欧州は米国を訴えられるか:塀の外側、メキシコ国境移民

「・・・しばらくは『理念追求』が『経済配慮』に勝る・・・」、今後の欧州の姿勢だと予測されています。

だとすると、

米メキシコ国境を越える子ども(日経新聞参照)

の記事にある事象は、欧州にとって見過ごせないところ。「・・・(米国の)人権擁護の発言は口先にすぎない・・・」とアムネスティ・インターナショナルは一蹴しているのだそうです。

人権擁護から移民受け入れに動いた欧州。しかし、その背景には経済(低賃金労働者)に対する思いがかなりの重みで動機に作用したと見ます。結果、国内は右にぶれ、一国優先:伝統優先:民族優先に傾いていった。

移民の上限がわかりだしたところで、静かに門を閉めた欧州。あの二回の世界大戦を引き起こし戦場となった欧州は、「再び、戦場になる要素(混乱:動乱)は早めに打ち消したい」という思いがそうさせたのだと解釈します。

「多様性重視、人権重視、割れない米国」をめざす新大統領。いま、突き付けられているのは、その証左であるのだと思うのです。

門を静かに閉じた欧州が「理念優先」で、今の米国を訴えられるか。身を護るために「経済優先」でイクサをしない。その本音を米国と分け合ったなら、米国への訴えは形を変えるのでしょう。

「イクサのもとになる移民(による混乱)、その人権は尊いものの、全体の死につながるのであれば、制限される」

どこか、東アジアの超大国が見解を述べているようなことが、米国と欧州の間でも分かち合うことができます。民族浄化の根底に何があるのか。米国も欧州も東アジアの超大国も、根は同じなのです。

豊かなところへ人は流れていく。太古より変わらぬ人間の性。

「多様性を重視し、密度を制限する」、餌場をめぐるイクサを始めるのなら、密度を減らし全体が生き残る道を選ぶ。そのために、餌場を囲い、門を設け、厳密に管理する。人間が生み出した「安全手法」。

「ムダ」の進化で生物共存(日経新聞参照)

多様性を確保するために何を犠牲にするのか。門外の生き物はその環境下で生き延びるしかない。塀の内側に豊かさがあるのがわかっていても。

#日経COMEMO #NIKKEI

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