で、どう生きるか(すなわちどう死ぬか)は、やっぱり本人の主体的選択だと思う。

私たちにできることーつながることを諦めないー

私たちはコミュニティワーカーとして、緊急事態宣言下でもつながりを維持することにチャレンジしてきた。

『未来の豊かな“つながり”のための全国アクション』HPには他にも全国の好事例がたくさん!

zoomやLINEでボランティアが安否確認。YouTubeを見ながら自宅で介護予防体操。自分が高齢者になる頃はそんな時代になるのかなーなんて思ってたのに…コロナが未来を運んできた!笑

アナログもデジタルも、過去も未来も総動員し、やれる方法はたくさんある。コロナとうまく付き合いながら人がつながるコミュニティづくりに取り組もう。

そう、私は、やっぱり人間らしく、「人とつながりながら生きること」を諦めたくない!

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